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暗殺者と竜

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公開練習から数日、ミュリエルは屋敷から出ることなく剣の鍛錬に励んでいた
怪我はすっかり治っているのに、王太子とヴィオから見舞いの品が送られてきた

ミュリエルに会って謝罪したいと言う二人に
必要ありませんと断ったためだろう

花や果物、装飾品などが送られてきたのだ

「もう気にしないでほしい」

「そうは言っても、王太子だからな会って謝罪は受けた方がいいのではないか?」

「ダメよ!そんなことしたらお母様にバレてしまうでしょ」

今日はお母様は侯爵家のお茶会に出ているので留守だった
セーフ

花は自室の部屋に飾り、果物はシェフへ持っていく
美味しいおやつにしてもらおう

装飾品も悩んだが部屋のクローゼットへ
証拠隠滅である

あとは謝罪はお手紙でお受けしたことにして、

もうすぐ試験なのに、こんなことが母の耳に入ったら
試験を受けさせてもらえないかもしれない

「お兄様もくれぐれも内緒で!」

「わかったわかった、」

と兄は玄関ホールへ向かう

「今日もお仕事?今日は休日でしょ?」

「ああ、急ぎの仕事があってね、戻りは夜だ、行ってくる」

なんだ、剣の相手をしてもらおうと思っていたのに

試験を数日後に控え、落ち着かない気持ちを鍛錬で落ち着けようと思ったのだ

今日はいつもの動きやすい格好で長い髪は後ろにゆるく三つ編みにしている
ミュリエルは外出することに決め
マリベルにその旨を伝えると彼女は薄めの毛皮のコートを持ってきた

「外は寒くなってきましたので」

「ありがとう」

スイーツでも食べて落ち着こう

いつものように一人で歩き門を出る

踵の高いブーツがコツコツと軽快な音を立て
ピンクゴールドの三つ編みがユラユラ揺れ
人々が振り向くが当の本人は特に気にするでもなく呑気に歩いていく





ライランド家の伯爵令嬢が王都を一人、歩き回るというのは本当だった
ここ最近は屋敷から出なかったが

前を歩くライランド伯爵令嬢から少し距離をとって銀髪の男が歩き出す
変わった女だ、他の令嬢とは服装も、何もかもが違う

男は目を凝らしライランド伯爵令嬢、ミュリエルの魔力を探った
最近は魔力持ちが少なく、王都に所属する魔法士は少なくなっている

その中ではこの女は魔力量が多い方だろう
そんなことを考えていたら

前を歩く令嬢は大通りの路からは外れ、広場の方へ向かっていく
男も十分に距離をとって平然とそちらへ向かう

広場を抜け、街路樹の多い通りを抜けるとちょっとした林があり木々と生い茂った緑で
少し暗い印象の道が続くがミュリエルは構わず進んでいった

、、、、もしや

誘われている?

男は外套のフードを被りながら、そう思ったが今日は万全の状態であるし
あちらも一人、それに人目がないのはこちらとしても好都合なのだ

一瞬、迷ったがそのまま足をすすめる

あんな小娘に負けるはずもない、魔力だって自分が上

林を抜けると少し小高い丘に低い雑草や草花が生い茂る広い場所に出た

先に歩いていたはずの令嬢の姿はどこにもない
男はグルリと辺りを見回し
上から魔力を感じた
ハッと上を見ると
女が自分の頭上に浮いていた



ミュリエルは風の魔法を解くとそのまま落下し自重で男を踏みつけた

「誰だ君は、人の後をこそこそと」

凛とした女の声はどこか冷ややかで見下ろす瞳は炎のように揺らめいている

男は長い外套を羽織っていた、そこから手が伸びてきてミュリエルの足首を掴むと
そこから
ボウゥ!

炎が下から燃え上がる
ミュリエルの足の辺りから炎の蛇が巻きつき全身に巻き付いて
ミュリエルを拘束していく

あの夜の炎の蛇と似ている
男はミュリエルの足を払って後退り距離を取った

火だるまになったミュリエルを見て
男がさらに魔法陣を発動する

魔法陣から無数の鉄の棒が現れて炎を囲み円を描くように地面に突き刺さった
まるで牢獄に閉じ込めたかのように
しかし
男はピタリと動きを止める
鉄棒の中の炎は動くことなく轟々と燃えている

