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04 知らない天井
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僕は、目を覚ました。
あれ?いつもの天井じゃない?
僕は見慣れた自室の天井ではないことにぼんやりと疑問を持ったんだ。
どうやら僕が今寝ている場所は、自室のベッドの上ではないらしい。
僕の目にはところどころで淡い光が放たれた、岩肌。
・・・洞窟のような場所かな?
そして僕は、地面の上に敷かれた毛皮の上に横になっているようだ。
毛皮のすぐ下から、地面の硬さと冷たさが伝わってくる。
「つっ!うぅぅぅ」
身体を起こそうとした僕に、激痛が走った。全身からだ。
そして、そんな僕に誰かの声が発せられた。
「目が覚めたか」
「ひゃあ!・・・つぅぅぅ」
激痛に堪えていた僕だが、不意にかけられた声にびっくりしてしまう。
一瞬だけ痛みを忘れたが、再度激痛が僕を襲ってきた。
そんな僕に、その声は再度話かけてくる。
「生きているだけでも奇跡なのだ。お前はまだ横になっているがいい」
「あ、あなたは・・・?ここは・・・?」
僕は痛みをこらえてそう聞いた。
「儂はただの空手家だ。そしてここは、地獄の底だ」
「地獄の底・・・」
その言葉で、僕はようやく思い出した。
そうだ・・・僕は・・・父さんから地獄の谷に投げ落とされたんだ。
「しかし、本当に驚いたぞ。今までにもここに落ちてきた人間は何人も見てきたが、生きていた人間はお前が初めてだ。まぁ、虫の息ではあったがな。おそらくは身に纏った肉が衝撃を和らげたのだろう」
ま、まさか、上から落とされて生きてたなんて・・・。どのくらいの高さがあるのかはわからないけど、底が見えないほど深い穴だぞ!?
普通なら確実に死んでいるような状況で、まさか生き残ったのが自分の脂肪のおかげだなんて・・・そもそもがこの脂肪のせいで落とされたようなものなんだから、喜んでいいのか微妙だな・・・。
・・・あ!そうだ!まだこの人にお礼を言ってなかった。
「あの・・・助けていただいて、ありがとうございます・・・」
「礼には及ばん。儂もずっと一人だったから、久しぶりに人と話をすることができて嬉しいのだ。・・・よし、できたわ。ほれ、薬を調合したから、飲むと良い」
声の主が近づいてきて、僕の口に粉みたいなものを入れてきた。
・・・まるで頭はツルツルで筋骨隆々のお爺さんだ・・・って!苦いぃぃ!
「うぇぇぇ・・・」
「我慢せい。飲めば傷などたちどころに治るぞ」
せっかくお爺さんが作ってくれたものを吐き出す訳にもいかず、僕は涙目になってそれを飲み込んでいった。
すると・・・
「え?うそ!?身体が痛くない!?」
「今飲ませたのはエリクサーの粉末じゃからな。もう起き上がれるじゃろう」
僕はお爺さんの言葉に従って起き上がった。
あれほど全身を苦しめていた激痛は、すべて引いていた。
あれ?いつもの天井じゃない?
僕は見慣れた自室の天井ではないことにぼんやりと疑問を持ったんだ。
どうやら僕が今寝ている場所は、自室のベッドの上ではないらしい。
僕の目にはところどころで淡い光が放たれた、岩肌。
・・・洞窟のような場所かな?
そして僕は、地面の上に敷かれた毛皮の上に横になっているようだ。
毛皮のすぐ下から、地面の硬さと冷たさが伝わってくる。
「つっ!うぅぅぅ」
身体を起こそうとした僕に、激痛が走った。全身からだ。
そして、そんな僕に誰かの声が発せられた。
「目が覚めたか」
「ひゃあ!・・・つぅぅぅ」
激痛に堪えていた僕だが、不意にかけられた声にびっくりしてしまう。
一瞬だけ痛みを忘れたが、再度激痛が僕を襲ってきた。
そんな僕に、その声は再度話かけてくる。
「生きているだけでも奇跡なのだ。お前はまだ横になっているがいい」
「あ、あなたは・・・?ここは・・・?」
僕は痛みをこらえてそう聞いた。
「儂はただの空手家だ。そしてここは、地獄の底だ」
「地獄の底・・・」
その言葉で、僕はようやく思い出した。
そうだ・・・僕は・・・父さんから地獄の谷に投げ落とされたんだ。
「しかし、本当に驚いたぞ。今までにもここに落ちてきた人間は何人も見てきたが、生きていた人間はお前が初めてだ。まぁ、虫の息ではあったがな。おそらくは身に纏った肉が衝撃を和らげたのだろう」
ま、まさか、上から落とされて生きてたなんて・・・。どのくらいの高さがあるのかはわからないけど、底が見えないほど深い穴だぞ!?
普通なら確実に死んでいるような状況で、まさか生き残ったのが自分の脂肪のおかげだなんて・・・そもそもがこの脂肪のせいで落とされたようなものなんだから、喜んでいいのか微妙だな・・・。
・・・あ!そうだ!まだこの人にお礼を言ってなかった。
「あの・・・助けていただいて、ありがとうございます・・・」
「礼には及ばん。儂もずっと一人だったから、久しぶりに人と話をすることができて嬉しいのだ。・・・よし、できたわ。ほれ、薬を調合したから、飲むと良い」
声の主が近づいてきて、僕の口に粉みたいなものを入れてきた。
・・・まるで頭はツルツルで筋骨隆々のお爺さんだ・・・って!苦いぃぃ!
「うぇぇぇ・・・」
「我慢せい。飲めば傷などたちどころに治るぞ」
せっかくお爺さんが作ってくれたものを吐き出す訳にもいかず、僕は涙目になってそれを飲み込んでいった。
すると・・・
「え?うそ!?身体が痛くない!?」
「今飲ませたのはエリクサーの粉末じゃからな。もう起き上がれるじゃろう」
僕はお爺さんの言葉に従って起き上がった。
あれほど全身を苦しめていた激痛は、すべて引いていた。
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