料理の腕が実力主義の世界に転生した(仮)
なぜ自分がそこにいたのか、ここが何処なのか何も覚えていなかった。
覚えているのは自分が「りこ」と言う名前だと言うこととと自分がいたのはこんな森では無いと言うことだけ。
他の記憶はぽっかりと抜けていた。
とりあえず誰か人がいるところに…と動こうとすると自分の体が小さいことに気がついた。
「あれ?自分ってこんなに小さかったっけ?」
思い出そうとするが頭が痛くなりそれ以上考えるなと言われているようだった。
ジンジャー、商取引とか駆け引きが下手ですね。
あまり後見人になったりしていないんでしょう。
まあ、すぐに店を任せたりする訳ではないので、これから手を入れていけば友好的に囲い込む事は可能でしょう。部下にもう少し人の運用に長けた人物がいるなら『指導役』にしておけば諸々やり易くもなります。
とりあえず『紐付き』にする事は成功ですから、焦らない事ですね。
貴族が才能のある者を後援したりするのは普通にあるし、完全に縁を切るのは互いに損でしかない。
無理に引き離さなければ良いだけの話なので、そこはジンジャーが少し頭を使えば良いだけです。
(*´・ω・`)b
ラウルは馬鹿だが情には厚いという事は、誰にでもすぐに判る話。
そして、小賢しいジンジャーの言う事が如何にいい加減で、ジンジャーにのみ都合が良いという事も『たとえ子供』でもすぐに判る。
大人の嘘に騙されるのは、我欲に振り回される大人だけです。
ましてジンジャーはリコとラウルの『欲するもの』がまったく理解できていない。
二人とも『金(かね)』では無いのですよ。
偶然にも『欲しいものはなんでも』という言質は取れている。
あとはリコが『自分が望むものを見つける』だけです。
(*´・ω・`)b
ウバ、ろくでなしですね。
そして、今はまだ報いは受けなくとも、いずれ思いしる。
なにせ周囲に『他人の情報を気楽に売る人間』と認識されるのですから。
少しでも秘密の話はウバには聞かせられない、となれば、自然と人は距離を置くものです。
それは小さな疎外感ですが、忌避は齟齬を生み、やがて孤立へ至る。
避けられた側はそれを恨み、それが態度に表れて更なる孤立を作っていく。
肝心な時には、誰にも助けてもらえなくなるのです。
外道……人の道を踏み外したモノ
その一歩は、とても些細なものですが、悪因となり悪果を招く。
ジンジャー……
典型的な駄目貴族の発想です。
あまり良い人物とは言いかねる。
これでは提案ではなく、単なる脅迫に過ぎないので反発を招くし、不必要に人を傷付けて恨みを買いかねない。
意外と世渡り下手なのかな?
余裕には見せ時と見せ方というものがある。リコを囲いたいなら、リコがなついているラウルを傷付けない物言いは最低限の配慮でしかない。それすら出来ない相手では不安しか無いですね。
リコは取り込みたい
というか、ジンジャー家としては最早手放す気は毛頭ない。
ならラウルの処遇が問題になる。
秘伝な位なので、そのレシピを間近で見て、手伝う事で覚えている可能性が高いラウルをそのままにはしておけない。
消してしまうのも手ではあるのだろうが、リコの出自が不明な現在、少しでも過去に関係があるラウルを消してしまうのも、もしかすると悪手になる。
リコがなついているのは見て判る話だしね。
拾った子供に親切で、料理の腕は大したこと無いが狩りには使えるだろうし、下手に引き離すよりも使用人として雇い入れた方が得策。
理性的な人物なら、この程度はすぐに考えられる筈。
これまでの反応を見れば、ジンジャー家は取り立てて悪辣な家でも無さそうではある。
出来るだけ穏便に行きたいねぇ。
レシピが秘伝なら、それを他に作れる者を放置するのは危険。
始末するか、囲い込むかの二択になる。
始末するのはいつでも出来るが、万一リコのレシピが自分達のものより優れていたなら取り込みたいし、出所(でどころ)は確かめたいと考えるのは当然。
多分に打算的ではあるし、人物的には信用出来ないが、貴族相手なのであまり反発も出来ないしねぇ。
一族の中に出奔していたり、性的に無節操な者がいたなら落とし胤の可能性もあるとも考えられるので、まあまあ普通の対応でしょう。
作れるのに作れないふりは悪手なので、とりあえずはレッツクッキング。
所詮は酒場での酔っ払い同士のつまらない喧嘩から始まった賭けなのだから、勝敗がハッキリしたなら気持ち良く切り替えて次の賭けはどうしようか、程度にしておけば良いのに。
窃盗を疑うなんていうのは、下の下。
下衆の勘繰り以外のなにものでもなく、疑われた側に非が無かった場合は疑った側の品性までもが問われる事になってしまいます。
ウバとやらが逆恨みしないと良いのですが。ラウルも、100%自分の実力ではないので、出来ればこれまでと変わらない態度で接するようにしてやれば、多少気まずくてもその内『酒場の馬鹿仲間』に戻れるでしょう。
たまに『俺様の料理を食わせてやる』系の店主とかが『頑固一徹』だとか言われて持ち上げられたり、『店の決めた順番で注文しないと追い出す』とかいうのがテレビなどで取り上げられますが、あれはいけません。
自分の仕事に誇りを持つのと、傲慢になるのとはまったく違うものです。
そもそも『食べさせる相手に美味しいと喜んで貰う』のが土台であり、その上に研鑽した自分の技術を乗せて『お出し』するのです。
味覚は人それぞれ千差万別。万人が一致して褒め称える様な料理は理想ですが、実現は不可能でしょう。
だからこそ、惰性や固執ではなく、時に味付けを変え、付け合わせを考える訳です。
お客様は神様だから何をしても良いという訳ではありませんが、料理を提供する側の心構えは大切で、忘れてはならない事であるでしょう。
辛味の焼き肉を売りにしていても、少し辛味を抑えた物をもう一品用意して『辛味控え目』と言って選ばせれば良いだけです。
そもそも、負けた側が土下座して謝るなどナンセンスです。
互いに切磋琢磨して、味を追及していく事が肝要。
料理人なら、肝に銘じておきましょう。
(*´・ω・`)b
恐らく倒す際に血抜き出来る様にしている筈なので、ある程度食べられはすると思いますが、近場に川があるならまずは沈めて汚れとダニやノミなどの処理をしないと肉が汚染される可能性が高まります。
内臓的には膀胱と腸及び胆嚢は傷付けない様に特に気を付けましょう。
(*´・ω・`)b
熟成させた方が美味しいとされますが、フレッシュなお肉も悪くありません。シシ肉なのでアク取りはこまめに。余分な脂が浮いてこなくなる位やっても味がしっかりしているので中途半端にならない様にね。
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