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頑張ったから、ご褒美ちょうだい?

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 03
 
 「摩耶、頑張れ!」
 千歳の応援に熱が入る。否応なくだ。
 テニス女子シングルス全国大会、決勝戦。摩耶は激しいリレーをこなしている。互いにスタミナは尽きかけているはずだが、両者とも一歩も引こうとしない。
 会場もすさまじい熱気に包まれていて、応援席の全員が手に汗を握ってリレーの行方を見守っている。
 このまま時間切れとなれば相手選手の勝ち。だが、もう1点取ることが出来れば摩耶の優勝が決まる。
 「はあっ!」
 摩耶のキレのいいスマッシュにぎりぎりで対応できず、相手選手は低く来たボールを後逸してしまう。一瞬後、制限時間がオーバーする。
 『勝者、高雄摩耶選手!』
 アナウンスと共に、割れんばかりの歓声が会場に響く。千歳も、自分でも驚くほどの歓声を発していた。自分のパートナーが全国大会優勝の快挙を成し遂げたのだ。嬉しさでどうにかなりそうだった。
 その時、摩耶が座り込んでしまう。しかも、身体をびくんびくんと震えさせている。慌てた審判が近寄るが、摩耶はなんとか立ち上がり、笑顔で応対する。“息が上がっちゃって”と言っているようだ。
 「今、絶対イったよなあ…」
 千歳は呆れるのが半分。ノーパンで公式戦に出ていたのがばれなかったらしいのに安堵したのが半分で、大きくため息をつく。
 ノーパンで観客席からの視線を浴びた摩耶は、激しく興奮して、試合終了と同時にオーガズムに達してしまったのは想像に難くない。
 遠目にはわかりにくいが、よく見ると汗とは明らかに違う滴を膝までとろとろと滴らせている。
 アンスコに見える紺色のものは、実はボディペイント用の肌に優しい絵の具で描いた絵だ。それを描いたのは他ならぬ千歳だった。
 “特区”では摩耶はいつもノーパンで、廻りのスケベな視線を感じて股間を濡らしながらテニスをしていた。そして、困ったことに、ノーパンの状態が摩耶にとって一番実力を発揮できるのだ。
 “公式戦でもノーパンで出場できたらいいのに”真面目な顔でそういう摩耶は、本当にやりかねないように思えた。そこで千歳が、ボディペイントという妥協案を出したのだ。
 「まさか、ノーパンで出場したから優勝できたなんてことないよね…」
 千歳は不安に駆られる。全国大会優勝が摩耶のゴールではないだろう。この先、国際大会やオリンピックなどの出場の打診もあることだろう。全部にノーパンで出場しようものならさすがにばれてしまう危険がある。というか、今回の公式戦でばれなかったのが運が良かったのだ。
 まあ、今はとりあえず摩耶が優勝できたことを喜ぼうか。千歳はそう思うことにした。問題の先送りではない。決して。と自分に言い聞かせながら。

 「ああああんっ!千歳っちぃ!お○んこ…お○んこ気持ちいいよおっ!」
 「ちょっ…摩耶、声大きいって!ここは“特区”じゃないんだから…」
 ノーパン姿を多くの人に見られ続けた興奮が収まらない摩耶は、会場の女子トイレで千歳とセックスをしている。便座に手をついて尻を突き出し、バックから千歳に貫かれている。声の大きさと卑猥な言葉に、千歳は不安になる。
 「だあってぇ!千歳っちのお○んぽが素敵だから…声が出ちゃうよぉ!ああんっ!」
 「まあ、摩耶のお○んこもすごいとろとろで、いつもよりすごいかも…」
 摩耶の蜜壺は大洪水で、後から後から溢れてくる。元々中が狭く、鍛えているために締まりがいい摩耶の蜜壺を強引に陰茎で擦るのは、千歳にもたまらない快感を与えていた。加えて、バックからしていると、ボディペイントされた尻がいつもよりなんだか卑猥に見える。さっきまで摩耶がノーパンで衆目の中テニスをしていたとう事実も、千歳を興奮させていく。
 「摩耶、そろそろイくよ!」 
 「うん、千歳っちイってぇ!わたしも…わたしもイくからあっ!あ…あああああーーっ!」
 千歳が摩耶の子宮に激しく白濁を注ぎ込む。少し遅れて、摩耶が全身を震わせ、硬直させながらオーガズムに達する。
 「ね、千歳っち…キスして…」
 「うん…ちゅっ…」
 摩耶の言葉に応じて千歳は摩耶の身体を後ろから強く抱きしめたまま、肩越しにキスをする。愛し合っているのに、卑猥なことをしている感覚がたまらない。
 「千歳っち、わたしたちの町に帰ったら、いっぱい露出セックスしようね…?」
 「もちろんだよ…。摩耶はその方が感じるんだしね」
 事後のけだるさとオーガズムの余韻が冷めるまでかなり時間がかかってしまう。この後、優勝祝いのパーティーが開かれる予定だ。
 とりあえずシャワーを浴びようという千歳に、摩耶は“洗って?”と甘えるように言う。洗いっこなんかしたら、またこみ上げる衝動を抑えられずにセックスしてしまうだろう…。パーティーに遅刻しないで済むかな?千歳はそんなことを考えながら、摩耶と手をつないでシャワールームに足を運ぶのだった。

