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6.子作り始めました ※
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顔が熱くて、身体も熱くて、じっとりと汗ばんでくる。
それを汗臭くないかな、なんてこの期に及んでそんな心配しているおれはどうかしてる。
「シリル兄さん、感じやすいね」
「あっ……しらな、い……っ」
こんな風に人に触られるのなんて初めてなんだから。
「あぅ…ん、おれなんか……へん…なんで、こんな……きもちいぃ…」
実はおれって淫乱だったとか?
義理とはいえ弟に触られて、男なのに乳首で感じて、こんなになるなんて。
もう、どうしよう。
「へんじゃない。とっても素敵だよ」
「ぅっ……ん、ふっ…あ、さわらないで…や、だめだ…」
「もっと、もっと気持ち良くなっていくからね」
おれのを掴んだテオドールの手が、ゆっくりと上下に動く。
自分のせいで濡れそぼったそこは滑りが良くて、恥ずかしい。
知っていたよりも大きくて骨ばったきれいな指が、おれのさきっぽからでた露でどんどん濡れてきて、恥ずかしい。
そして、それがどうしようもなく気持ち良くて、恥ずかしい。
「やだっ……あ、あっ…ん」
「だって、触らないと……まだ、胸だけではイけないでしょう」
まるで、今後は胸だけでイけるようになるみたいな言い方、するな。
こんなの、ダメなのに。
弟の手で気持ち良くなるなんて兄として失格だ。顔向けできない。というか、恥ずかし過ぎて、明日から普通にできる気がしない。
「また、違うこと考えてる」
「ぅあっ!…や、つよっ……そこ、やめっ!」
ゆっくりと気遣うみたいな動きだったのに、急に手に力が入り強く先端を擦られて身体が跳ねた。
にちにちと湿った音が政務室に響いて、その音しかしなくて、その中に抑えられない自分の声が混ざっていく。
「ちゃんと、僕のあげる刺激に集中して」
「あぁっ…あ……まって、やだっ…ん、あっ」
「何も考えないで。シリル兄さんは、ただ気持ち良くなればいいんだから」
「ん、ふぅっ……あ、わかっ…わかった、からぁ…」
ずっと焦らされて、じりじりと溜まっていた熱が、直接的な刺激であっという間に大きく膨らんでいく。
「じゃあ、気持ちいい、て言って」
「ん……いえな……や…っ」
「いやじゃない、気持ちいい、でしょ」
耳に吹き込まれるテオドールの声が快感へと誘う。
首筋がぞくぞくと粟立って、そこから背筋に腰に波のように溶けるような熱が広がっていく。
赤く色づいた胸の先端を優しくつままれて、その柔らかな手つきとは裏腹に、おれの中心を握りこんだ反対の手は容赦なくて。
根元から段差と先端の敏感な所をまんべんなく擦っていく。
「ふっ……ん、あ…ん…いい……きもち…いい」
「もっと、言って」
「あ、…きもちい……きもち、いいっ…」
認めてしまえば簡単なことで、自分で言葉に出した途端に身体の感じる快感を頭もすんなり受け入れてしまう。
だって、テオの声が、テオの手が、感じる全てがとっても気持ちがいい。
「シリル兄さん、かわいい。たくさん気持ち良くなって」
「んっ…でも、おれ……ぁっ」
「ああ、もうイキそう?」
「あ……あぁ…おれ、もうっ……が、まん…できなっ」
「我慢しないでいいよ」
「んっ…んん、あっ…でも…」
「どんどん溢れてくる」
「あっ……だって、きもち…いい、からっ」
ぐっと全身に力を込めて耐えているおれの反応を、じっくりとテオドールが観察しているのが分かる。
もう、だめ。
そんな風に触ったら、だめだ。乳首もかりかり、こすらないで。首、舐めたらぞわぞわして、お尻に付け根がこそばゆくなる。
「も、だめっ……だめ、やっ」
絶妙な強さと速度で扱いていた手がぐっと先端を強く握って、耳元で、「イって」と囁かれると同時に指先が鈴口を抉られた。
こんなのもう耐えることなんて出来なくて、
「んん——っっっ!!!」
溜め込まれた快感が押し寄せて弾ける。
おれは為す術なく、テオドールの手の中に吐精した。
「んっ……あ、はぁ……」
びくびくと身体が勝手に震えるのを、食いしばって耐えながら、
ああ、もう。イっちゃったじゃんかあぁぁぁぁ………。
心の中では思考を塗りつぶすように絶叫がこだまする。
両腕で顔を覆い天を仰いで、力の入らない体を否応なしに背後でおれを支えるテオドールに預けた。
重くてもそのくらい我慢して欲しい。だって、半分以上はテオのせいだ。
身体がすごく熱い。頭がぼーっとして、腰の奥がじんじんと痺れてる。
こんな感覚、おれは知らない。
「『女神の願い』には、」
と、淡々とした声が聞こえて、
「愛の精霊力によって薬効が活性化されて、男性型の愛の精霊力を女性型に変換するとともに、男性の体内に胚の成長が可能な器官を形成する作用がある………だよね?」
と、続く。
………ええぇぇっと?なんて?
