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はじめて6(性描写あり)
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「フェリクス、フェリクス、それ、それいやぁ……っ」
「もう戻れない、と言ったはずだよ。アンリエッタ。ほら、アンリエッタのここ、つんと尖って……まるでキイチゴみたいだ」
フェリクスがちゅ、と口付ける。そのまま胸の蕾を口に含まれ、甘噛みまでされては、アンリエッタはもはや身も世もなく喘ぐことしかできなかった。
ずくずくと腹がうずく。足の間から、ねちょ、くちゃ、とはしたない水音がする。それが何なのか、アンリエッタは知っているつもりだったけれど、自分で体験するのと知識は全く違った。アンリエッタは過ぎた快楽に体をねじって逃れようとするが、フェリクスはそれを許してはくれない。
「アンリエッタ……逃げないで」
「むり、むりだものっ……しらない、こんなのしらない……!」
「そう、アンリエッタは知らないんだ……じゃあ、僕がアンリエッタにこういうことを教える、最初で最後のアルファなんだね」
「あ……」
脳が蕩ける。フェリクスの唇から吐き出される言葉は毒のようですらあった。
ただ事実を告げているだけなのに、アンリエッタにはそれがどうしようもなく甘美なことであるように聞こえるのだ。
フェリクスは、アンリエッタのもう片方の指に手を滑らせてきゅむ……とつまんだ。ひたすら優しい手つきなのに、そうされていると焦らされているようで頭が沸騰しそうになる。もっと触れてほしいと思ってしまう。
「ひぁ、ああっ、あん、あ、ぁ」
「アンリエッタ……かわいい、僕の手でこんなに乱れてくれるなんて……」
フェリクスがうっとりと目を細めて言う。
アンリエッタは紫色の目からぽろぽろと涙をこぼしてシーツをくしゃくしゃに握った。
それに気づいたフェリクスが、アンリエッタの手をとって、導くように自身の首の後ろへ回す。
「抱き着いていて。噛んでもいいから、ほら、こわくない、こわくない……」
「ひぃッ、ん、ぁあ、あ……フェリクス、なにか来る、こわい、こわいの」
「うん、達しそうなんだね……いいよ、そのままいって。大丈夫、抱きしめていてあげるから」
フェリクスの片手が、言葉通りアンリエッタを抱きしめる。
フェリクスはアンリエッタ耳元に顔を戻してふ、と息を吹き込みながら、アンリエッタの胸の尖りをきゅう、くりくり、とつまんで転がしている。
まるでおもちゃみたいにされながらも、アンリエッタの足の間からははしたない音が止まらなくて、アンリエッタはフェリクスに抱き着いた腕に力を込めた。
わけのわからない未知の感覚が、アンリエッタをどこかに連れ去ってしまうようだ。
アンリエッタは、その衝撃にさらわれまいとフェリクスにしがみついた。
その刺激を与えているのが、フェリクスその人だとも忘れて。
「フェリクス、ふぇりくす……っ」
「アンリエッタ……かわいい……」
ぎゅうう、と足先が丸まる。アンリエッタの初めての絶頂は、フェリクスの腕の中に包まれて果たされた。
上って、降りてこられなくて、アンリエッタはしばらく呆けていた。
その唇に、水差しからグラスに移し、口に含んだ水を口づけとともに飲ませてくれるフェリクス。自分が雛鳥のように思えて、アンリエッタはそんなフェリクスの手の平に頬をすりよせた。
「ふぇりくす……なんだか、ふわふわする……」
「そう、でも、眠らないでね、アンリエッタ。まだ、この時間は始まったばかりなのだから」
「え……?」
アンリエッタはふわりと緩んだまなざしでフェリクスを見た。
フェリクスは、微笑んでアンリエッタを見ている――けれど。
その目は相変わらずぎらぎらと欲望に輝いていて、アンリエッタは息を呑んだ。
脚の間になにか熱いものが当たる。
恐る恐る見やったそれは、太く硬いフェリクスの熱杭だった。
「フェリクス、だめ、それ、入らない、むりよ」
「ん……入るよ。大丈夫……アンリエッタが受け入れてくれれば……」
フェリクスは、アンリエッタの顔中に口づけの雨を落として、アンリエッタをあやした。
ずるい、アンリエッタがフェリクスにそうされると、頭がふわふわして、ぼうっとなってしまうことを知っているのだ。