 数日後、“特区”である久留生市は聖ルミア学園のテニスコート。
 「ここ、一応テニスコートだよね…?」
 「んー?千歳っちにはここがテニスコート意外の場所に見えるの?じゅるるっ…れろれろ…」
 テニスウェアでノーパンの姿の摩耶が、なにを当然のことを?という視線を上目遣いに向ける。濃厚な口奉仕をしながら。
 「いや、これじゃほとんど乱交パーティーじゃね…?」
 そう言って千歳が廻りを見回す。テニスウェアをまとった10人以上ものテニス部員の男女たちが、テニスコートの上でどうどうとセックスをしているのだ。
 「乱交なんかじゃないしぃ。じゅぷじゅぷ…。パートナーと愛し合ってる姿を見せっこしてるだけじゃん?れろおお…」
 まあ、そういわれればその通りなのだが。実際、千歳も摩耶も愛し合う姿をみんなに見られて、二人きりでセックスをするより興奮している。
 「摩耶…もう出そうだ…」
 「いいよ…じゅりゅじゅりゅりゅ…!」
 摩耶のバキュームと舌の動きが早くなり、千歳は意思に関係なく摩耶の口に射精していた。摩耶のフェラのはどこまでうまくなるのか…。千歳はそんなことを思う。もともと好奇心旺盛で勉強熱心だった摩耶は、フェラも上手だった。が、さらに磨きがかかり、射精の衝動を全く我慢できず搾り取られてしまうなんて。
 「ね、わたしのもいっぱい舐めて…?」
 そう言って、ネットをつかんで前屈みになり千歳に尻を向けた摩耶が、肩越しに妖艶で蕩けた視線を送る。
 「じゅるる…れろれろ…んむ…」
 千歳はそれに応じて摩耶の尻を掴み、女の部分にキスの雨を浴びせる。小陰唇に舌を這わせ、クリを舌でちろちろと刺激する。いくら舐め取っても、えっちな汁が後から後から溢れ出て来る。
 「あんっ…いいよ…!とっても気持ちいいの…!」
 摩耶の反応に興奮した千歳は、蜜壺に舌を入れていく。長い舌の先を尖らせ、Gスポットを刺激していく。
 ギャル風の見た目に反して、ここの色はきれいなんだよな。なんとなく千歳はそんなことを思う。
 「ああ…もうたまらないよ…!入れて、千歳っちの…」
 千歳も再び勃起して、摩耶に入れたくてたまらなくなっていた。ズボンとパンツを下ろし、すっかり回復した陰茎を露わにする。
 「今日はわたしが上になるね」
 そう言った摩耶は、千歳をコートに寝かせると対面騎乗位のかっこうで千歳にまたがる。蜜壺に千歳の先端をあてがい、ゆっくり腰を下ろしていく。
 「あんっ…!ああ…やだやだ…入れただけでイっちゃったぁ…!」
 奥までつながった瞬間、摩耶が全身を震わせて達する。亀頭が蜜壺を拡げてじんわりと入って来る感触だけで、オーガズムに押し上げられたのだ。
 「千歳っち、動くからね?あ…あああんっ!」
 呼吸を落ち着けた摩耶は、ゆっくりと腰を上げ、浅いところで亀頭を出し入れしていく。奥も感じるが、やはり入口が気持ちいいのだ。
 「あっあっあっ…!だめっ…我慢できない!またイっちゃうっ!イくっ!」
 敏感になりすぎた摩耶は、自分の意思に関係なくオーガズムに達してしまう。続けて来るなんてこと今までなかったのに…。すっかり千歳に開発されて淫らになってしまったらしい。
 「摩耶かわいいよ。摩耶」
 そう言って、千歳は両手を摩耶と握り合わせる、いわゆるラブ握りをする。摩耶が大好きなセックスの仕方だ。
 「千歳っちぃ…!わたし幸せ過ぎて…あんっ!変になっちゃうよお…!」
 セックスの快感と、廻りのテニス部員たちに見られている興奮、そして、愛しい人とつながっている幸せが摩耶の中で混じり合い、頭の中が真っ白になっていく。
 「やだやだ…!わたしもうイきっ放しで…!やんっ…千歳っちもイってぇ!」
 摩耶は絶頂がずっと続いたままになってしまい、これ以上イかされたら壊れてしまうと身体が悲鳴を上げている。
 「ああ…もう出るよ…出すからね!」
 「千歳っち…イってぇっ!ああ…大きいの来る!あっあああああああああああんっ!」
 千歳が摩耶の一番奥で爆ぜると同時に、摩耶は今までで一番大きなオーガズムへと押し上げられる。腰から下が溶けてなくなってしまったかのような信じられないほどの心地よさだった。
 「千歳っち…好きぃ…。愛してるの…」
 「俺も摩耶を愛してるよ…」
 二人はつながったまま、強く抱き合ってキスを交わす。ただのセックスではない。いかにも愛し合っているという姿に、他のテニス部員たちも思わず見入っていた。