背後から聞こえた真面目な内容と、自身の現状……半裸で射精直後という状況の乖離が甚だしい。
テオドールの表情は見えないけれど……というか、体勢的にも心情的にも見れないけれど、声色は真剣そのもので、きっとそれに合致した顔をしているだろう。
「……ああ、……そうだよ」
だから、おれは半ば精霊医薬師としての矜持と、兄としての意地で、息を整えつつなんとか返答する。
なにしろ、テオドールの言っているこの説明はさっきおれが話したのと一言一句全く一緒だ。
「それってつまり……簡単に言うと、たくさん気持ち良くなるとより薬効が活性化される、てことだよね」
「まあ、そうなる……………………けど……」
たくさん気持ち良くなる?
テオドールの言葉に不穏な気配を感じて、乱れた着衣を整えるのも後回しで、今この場から早急に逃れようと足にぐっと力を入れた。
が、その瞬間にはおれの腰にテオドールの腕が巻き付いていて、
「いや……あの、テオ…?」
立ち上ることすらかなわなかった。
「じゃあ、もっと気持ち良くなろうか」
「……………え?」
「大丈夫だよ。シリル兄さんは前後不覚になっても」
前後不覚は全然大丈夫じゃない。
「後始末は僕がするから」
さらに、おれは自分の後始末も出来ないような状況になるらしい。
「心配しなくても、痕跡は全て消しておくから……シリル兄さんのこんな姿、誰にも想像すらさせたくない」
「うん、それはありがたいんだけど……そういうことじゃなくて……」
おれが心配してるのは、そこじゃない。
「これは、『女神の願い』の試験もかねてるから」
ああ、そう言えばそうだった。危うくなんでこんな状況に陥ってるのか、忘れるところだった。
「兄さんの一番大切な役目は、たくさん気持ち良くなることじゃない?」
「まあ、それは…………」
ここは「そうだよ」といてはいけない気がする。
いくら、薬理作用から言って正しいことだとしても。
考え込むおれの太ももに、テオドールの手が触れて、柔らかく撫でていく。
「僕を信じて、お願い」
その言い方は、ズルい。
だって、おれは昔からテオドールのお願いにとことん弱いのだ。
それを汗臭くないかな、なんてこの期に及んでそんな心配しているおれはどうかしてる。
「シリル兄さん、感じやすいね」
「あっ……しらな、い……っ」
こんな風に人に触られるのなんて初めてなんだから。
「あぅ…ん、おれなんか……へん…なんで、こんな……きもちいぃ…」
実はおれって淫乱だったとか?
義理とはいえ弟に触られて、男なのに乳首で感じて、こんなになるなんて。
もう、どうしよう。
「へんじゃない。とっても素敵だよ」
「ぅっ……ん、ふっ…あ、さわらないで…や、だめだ…」
「もっと、もっと気持ち良くなっていくからね」
おれのを掴んだテオドールの手が、ゆっくりと上下に動く。
自分のせいで濡れそぼったそこは滑りが良くて、恥ずかしい。
知っていたよりも大きくて骨ばったきれいな指が、おれのさきっぽからでた露でどんどん濡れてきて、恥ずかしい。
そして、それがどうしようもなく気持ち良くて、恥ずかしい。
「やだっ……あ、あっ…ん」
「だって、触らないと……まだ、胸だけではイけないでしょう」
まるで、今後は胸だけでイけるようになるみたいな言い方、するな。
こんなの、ダメなのに。
弟の手で気持ち良くなるなんて兄として失格だ。顔向けできない。というか、恥ずかし過ぎて、明日から普通にできる気がしない。
「また、違うこと考えてる」
「ぅあっ!…や、つよっ……そこ、やめっ!」
ゆっくりと気遣うみたいな動きだったのに、急に手に力が入り強く先端を擦られて身体が跳ねた。
にちにちと湿った音が政務室に響いて、その音しかしなくて、その中に抑えられない自分の声が混ざっていく。
「ちゃんと、僕のあげる刺激に集中して」
「あぁっ…あ……まって、やだっ…ん、あっ」
「何も考えないで。シリル兄さんは、ただ気持ち良くなればいいんだから」
「ん、ふぅっ……あ、わかっ…わかった、からぁ…」
ずっと焦らされて、じりじりと溜まっていた熱が、直接的な刺激であっという間に大きく膨らんでいく。
「じゃあ、気持ちいい、て言って」
「ん……いえな……や…っ」
「いやじゃない、気持ちいい、でしょ」
耳に吹き込まれるテオドールの声が快感へと誘う。
首筋がぞくぞくと粟立って、そこから背筋に腰に波のように溶けるような熱が広がっていく。
赤く色づいた胸の先端を優しくつままれて、その柔らかな手つきとは裏腹に、おれの中心を握りこんだ反対の手は容赦なくて。