「、、、、?」

動かない炎にそして、自分の足元に違和感を覚えた
ヒヤリとした冷気が下から這い上がってくる感覚を確認しようとした

確認するまもなく耳元に女の声がする

「何を閉じ込めたのかな?」

男は目を見開いた
炎で焼き拘束し、閉じ込めたはずの女は

自分の背後でニコニコと立っている
パキパキと音が這い上がってくる
やがて首筋まで冷たく硬い感触に支配されて足も指も動かせない

女は草むらを歩いて檻の中の炎に向かって水の魔法を放った
丸い牢獄の中には黒く燃えた木があらわれる



ミュリエルは首まで氷漬けにした男の近くに来ると
外套のフードを取り払う、男の銀髪が風になびいた

背も自分と同じくらい、顔は青年というより少年に近い
同じ年くらいだろうか

「知らない顔だ、夜会の賊ではないな」

手はあるし、ちゃんと歩いていた

お兄様に切られて腕は会場から持ち去られていたと聞いていたし
治癒魔法でくっつけた可能性はあるが
あいつはもっと魔力が濃かったきがする、あと年上な気がした
顔はよく覚えていないけど

「それで?何か用かな?」

炎で燃やされそうになったけど

「もしかして、暗殺者?」

少年は口を固く閉じる

「依頼主はいるのかな?それとも君が私に恨みがあるのかな?」

少年は目も閉じる

「普通女の子に火魔法とか放ったら死んじゃうけど」

「お前のどこが普通の女だと?」

まさかツッコミが返ってくるとは、ミュリエルは質問を続け、提案する

「いくらもらって依頼を受けたんですか?
もし、依頼主とか目的を教えてくれたら、
その報酬以上のお金と、命を助けてあげますよ」

「令嬢のくせに人を殺すのかよ」

「だって、このまま放置すれば凍死しますよ」

男はごくりと唾を飲む
そこから下は凍っていてジワジワと寒さで感覚がなくなっていく

「それにこれは正当防衛ですし」

ニッコリと女はまるで女神のように美しいく残酷に微笑む

「、、、、、わ、わかった、依頼してきたのは、
黒いフードの男で足を引きずっていた、あと右腕に傷も、
女のくせにすごい魔法使いだから油断するなと言っていた」

「名前は?」

「知らない、、、酒場で声をかけられて」

「それで?」

「金は前金で100万、後は死体で100万、生捕で200万」

ミュリエルは考え込む
なんで私に、、正体がバレた?

どこかで魔力を読まれた?
優れた魔法使いは、魔力で個人を特定したりする。ロージーのように

最近魔力を使ったのは公開練習の時
あの時にまた城内にいたということ?

「君は魔法使いだよね?依頼主は君の師匠か何か?」

使う系統の魔法が似ている

「違う、あの炎の魔法は彼の魔法陣を使ったものだ依頼を受ける時に数枚もらった」

「おい、そろそろ氷を解いてくれ」

「まだ、ダメ。襲うように言われたのは私だけか?」

「俺が言われた標的はお前だけだ」

万が一お兄様のところに刺客がいったとしても大丈夫だろう
ミュリエルは兄にも抑制効果のある魔石を持たせている
それを外せば剣も魔法も優秀な兄であれば退けることは可能だ
邸宅には特製の結界を施してあるし
母には特製の指輪を肌身離さずと言ってつけてもらっている


その時

チカチカと目が熱い
「?」
頭の奥でアレンの記憶が弾けた警告のように
なんだか知っている嫌な気配が
「なんだ?」

その時、遠くでドンッと地響きがした、同時に黒い魔力と空気を揺るがす咆哮
ミュリエルが音の方へ振り向くと城の近くで黒いものが蠢いている
ミュリエルは信じられないものを見た

「あれって、、、!」

アレンの最後の記憶が蘇る

「おい、お前名前は?私に雇われるかこのまま氷漬けで死ぬか今すぐ決めろ」
ミュリエルの言葉に暗殺者は一瞬考えすぐ返事をする

「デオ・ギュリオス、お前に雇われる!」

ミュリエルの手がデオの額に触れカッと光るとそこに琥珀色の魔法陣が刻まれた

肌色と近い色になりあまり目立たずそれは銀の髪に隠れた

次にデオの全身の氷が弾けた

キラキラと光を反射した氷が溶けて、暗殺者の動きが自由になる

「金は今ないから後払いだ、今からあの魔物を討伐する」

「はぁ!?アレ、魔物?竜じゃないか!デカすぎるだろう」

「あれは物理攻撃が効かない」

黒い鱗に蝙蝠のような羽
ツノの生えた頭部から尻尾の先まで黒く
赤い瞳がギョロリとアレンを見ていた
過去の記憶

遠いがあの黒い塊の正体はそれだろう、気配が似ている

どうしてあれがここに、、、団長が相打ちで倒したと誰か言っていなかったか?
別の個体?