 「あの高雄さん…」
 やっと呼吸とオーガズムの余韻が落ち着いた摩耶と千歳に、テニス部の部員のカップルが声をかけてくる。
 「良かったらスワッピングとかどうかな?彼女も、千代田君に興味があるって」
 そう言った男子部員はなかなかのイケメンで背も高い。股間にも立派な物をお持ちだ。女子部員の方は小柄なすごい美少女で、アイドルと言っても通用しそうだ。愛くるしい外見に反して性には積極的なのか、ノーパンの股間からは愛液が糸を引いて滴っていく。
 千歳は一瞬迷ってしまう。が…。
 「あー…ごめん。わたし、千歳っちがいいんだ。千歳っちじゃないと感じないんだ。お誘いは嬉しいけど、ごめんね」
 摩耶ははっきりとそう言っていた。千歳は、なにを迷っていたんだ俺はと思う。
 「うん、俺も、パートナーに選んだ娘だけって決めてるから」
 一瞬スワッピングも良いかもと思った自分への戒めのように、千歳もそう答える。
 カップルは、残念そうだが柔らかい笑みを浮かべる。
 「そうか…。悪かった。君たち本当の愛し合っているんだね」
 「じゃあ、代わりに私たちがセックスしてるとこ見ててくれないかな?」
 それなら断る理由もない。カップルがキスを交わし、シックスナインで快感を高め合い、アクロバティックな駅弁セックスでつながる。その一部始終を摩耶と千歳はしっかりと見ていたのだった。
 見られるのもいいが、見るのもこれはこれで悪くないものだと、摩耶と千歳は思えた。

 「いやあ…実際にやってみるとけっこう恥ずかしいもんだねぇ…」
 「なに言ってんの。“どうせだから裸で帰ろうか”っていったのだれだっけ?」
 摩耶と千歳は、服をバッグに詰め込んでしまい、生まれたままの姿に靴だけをはいて家路についている。“特区”では罪には問われない行為だが、恥ずかしい事にはかわりはない。不安を紛らわすかのように、二人は強く手をつなぐ。
 「ね、千歳っちは覚えてる?急な雨で、相合い傘でわたしを送ってくれたこと」
 「ああ、もちろん覚えてるよ。女の子と相合い傘なんて役得だったしね」
 摩耶はそこで照れくさそうな笑みを浮かべる。
 「あの後からなんだよね。わたしのギャル化が進んで、露出プレイが過激になったの」
 「え、そうなの?またどして?」
 摩耶がそこで少し戸惑った顔になり、やがて言葉を続ける。
 「わたし恋愛したことなかったから、どうしていいかわからなくて。頑張る方向間違えてたんだよね。
 千歳っちを色気で誘惑しようとしてたっていうか…。“わたしはギャルだし、えっちなこともOKだよ”。“わたしはこんなにえっちで露出大好きな女の子なんだよ。千歳っちならえっちなことされてもいいんだよ”。って…。
 うう…今思うと猛烈に恥ずかしいしぃ…」
 そう言って、摩耶はただでさえ上気していた顔をさらに真っ赤にする。
 「後悔してる?」
 「少しね。でもいいんだ。
 大好きな千歳っちとこうして愛し合えてるんだしぃ。結果オーライでいいと思うんだ。
 わたし、とっても幸せだよ」
 そう言った摩耶の笑顔は、本当に大輪の花の用だった。千歳までが幸せな気分になり、自然と笑顔になっていた。
 「俺もとっても幸せだな」
 千歳の返答に、摩耶は感極まって、千歳の腕に思い切り抱きついていた。
 「ねえ、今晩わたしの部屋に泊まっていきなよ?」
 「え…嬉しいけど、俺寝かせてもらえるのかねえ?」
 戸惑う千歳に、摩耶が悪戯っぽい笑顔を向ける。
 「大会、千歳っちがいたからあそこまで頑張れたんだよ。優勝を千歳っちに捧げようって思ったんだ。
 頑張ったから、ご褒美ちょうだい?」
 千歳は「わかった」と応じる。
 露出プレイから始まったというのが少しひっかかるけど、素敵なパートナーに巡り会えて本当に良かった。
 摩耶と千歳は、幸せに包まれながら、生まれたままの姿で家路を急ぐのだった。

つづく
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