虚無の統括者 〜両親を殺された俺は復讐の為、最強の配下と組織の主になる〜

サメ狐

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組織結成編 一章 

五年前の因縁

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この5年で森の地形がだいぶ変わってしまった。一体誰の仕業だろうか。
町の大人たちは魔獣同士が戦っているのだと思っているが。違うんだなこれが。

その後、森に入り黙々と魔法の練度を上げている
魔法で自分の分身を造り、剣を交え、磨きをかける事、数時間程経ち‥‥‥

そして夜の12時に差し掛かろうとしていた。

風が耳を澄まし、森の洞窟の方で数人の声が聞こえてきた。
なぜか俺はその声が妙に懐かしく感じた

「とても聞いたことがある声だ‥‥‥」

そう思い洞窟の中へと入っていくと黒いローブを羽織っている謎の集団が目の前にいた。

「この声は‥‥あの時の奴らかッ!」

洞窟の奥にいたのは5年前と同じ奴らだった。黒いローブを纏い耳に定着したあの声。心臓が破裂しそうな程に脈動している。今すぐにでも親の仇を取り一瞬であの世に葬り去ってやりたかった。

しかしここは一度冷静になる  

「落ち着け。冷静になれ。相手の数は…1‥2‥3人か。いや真ん中にいる子は誰だ?」

よく見ると自分と変わらない年に見えた子供がいた。しかし見るに耐えない姿だった。何度も暴行され傷つき腫れた顔。また逃げられないように足の腱を斬られているのが確認できる。

なんと酷い‥‥

これはあれだ。拉致られて何かの実験の道具にされたのだろう。いやこれから道具にされるのだろう‥‥とても見ていられない

ついでだ。新しい魔法の威力の実験にでもするか。五年間の成果のお披露目といこう。
岩陰の暗闇から体を出し、謎の集団に声をかける。

「——おい。そこで何をしている?」

後ろから声をかけたら勢いよく振り向いてきた。するとリーダーらしき人物が話しかけてくる

「貴様どこから入ってきた? 私の結界を破ってきたのか?いや、破られた反応はなかったが」

とても低い声で身長がかなりあり、体格もガッチリとしていて壁のような存在を感じる。俺を見下ろしていてかなり怖いが俺はその目を見返し、不適な笑顔で答えた

「いいや、普通に入ってきたが」

なるほど。あの変なウネウネした壁が結界だったか。なんか悪い。魔法を分析して同じ魔法を使って入ったらなんかいけたんだわ、とは言わないでおこう。面倒な話になりそうだからな。

「——ッ!馬鹿な、ありえぬ。貴様、何者だ?」

「俺か?そうだな。なんて名乗ろうか‥‥」

俺は頭に手を当て考えるそぶりをする

(ヤバイ、こういう時は偽名がいいが思いつかない。どうしようか)

「‥‥ではネロと名乗ろう」

「ネロか‥‥では死ねッ!」

おい、こいついきなり魔法を撃ってきやがった。
こっちは名乗ったのだからそっちも名乗るのが礼儀ではなかろうか。
せっかく考えたのに

まあいい。後ろの二人は何やら魔法を詠唱しているのだろうか。ああいう後衛にいてチマチマと攻撃する奴らは面倒だから先に眠ってもらおう。

刹那、リーダーの男の目の前から消え、後方から仲間たちの声が響く。 

「「背後をッ!カハァッ‥‥」」

二人の後ろに魔法で転移して首を跳ねた。
ああ、思った以上に綺麗に切れたな。なんて思っていたらリーダーが襲いかかってくる

「——貴様ッ! それは転移の魔法ッ!なぜ貴様ごときガキが使える?!」

「さあな、なんでだろうなぁ。いつの間にか使えるようになっていたんだよ。それよりも俺に見覚えはないか?5年前に親子で森に居たんだが‥‥」

「見覚え?ねえな。お前見てーなガキと大人なんぞ何人と殺してきたからな。覚えてねーよ。そんなことよりも我々”バラトロに盾ついたことを後悔しろ」

リーダーの男は今度は剣を抜いて来た。魔力からしてはなかなか階級が高いんじゃないか?こいつ。 

今“バラトロとか言っていなかったか? それはなんぞ。

俺は襲いかかって来る剣をそのまま素手で受け止めようとしたが、これは斬られると悟り一歩引いた。

「おいおい。なんだガキ?びびって引いてんじゃねーよ? 一応俺はなぁAランクだぜぇ?」

なるほど、Aランクはこの程度のものか。確かAランクだと国の魔法剣士軍に入れるんじゃなかろうか。てか良い位置まで行くんじゃないか?

まあ。少し理解した。ならば一応こちらも剣士としての戦いをしようではないか。‥‥そうだな。あいつを呼ぶか

———来い

——ラ・ヴェラ・オスカリタ——
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