当然、アレンが死んだ後のことは自分にはわからない
しかし蘇る記憶の中で
自分は死の直前、最後の魔力を剣に宿し物理攻撃が効かない怪物を倒すために
四属性補助の魔法陣を固定した

死んでも効果を発揮するように
それで倒せると思っていた

しかも前世で見た時より竜のような黒い魔物はでかい
ともかく、被害が出る前に向かわないと

あれをどうにかできるものがこの王都にいるだろうか
風の魔法陣を足下に出現させ
デオにもそれを施す

「足に魔力をこめると飛べるから、ついてきて」

ミュリエルは一気に加速して風に乗る
魔法を使える者が多い方がいい

デオもそれに続いた

「君は使える属性魔法は?」

「空間魔法と闇魔法」

レアだなとミュリエルは感動した
自分が持たない属性でもあり、どういうものか興味が湧く

「空間魔法って、さっきの鉄の棒を出したやつだよね」

「ああ、自分が過去にストックしたものを出現させる」

「便利だな、闇は」

「影を渡ったり、闇に身を隠す、あとは目眩しとか?」
応用で色々できそうだ
こっちも面白い、暗殺に適している

「それにしても、この風魔法、すごいな、空を飛ぶとか、
この魔法陣売れるだろうな」

「売らないのか?」

「売れないだろう、魔力持ちもそういないし、
大体こんな初歩、王都の魔法士はみんなやれるでしょ」

「は?お前、王都の魔法士の奴らが、なんの媒介もなく飛べると思ってるの?
そこらへん飛んでる魔法使いなんて見たことないだろ」

むしろ媒介を使って飛んでる人も見たことはない

「最近は自分で魔法陣を構成する魔法使いはいない、
皆んな昔の魔法書から魔法陣を再現して使ってる」

「そうなの?」
そうだとしたら、私に魔法を教えてくれたロージーは天才なのでは?
魔法陣も魔法も教えてくれたのはロージーだし
あとは応用して今では魔法の開発も趣味で楽しい


デオは前を飛ぶ令嬢を見る

こいつも、元依頼主も相当な天才だ

自分で魔法を構成して新しい魔法を作るなんて
大昔の魔法使いはそうだったと聞いたことがある
しかし、今では魔力持ちも少なく、能力も低下していると聞く

デオは自分の額に手を当てる

それに、この魔法陣は一体なんなのか


そうこうしているうちに城外の高級商店が並ぶ一角に到着した
そこに大きな黒い竜のような魔物が動く

ただ動くだけで近くの建物が崩れて辺りは騒然としていた

バラバラと落ちる瓦礫の奥に信じられない人物と兄が見えた

「団長によく似た王太子」

なんでこんなとこに
見ると王太子は瓦礫に足を挟まれていた

「おい、デオ、あの瓦礫をどうにかできる?」

「ああ、やってみる」

デオが空間から何か取り出して兄と協力して王子を救出している時
ミュリエルは竜と対峙していた

あの時より大きく見えるこの竜は自分に倒せるだろうか

まわりを見まわし逃げ遅れはないか確認する。まだ騎士は到着していない

この魔物には物理攻撃は効かない
体は硬い鱗のようなものに覆われた黒い竜のようだ

体の周りに黒い霧のようなものを纏っておりそれに触れると
魔法が押し負けてしまう感じの無効効果が前回発生した

前、団長はこいつを相打ちで倒したと言っていた
一体どうやって、、、

考えている間に、黒い竜が動いた
一歩が大きい、すぐに間合いが詰まる

ミュリエルは魔力最大で竜の足元に風の魔法を放った

しかし、黒い霧に相殺され、一瞬現れた体をまた霧が覆う

ミュリエルは腰にある剣を抜くとそこに炎の魔法陣を刻む
凝縮された炎が剣の刃に吸収され赤々と輝いた



デオは王子に覆いかぶさっていた瓦礫をどうにか持ち上げ、
ランディが王子を引っ張る

「足を治療しなければ、、、」

王子の足は折れてはいないようだが出血が多い

「俺は令嬢の加勢にいく」
そこで初めてミュリエルが竜と対峙している事を知った

デオがミュリエルの元へ向かうと
ランディは王太子を見る
安全な場所へ王太子を運ばなければ

そしてミュリエルを見た
彼女は自分の耳に手を当てその飾りを取る
「そこまでの相手なのか」
自分たちでは相手にならないはずだ



耳飾りを外すとミュリエルの魔力が何倍も膨らむように感じ
デオは自分の殺そうとしていた相手が自分の手に負える者ではないと実感した

あれで実力を隠していたなんて
デオは影に移動して竜とミュリエルに近づき、風魔法を使って竜の真上に出た、
貰った炎の魔法陣を下に構えありったけの魔力を足に集中する

ゴオっと風魔法が放出され、炎の魔法陣が反応し大きな炎の竜巻が竜を覆う

ミュリエルはそれを好機とみなし
一気に間合いを詰めつつ、その間に剣に強化魔法をかけた
強度を増していく竜巻で、かき消えた竜の周りの霧の合間を縫うように
魔法で作った炎の矢を5連叩き込み、そこめがけて剣を突き立てた
そこはちょうど竜の喉元
他の鱗と少し色が違う
逆鱗だ

ギュアーーーーー!!

