「異端者だ」と追放された三十路男、実は転生最強【魔術師】!〜魔術の廃れた千年後を、美少女教え子とともにやり直す〜

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】

文字の大きさ
37 / 82
一章 かつての生徒が迎えにきて

37話 その男、精霊と1000年ぶりの再会を果たす。




さて、変態教授の件が無事に片づいて。

六の刻になり日が沈むころ、俺は一度宿に戻り、扉を締め切った。
そこで使ったのは、再びの召喚魔術である。

もう式自体は解読しているから、その精霊はすぐに飛び出してくる。

「ご主人、さっきのはひどいと思います。わたしがまだ喋っている途中でした」

と、いきなり口を尖らせるのは、白の精霊・ビアンコだ。
四つある羽をへたらせて、こちらを涙目で見る。

「君も精霊なら、千年は生きてるんだろう。15の少女と言い争うなよな……」
「だって、だってぇ」

千年前の記憶が蘇ったから、分かる。
ビアンコは、何千年生きている存在とはいえ、その精神年齢はほぼ10歳児なのだ。

それはなにも彼女に限ったことじゃない。
そもそも精霊は、澄み切った魂を持つ存在とされる。

そのため、たいていが彼女みたく子供っぽい。

「まったく変わらないな、君は」
「今呆れましたね、ご主人?」
「いいや、そのままでもいいと思うよ。それも君らしさだ」

この一言で、ビアンコの頬には朱がさす。

「えへっ、ご主人にそう言ってもらえるのは何年経っても嬉しいものですね」

これだけで機嫌が戻ってしまうのだから、純真無垢すぎる。
羽ばたきながら、にまにまと顔を触る彼女に、俺は続けて尋ねた。

「ところで、白の魔素を操ることに関しても、変わっていないって考えていいか?」
「それはもちろん……! でも、もらうものはもらいますよ?」
「あぁ、それも問題ないよ」

俺は彼女の小さな体の前へと、指を差し出す。
するとビアンコは、その先に止まり、そして小さな口を開けると、かぷりとかじりついた。

痛みは、ほとんどない。
蚊に刺された程度のかゆみがあるだけだ。

「ありがとうございます、ご主人。うん、やっぱり久しぶりにいただいても、美味ですね」

彼女は満足そうに、口元をぬぐう。

精霊は、契約をした者にしか仕えない。
彼女らが術を使う際に血を必要とするのは、契約者本人であることを確かめるためだ。

「というか、僕の身体は、前と違うんだけど……血も変わってたりはしないのかい?」
「はい、変わりませんよ。私たちは血の味そのものではなく、そこに宿る霊魂をいただいているのです」
「なるほど……。精霊は奥が深いな」

そもそも、精霊という存在自体、1000年前においても研究され尽くしてはいなかった。
また、誰かに身体を乗っ取られるようなこともなかったから、はじめて知った話だった。

魔術研究の一つとして、面白い題材かもしれない。

……が、今やりたかったのは白の魔素を利用した精霊魔術の再現だ。
そのためにわざわざ、ポーション生成用の空瓶をいくつか買って、すでに水を汲んであった。

俺はそれを、五芒星を記した魔術サークルの上に置く。
感想 1

あなたにおすすめの小説

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!