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年末はのんびりと★

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 「泉…お蕎麦できたよ、唐辛子かける?」

 「うん、ありがとう。透は飲み物どうする?お茶?それともせっかくだからお酒呑む?」

 泉は少し呑みたい気分だったようで、缶チューハイを持ってきていた。

 「う~ん、泉が呑むんなら少しだけ…オレすぐ酔っちゃうし、少し呑んだらお茶飲んどくよ」

 お蕎麦だけでは酒のつまみにはならないだろうから、何か出そうか…。

 生ハムとチーズを皿に盛り、お節用に買ったかまぼこのあまりをわさび醤油と一緒に出す。

 「透、もう充分だよ、お蕎麦に天ぷらだってあるんだから、いいから隣においでよ、すごく美味しそうだから冷めないうちに食べようよ」

 泉はこたつに入りながら振り返る。

 今年は泉の希望でこたつを購入した。

 泉がこたつの魅力に取り憑かれて、こたつの妖精と化したのは言うまでもなく…。
 
 「透、隣に座って?」

 泉はニコニコご機嫌だ。

 「ん?隣って?ここに座るけど…?」

 泉はテレビの真正面の席に座っていたのでその隣の…テレビが真横に見える場所に座ろうとした。

 「ん…そうじゃなくってこっち…」

 泉は座布団を泉の真横に置く。
 
 …せっかく空いてるんだからそんなわざわざ狭い場所で二人で居なくてもいいのに…。

 「あ、いやでも…キツくない?わざわざ二人で座らなくっても…」

 そう言いながらも泉の隣に座った。

 泉が満足そうに微笑む。

 こんな事で泉が喜んでくれるなら…まあいいか。

 

 泉と一緒に年越しそばを食べ、呑み始めた泉の相手をする。

 「泉…今年も一年お疲れ様でした。来年もよろしくねっ★」

 「透のお陰で頑張れたんだよ、ご飯はいつも美味しいし…大好きっ★」

 …泉は既に酔い始めてしまっているのか…最高だ。

 酔った泉に抱きつかれ、追い討ちをかけるようにキスされる。


 ★


 …ああ…今年も今日で終わりか…

 そう思いながら夕飯の片付けを始める。

 まだ泉はご機嫌で呑んでいるので泉の周りを残して簡単に…。

 「あーん…透もうちょっと一緒にいようよ」

 …泉…そんなに呑んだかな?

 泉のテンションが明らかにおかしい。

 まあもうあと何時間かで年越しだ。

 泉が楽しく過ごせるならそれでいいかと思いながら、いつ酔い潰れてもいいように泉のすぐ後ろに布団を敷く。

 「泉、眠くなったらそのまま寝ちゃっていいからね?」

 「うん、透も一緒に…寝てくれるんでしょ?」

 そう言いながら泉が抱きついてくる。

 泉に押し倒される形で布団に寝転ぶと、泉にキスされた。

 「んっ…泉っ…」

 「透…好きっ!」

 泉に何度かキスされていると、ムラムラとエッチな気分になってしまう。

 泉の手をとって、手を握ろうとして気づく。

 …泉の手…震えてる?

 ハッとして泉を見る。

 思えば泉が呑みたいなんて言い出すの初めてだよな。

 真実が来て呑むときや、会社関係の付き合い以外で泉が呑むことは滅多になかった。

 …何か酒の力を借りたい事でもあるのだろうか?

 思えば忘年会以降時々泉が落ち込んでいる様にも思える時があった。

 泉は楽しそうに振る舞っていたので気のせいかと思ったが…。

 泉を優しく抱きしめて、言葉を選びながら話しかける。

 「泉…何かオレに言いたいことでもあるの?最近ちょっと元気ないよね?」

 ビクッとした泉の背中を撫でる。

 「オレ…怒ったりなんかしないから、なんでも言ってよ?泉…我慢してることとかあるんじゃない?」

 …そんな事を言ってしまったが、万が一にでも泉に他に好きな男ができたと言われたらどうしようかと思ってしまう。

 …もしかして、忘年会の時に会ったアイツの方がイイって言われたら…正直すごくツラい。…残念だけどオレがアイツに勝てる要素無いもんな…。

 アイツだったらきっと泉を養っていくだけの経済力とか、強さとか…何より泉を外に働きに行かせないで済むだろうしな…。

 …そろそろ泉に…愛想尽かされそうだ…。

 胸の上の…何か言いたそうな泉と目が合う。

 …泉に捨てられたら…でも泉がそうしたいのなら…仕方ない。

 「誰か…好きなヤツでも出来た?」

 「えっ?なんで!?」

 驚いたような泉の顔…。

 …ん?違ったか?

 「泉…忘年会の後から元気無かったから…」

 「…んっそれは…あのね…忘年会透が帰り迎えに来てくれたでしょ?その時に真鍋さんに…透イヤな気分になっちゃったでしょ…だからごめんなさいって…謝りたかったの…」

 意を決したように泉がそう言った。

 「??」

 一度話し始めると堰を切ったかのように泉は話し始める。

 「私どうしてあの時真鍋さんにちゃんと言い返さなかったんだろうって考えたら悔しくって…透は家で自分の仕事も家のことも更には私の実家との付き合いまでちゃんとしてくれてるのに…。ヒモって…真鍋さんなんて何も分かってないくせに何様なんだろうって…ああ、こんなに悔しい思いするんならあの時…吐きながらでも言い返せばよかった…」

 「…あ、いや泉…吐きながらでもって…それはまずいよ…」

 泉はぎゅっと抱きついてくる。

 「透は…私だけの…。別に外に出て働いて欲しいなんて思ってないし…。むしろ透外に働きに出たら私の事なんて…。そんなのヤダっ!」

 …やっぱり泉…酔ってる。

 でも泉の気持ちが聞けて、良かったしすごく嬉しい。

 「透お願いっ、私に飽きちゃっても…」

 とうとう我慢ができなくなって、胸の上の泉を布団に寝かせてその上に覆いかぶさる。

 「泉…年越しの…エッチしようっ★」

 「透っ!?」

 まだ何か言おうとする泉の唇をキスをして塞ぐ。

 「んっ…でも今からじゃあ年越しと年明け両方になっちゃうな。まあ今年最後と来年初って事でいいか。どうせ明日は真実達が泊まりに来てエッチできないだろうし…ねっ?」

 赤い顔で頷く泉に更にキスする。

 「…多分朝まで抱いちゃうから明日ちょっと寝不足になっちゃうかもしれないけど…一緒に頑張ろうねっ★」

 困ったような顔で、でも微笑む泉は愛おしくってたまらなかった。
 
 泉のパジャマのボタンを外しながら、幸せを実感する。

 
 

 

 
 
 
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