月の至高体験

エウラ

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本編

40 *相性が良い魔力循環の場合

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*背後注意。微エロあり*






サクヤの寝衣を脱がすと、下着は着けてなかった。
いや、さっき俺が着替えさせた時に身に着けさせなかっただけだろうって?

そんなことより俺も裸になってベッドに潜る。
汗でしっとりしている体を抱き込み、なるべく密着させるように横になって向かい合い、脚を絡ませる。

「ん・・・」

息苦しいのか、サクヤが少し身じろいだ。

「少し我慢な」

そう言ってゆっくりと全身から魔力を放つ。
様子を見ながら、全身を包んでいく。

とぷん、と音が聞こえそうな感じで俺と一緒に魔力の中に入るサクヤ。
心なしかほっとしたような顔をしている。

そっとサクヤの唇に口づける。
抵抗は無い。
が、反応もない。ちょっと寂しい。

薄く口を開いているそこに舌を差し入れ、奥にあるサクヤの舌を擽ると、ピクッと反応があった。
サクヤの口腔は熱のせいか熱く、上顎や舌の付け根などを弄れば途端に息があがった。
銀色の糸を引いて口を離せば、はふはふと荒い呼吸をした。

「・・・ッ、ごめん。つい」

苦笑して、聞こえないだろうサクヤに謝る。

「魔力を流すから、もう少しだけ、ね?」

そう言い訳をして、再び口づける。

舌を絡めてそっと魔力を流していく。
流すたびにサクヤの体が小さく跳ねて震える。
それを咎めるように抱きしめて押さえる。


ーーーこの魔力循環の方法は、魔力の相性が悪いと最悪自分も相手も廃人になってしまうほどの精神的苦痛や体調不良を起こすので、余程の事がないと行わない。
魔力の質が近い者が少しずつ手などを介して行う。

今回、サクヤが大量の魔力保持者で、尚かつスオウとの相性が最高だったため、この方法がとられたのだ。
粘膜接触が一番効率がいいので本当はヤるのがいいのだが、さすがにこの状態のサクヤを抱くわけにもいかず、皆にも釘を刺されたので。

ただ、相性が良ければ良いだけ、性的相性もいいということで・・・。

「・・・ん・・・ぁ、ぅんっ・・・」
「・・・・・・耐えろ、俺・・・」

口からある程度注いだスオウの魔力を、今度はスオウが操作しゆっくりとサクヤの中で循環していく。
サクヤの滞った魔力がそれに押し出されるようにゆっくりと流れ始まる。

それがサクヤにとってはこの上ない快感となって全身を巡っていくのだ。
スオウの魔力に包まれているため、全身がスオウに抱かれたときに触れられた手触りに変わり、それだけでも気持ちがいいのに、中からも言いようのない快感が押し寄せてくるのだ。

意識のない状態でもコレなのだから、意識がハッキリしているときのサクヤには過ぎた快感だろう。

そしてその痴態を目の前にして耐えるスオウも凄い。
襲いそうになる気持ちを根性で押さえつけている。

・・・前回、抱き潰した時のオクタヴィア家の皆の般若のような怒りを思い出しているのかも知れない。
二度と同じ轍は踏まないと誓ったほど恐ろしかった。



そうしてどのくらい経ったのか。
必死で耐えていたスオウがふと気付くと、だいぶ顔色の良くなった、いや、艶っぽい顔のサクヤと目が合った。

「・・・えと、あの、スオウ・・・?」
「っサクヤ、苦しい所はないか?!」

スオウががばっと体を離してサクヤを見た。
全身が汗をかき、桃色に染まっているが、それ以外は大丈夫そうだ。

「あのあの、どうしてこんな・・・?」

困惑しているサクヤを抱き上げて風呂場へ向かう。
お湯がすでに張ってあった。各務だな。
無言でさっとかけ湯をしてサクヤと浴槽に浸かった。

「スオウ?」
「・・・あー、悪い。えと、魔力が滞って熱が出たのを、俺が強制的に魔力循環をして治したんだよ」

フーッと息を吐く。

「そ、なんだ。ありがとう。・・・で、あの、どうしてこうなっちゃったのかな?」

照れながら、不思議そうに自分の股間を見たサクヤ。
ちなみに俺のオレも元気ですが。
おそらくサクヤもお尻にあたって気付いてる。

「えーと、魔力循環てのは、相性が悪いともの凄く苦痛なんだが、相性が最高だと性的興奮が高まるんだよ」
「・・・それって、つまり・・・」
「そ、俺達はその最高の相性だから、起っちまったの」
「ぅ、うん、そうなんだね? でも、あの、これ、如何したら・・・?」

サクヤが戸惑っている。
どうって、そりゃあ・・・。

「一発ヌけばいい。だから、な?」

そう言ってサクヤの口腔を余す所なく舐め尽くしてから、お互いの陰茎を纏めてサクヤと一緒に握り込み、扱いた。

先走りが溢れてぬちゅぬちゅと音を立てて滑りが良くなった。

「はっはっ・・・ん、スオウ・・・! もう」
「出していいぜ、・・・ッ俺も・・・!」
「ぁぅ・・・んんーーー!」
「・・・はっ・・・」

肩で息をしながら、お互い白濁まみれで一緒にイッた。

「・・・すおう・・・ねむい・・・」

病み上がりにイッたせいか、怠くなったサクヤが舌っ足らずに告げるのを可愛く思いながら。

「寝てていいよ。綺麗にしておくから」
「・・・ん」

うとうとしている傍から浄化で綺麗にし、新しい寝衣が用意されていたので着せて、ベッドに横たえた。

俺も素早く着替える。
ラフな私服だ。

「良く我慢しましたね」
「俺だってそんなに鬼畜じゃあないよ」
「前回、何もかも初めての朔夜様を抱き潰した鬼畜は?」
「ぅぐ・・・スマン」

それを言われると・・・。

「なんにしても、回復してようございました」
「本当に。でも、これからはサクヤの心も護らないとな」
「オクタヴィア家の総意ですね」
「サクヤ様々だな。父さんや叔父上、今頃凄いことになってるんだろうな・・・」

「・・・・・・ソウデスネ」

片言の各務が遠い目をしていた。

・・・大丈夫かな?

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