フェリクスは、アンリエッタの目が蕩けたすきに、その白く長い、節くれだった指をアンリエッタの腹に滑らせた。伝うように降りてきた指先が、アンリエッタの脚の間、秘められた場所へたどり着く。
「もう戻れない、と言ったはずだよ。アンリエッタ。ほら、アンリエッタのここ、つんと尖って……まるでキイチゴみたいだ」
フェリクスがちゅ、と口付ける。そのまま胸の蕾を口に含まれ、甘噛みまでされては、アンリエッタはもはや身も世もなく喘ぐことしかできなかった。
ずくずくと腹がうずく。足の間から、ねちょ、くちゃ、とはしたない水音がする。それが何なのか、アンリエッタは知っているつもりだったけれど、自分で体験するのと知識は全く違った。アンリエッタは過ぎた快楽に体をねじって逃れようとするが、フェリクスはそれを許してはくれない。
「アンリエッタ……逃げないで」
「むり、むりだものっ……しらない、こんなのしらない……!」
「そう、アンリエッタは知らないんだ……じゃあ、僕がアンリエッタにこういうことを教える、最初で最後のアルファなんだね」
「あ……」
脳が蕩ける。フェリクスの唇から吐き出される言葉は毒のようですらあった。
ただ事実を告げているだけなのに、アンリエッタにはそれがどうしようもなく甘美なことであるように聞こえるのだ。
フェリクスは、アンリエッタのもう片方の指に手を滑らせてきゅむ……とつまんだ。ひたすら優しい手つきなのに、そうされていると焦らされているようで頭が沸騰しそうになる。もっと触れてほしいと思ってしまう。
「ひぁ、ああっ、あん、あ、ぁ」
「アンリエッタ……かわいい、僕の手でこんなに乱れてくれるなんて……」
フェリクスがうっとりと目を細めて言う。
アンリエッタは紫色の目からぽろぽろと涙をこぼしてシーツをくしゃくしゃに握った。
それに気づいたフェリクスが、アンリエッタの手をとって、導くように自身の首の後ろへ回す。
「抱き着いていて。噛んでもいいから、ほら、こわくない、こわくない……」
「ひぃッ、ん、ぁあ、あ……フェリクス、なにか来る、こわい、こわいの」
「うん、達しそうなんだね……いいよ、そのままいって。大丈夫、抱きしめていてあげるから」
フェリクスの片手が、言葉通りアンリエッタを抱きしめる。
フェリクスはアンリエッタ耳元に顔を戻してふ、と息を吹き込みながら、アンリエッタの胸の尖りをきゅう、くりくり、とつまんで転がしている。
まるでおもちゃみたいにされながらも、アンリエッタの足の間からははしたない音が止まらなくて、アンリエッタはフェリクスに抱き着いた腕に力を込めた。
わけのわからない未知の感覚が、アンリエッタをどこかに連れ去ってしまうようだ。
アンリエッタは、その衝撃にさらわれまいとフェリクスにしがみついた。
その刺激を与えているのが、フェリクスその人だとも忘れて。
「フェリクス、ふぇりくす……っ」
「アンリエッタ……かわいい……」
ぎゅうう、と足先が丸まる。アンリエッタの初めての絶頂は、フェリクスの腕の中に包まれて果たされた。
上って、降りてこられなくて、アンリエッタはしばらく呆けていた。
その唇に、水差しからグラスに移し、口に含んだ水を口づけとともに飲ませてくれるフェリクス。自分が雛鳥のように思えて、アンリエッタはそんなフェリクスの手の平に頬をすりよせた。
「ふぇりくす……なんだか、ふわふわする……」
「そう、でも、眠らないでね、アンリエッタ。まだ、この時間は始まったばかりなのだから」
「え……?」
アンリエッタはふわりと緩んだまなざしでフェリクスを見た。
フェリクスは、微笑んでアンリエッタを見ている――けれど。
その目は相変わらずぎらぎらと欲望に輝いていて、アンリエッタは息を呑んだ。
脚の間になにか熱いものが当たる。
恐る恐る見やったそれは、太く硬いフェリクスの熱杭だった。
「フェリクス、だめ、それ、入らない、むりよ」
「ん……入るよ。大丈夫……アンリエッタが受け入れてくれれば……」
フェリクスは、アンリエッタの顔中に口づけの雨を落として、アンリエッタをあやした。
ずるい、アンリエッタがフェリクスにそうされると、頭がふわふわして、ぼうっとなってしまうことを知っているのだ。
フェリクスは、アンリエッタの目が蕩けたすきに、その白く長い、節くれだった指をアンリエッタの腹に滑らせた。伝うように降りてきた指先が、アンリエッタの脚の間、秘められた場所へたどり着く。
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