竜が叫び辺りが振動する

少しだが刺さった剣先に最大火力で炎の魔法を放つ、何度も

竜の首元で炎が何度も爆ぜる
コレで首落とせれば、、、!


暴れ狂う竜の爪がミュリエルに迫った
剣が抜けずその手を放すが一瞬の迷いが遅れをとる
竜から離れたが、ミュリエルの体めがけ、高速の爪が迫る
「!」
爪があたる

しかしその衝撃は来なかった

かわりに無数の風が刃となってミュリエルの目の前、竜の手にかまいたちが襲いかかり
爪が逸れた
おかげで竜の爪に裂かれることなく、
ミュリエルは思い出したかのように足に風魔法を纏った
下を見ると、騎士達が到着しており、剣を振り払ったライアンが見えた

彼が持っていたのはあの団長の剣

ミュリエルはゆっくりと着地する

上を見上げると竜の首がちぎれかけその巨体がグラリと傾く
さっきの爪攻撃は最後の足掻きだったのか

ライアンが心配しながらミュリエルのそばに駆け寄るが
ミュリエルは逆にライアンを押し戻したが倒れてしまった

自分の上に覆い被さるミュリエルを抱き留め
暗くなった上を見ると竜がこちら側に倒れて来ていた

「!」

慌ててミュリエルを下に庇うが
なぜか竜の体はミュリエル達から少し逸れたところに倒れた

「まったく、二人して詰めが甘い」

竜の上からヒョコッと顔を出した兄にミュリエルは微笑んだ


なんと兄は倒れる竜の巨体を蹴り飛ばしてくれたようだ
そのおかげで竜の巨体が逸れて落ちて助かった
魔石を外して身体強化をしたみたいだが、さすがウチの兄

「なんとかなった、、。」

ふうとため息をつき上を見るとライアンがひょいとミュリエルを立たせた

「副団長さん。ありがとうございます」

「いや、だいぶ肝が冷えた心地です、無事でよかった」



「ミュリエル、殿下が怪我を、、」
ランディの言葉にミュリエルは頷く

「わかった」


騎士団が場を収めるために慌ただしく動く中
ミュリエルとランディは殿下の元へ急いだ

「お兄様、なぜこんなところに王太子殿下とご一緒で?」

「仕事だよ、今日は商業地区の視察で、、、。」

そんな行動までが敵に漏れているということなのだろうか

王太子が寝かされているところに行くと意外にもデオがそこにいた

「デオくん、協力してくれてありがと」

「脅迫されて仕方なくだ」
王太子の足には止血してくれたのか黒い布が巻かれていた

「よかった、このくらいなら、、。」
ミュリエルが手をかざすと緑色の魔法陣が輝く

「お前、治癒魔法も使えるのか」

デオが苦虫を噛み潰したような表情でミュリエルを見た

「内緒よ」

しかし前方から視線を感じ前を見ると王太子は自分の傷が治癒されていく様をまじまじと見ている。そしてミュリエルと目があった

「起きていらっしゃった?」
嘘でしょ、意識ないと思ってた

「あの時の聖女はランディの妹だったのか」
バレた

「で、殿下、この前の謝罪!とお見舞いの品ありがとうございました」
話を逸らしてみた

「は!そうだ、あの時の傷、綺麗に治ったとは聞いていたが、
大丈夫そうでよかった」

「それで、ランディが水剣の剣士なのか?」

王太子の足の傷が完治すると

兄妹は二人揃って頭をかかえる

「あー、殿下、その事どうかご内密に」ランディが言う

「なぜ、栄誉なことではないか」

「私たちは魔法使いになるわけにいきませんし、穏やかに生活したいのです」

「そうです、聖女も魔法使いもできないのです、私は騎士になりたいので」
ミュリエルも祈りのポーズで懇願した

「どうか、このこともあのことも私たちとは無関係な方向でお忘れいただきたく」

「そうか、、、。わかった」


いいの?

「命の恩人の願いだ、お前たちのいいように合わせよう」

王太子殿下、神
兄妹は2人で王太子を前に拝む

「やめろ」

王太子殿下の権力で騎士達には箝口令が言い渡され
今回の竜討伐は騎士団の手柄となった

そして、数日後
騎士団入団試験を迎える
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