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第五章 闇の教団

26.拘束された二人※

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 司祭様が私に向けて掌を出したと思ったら、私は頭の上で手を拘束されて、修道服の胸元と袖がビリッと音を立てて破けて床に落ち、ベールも下着も床へ散って、丸裸にされてしまった。
 首から下げていた十字架が音を立てて落ちた。

「いやあああっ」

 恥ずかしさで悲鳴を上げながらも、ただの人間であるはずの司祭様にこんな魔法が使えるなんておかしいと感じた。

「アイネに手を出すなっ!」

 さっきの悲鳴を聞いてシエラが駆けつけてくれた。
 外で様子を見ていて、何かあったら来てくれる約束だったのだ。

 練習用の短剣を抜いて司祭様に迫るが、彼も簡単に手を拘束されて剣は床に落ちた。
 私のときと同様に衣服が散り丸裸にされた。

 司祭様は錠剤を取り出して、シエラの口へ押し込んだ。

「ほら、飲み込め」

「や、やめろっ!」

 何も抵抗できず薬を飲まされたシエラは、下腹部にあの呪いの紋様が浮かび上がり、前がむくむくと膨らんでいく。

「ククク、早くも性欲促進剤が効いてきたな。お前はもう我慢できまい」

「なぜこんなことをっ!」

 司祭様は不気味な顔で笑った。

「司祭様ぁ」

 と私は叫んだ。

「修道司祭など偽りの姿だっ! 俺の本当の姿は闇の教団の大司教だっ! 我々闇の教団の目的は魔王様を復活させ再び世界を暗い闇に包むことだ。古くから教団に伝わる予言の書にこう書かれていた。勇者シエラと聖女アイネが魔王復活を阻むと。そこには二人の誕生の詳細が書かれていた。この予言の通りに生まれたのがお前らだ。赤ん坊のうちに始末するのは簡単だがつまらん。我々の心に宿る悪魔の魂がもっと二人を痛めつけろ、と訴える。そこで俺はシエラの体に魔王様の誕生に必要な特別な精子を作る呪いをかけた」

 薬のせいではあはあと苦しそうに呼吸をするシエラが叫んだ。

「俺に呪いをかけたのは、お前なんだなっ!」

「ああ、その通りだ。アイネに魔王様を産ませるためにお前らを一緒に過ごさせた。普通の女よりも丈夫な聖女のうつわは魔王様の種床にちょうどいいしな。傑作だろう、魔王復活を阻むはずの二人が、魔王を復活させるんだから。ククク、ついでにいいことを教えてやろう」

 司祭様、いや闇の大司教はシエラのあごを掴んで、そのうつろな目をしっかり見つめて言った。

「この計画はお前とアイネが孤児になった方が好都合だった。だから俺がお前とアイネの両親を殺したんだ」

 シエラは正気を取り戻したみたいに目を見開いた。

「こらえきれないほどの性欲が湧いているはずなのに、意地になって耐えてアイネを孕ませないお前にはイライラしたけどな。アイネにはさっさと処女を失ってほしかった。そうすれば聖女になることも出来なくなるからな。我々は邪悪な心を持つ逸材であるジュリエッタを闇の悪聖女にさせたいんだ」

 いつの間にかジュリエッタが闇の大司教のそばにいた。

「話はもういいでしょう、さっさと二人をヤらせましょう。ふふ、見ものだわ」

 彼女は呪いの証の凹凸を浮かび上がらせ、はち切れそうなほど反り返っている大きなシエラのものを見て笑った。
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