根元から段差と先端の敏感な所をまんべんなく擦っていく。
「ふっ……ん、あ…ん…いい……きもち…いい」
「もっと、言って」
「あ、…きもちい……きもち、いいっ…」
認めてしまえば簡単なことで、自分で言葉に出した途端に身体の感じる快感を頭もすんなり受け入れてしまう。
だって、テオの声が、テオの手が、感じる全てがとっても気持ちがいい。
「シリル兄さん、かわいい。たくさん気持ち良くなって」
「んっ…でも、おれ……ぁっ」
「ああ、もうイキそう?」
「あ……あぁ…おれ、もうっ……が、まん…できなっ」
「我慢しないでいいよ」
「んっ…んん、あっ…でも…」
「どんどん溢れてくる」
「あっ……だって、きもち…いい、からっ」
ぐっと全身に力を込めて耐えているおれの反応を、じっくりとテオドールが観察しているのが分かる。
もう、だめ。
そんな風に触ったら、だめだ。乳首もかりかり、こすらないで。首、舐めたらぞわぞわして、お尻に付け根がこそばゆくなる。
「も、だめっ……だめ、やっ」
絶妙な強さと速度で扱いていた手がぐっと先端を強く握って、耳元で、「イって」と囁かれると同時に指先が鈴口を抉られた。
こんなのもう耐えることなんて出来なくて、
「んん——っっっ!!!」
溜め込まれた快感が押し寄せて弾ける。
おれは為す術なく、テオドールの手の中に吐精した。
「んっ……あ、はぁ……」
びくびくと身体が勝手に震えるのを、食いしばって耐えながら、
ああ、もう。イっちゃったじゃんかあぁぁぁぁ………。
心の中では思考を塗りつぶすように絶叫がこだまする。
両腕で顔を覆い天を仰いで、力の入らない体を否応なしに背後でおれを支えるテオドールに預けた。
重くてもそのくらい我慢して欲しい。だって、半分以上はテオのせいだ。
身体がすごく熱い。頭がぼーっとして、腰の奥がじんじんと痺れてる。
こんな感覚、おれは知らない。
「『女神の願い』には、」
と、淡々とした声が聞こえて、
「愛の精霊力によって薬効が活性化されて、男性型の愛の精霊力を女性型に変換するとともに、男性の体内に胚の成長が可能な器官を形成する作用がある………だよね?」
と、続く。
………ええぇぇっと?なんて?
背後から聞こえた真面目な内容と、自身の現状……半裸で射精直後という状況の乖離が甚だしい。
テオドールの表情は見えないけれど……というか、体勢的にも心情的にも見れないけれど、声色は真剣そのもので、きっとそれに合致した顔をしているだろう。
「……ああ、……そうだよ」
だから、おれは半ば精霊医薬師としての矜持と、兄としての意地で、息を整えつつなんとか返答する。
なにしろ、テオドールの言っているこの説明はさっきおれが話したのと一言一句全く一緒だ。
「それってつまり……簡単に言うと、たくさん気持ち良くなるとより薬効が活性化される、てことだよね」
「まあ、そうなる……………………けど……」
たくさん気持ち良くなる?
テオドールの言葉に不穏な気配を感じて、乱れた着衣を整えるのも後回しで、今この場から早急に逃れようと足にぐっと力を入れた。
が、その瞬間にはおれの腰にテオドールの腕が巻き付いていて、
「いや……あの、テオ…?」
立ち上ることすらかなわなかった。
「じゃあ、もっと気持ち良くなろうか」
「……………え?」
「大丈夫だよ。シリル兄さんは前後不覚になっても」
前後不覚は全然大丈夫じゃない。
「後始末は僕がするから」
さらに、おれは自分の後始末も出来ないような状況になるらしい。
「心配しなくても、痕跡は全て消しておくから……シリル兄さんのこんな姿、誰にも想像すらさせたくない」
「うん、それはありがたいんだけど……そういうことじゃなくて……」
おれが心配してるのは、そこじゃない。
「これは、『女神の願い』の試験もかねてるから」
ああ、そう言えばそうだった。危うくなんでこんな状況に陥ってるのか、忘れるところだった。
「兄さんの一番大切な役目は、たくさん気持ち良くなることじゃない?」
「まあ、それは…………」
ここは「そうだよ」といてはいけない気がする。
いくら、薬理作用から言って正しいことだとしても。
考え込むおれの太ももに、テオドールの手が触れて、柔らかく撫でていく。
「僕を信じて、お願い」
その言い方は、ズルい。
だって、おれは昔からテオドールのお願いにとことん弱いのだ。
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