戦国時代に迷子!?

デンデンムシ

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この時代で名を上げる!

役者は揃った。

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 その後3日程は那古屋に釘付けとなった。すぐさまやって来た人達は母衣衆と呼ばれる人達だ。筆頭の河尻さんを始め、蜂屋さんって人や生駒、伊藤、松岡、水野とかなりの人数が来た。

 「某は浅井新八と申します」

 「俺は平井久右衛門と申す」

 「ワシは金森長近だ。歳は幾分食っておるがまだ若い者には負けん!」

 この人は知っている。かなり長生きし関ヶ原の戦い後も生きてたはずだ。それに家康さん達からも一目置かれてた人だな。

 しかもバリバリの武闘派ってわけでもなく茶の湯にも精通してた人だったよな?

 「あなたが金森様なのね?噂は予々存じ上げておりますよ?」

 「おやおや?ワシが未来では有名だったと?どんな風にかのう?」

 「ふふふ。それはこれからの働きにもよるところじゃないでしょうか?」

 「さすが夢幻兵器の持ち主の奥方殿だ。隙がない話し方であるのう?」

 小雪と金森さんの掛け合い・・・何かあったのだろうか。

 「まずは簡単に教えます!この漁船にお乗りください!」

 それからすぐにみんなは操作を覚えたようで黒夜叉隊のみんなも交えて操船する。

 「ちなみにこの船は元は木造です。頑丈そうに見えますが体当たりや浅瀬に気をつけてくださいね?燃料はここに水を入れるように!」

 「なんと!?水で走るのか!?いやそもそもこんなに速く走るのは・・・」

 「まあ簡単に言えばエンジンって呼ばれる物ですよ。後々に岐阜にて開発する予定ですのでその折は更に陸を走る物やら他にも様々な便利な道具ができるでしょう」

 「ではやはり長生きせねばならんのう!ははは!」

 この時点で金森さんは47歳。人間50年と呼ばれるこの時代では既に長生きしてる部類だ。しかも現役バリバリの現場に1番乗りする人だからな。

 俺はこの金森さんが裏切る事はないだろうと思い。教えると言った約束の3日間の最終日の夜に呼び出した。

 ちなみに例の港町システムで出来上がった空き家で寝泊まりしている。飯は全て俺の持ち出しの牛丼や幕の内弁当だ。食い物はもう何でも作れるから特に出し惜しみしないようにしている。

 「ワシを呼び出すとはぁ~何のようだ?」

 「あれ!?浅井新八様も!?」

 「俺はお呼ばれではなかったか!?いやすまぬ。金森殿と酒を飲もうとしてだな・・・」

 俺は小雪に新八さんの事を聞く。

 「1581年ですね。奇妙様の組み入り定かではございません」

 まあこの人もいいかな?

 「おう!すまん!遅れた・・・おや?2人も呼ばれておったのか?」

 「まずオレなんかが呼び出してすいません。そしてあなた達にだけ教える事があります。多分大丈夫だとは思いますが念の為にです」

 小雪と話し合い万が一の事を考え、淀川に入れるかは分からないが、イージス艦あたごの操縦を教える事にした。

 「将軍の軍如き遅れは取らぬぞ?」

 「いえ、慢心はいけませんよ?まずは・・・寒いですが外にお願いします。何故あなた達にだけかと思うかもしれませんがこれはオレが信用してるからです」

 「お!?嬉しい事言ってくれるのだな?」

 正直、浅井新八さんは分からないが河尻さんと金森さんは大丈夫なはずだ。信長さんに心酔してるし。

 俺は収納していた、あたごを取り出し出来上がった港に取り出した。そしてすぐさま乗り移り操舵室に向かう。

 「基本的に操船は同じです。大きいか小さいかだけです。ただこれは堺を一瞬にして灰塵に帰す兵器が備わっております」

 これまた本物のあたごはネット記事でしか見た事ないし、そもそもイージスシステムが作動するような攻撃能力なんか将軍の軍が持ってるはずないから宝の持ち腐れになるかもだが5インチ単装砲や20ミリ機関砲、90式艦対艦誘導弾、MK41ミサイルなんかも装備されてある。

 これらを使えば一瞬にして勝負はつくだろう。念の為にこれらの使い方を教えるために3人に来てもらったのだ。

 「そのような事をすれば帝に恨まれるのではないのか?」

 「だからですよ。血の気の多い人には教えれません。織田様なら1番に発射するでしょう?『我が軍は圧倒的ではないか!』とか言って」

 「ぶっ!ははは!的を得ている!さては大橋殿もお館様をよく見ているな!?」

 河尻さん的にかなり似ていたらしい。そして他の人も音が聞こえ何かしてるのは思ってるだろうが気にせず沖合に出て全ての武器の撃ち方を教えた。

 「この部屋にて撃ちます。このモニターを見て撃つのです」

 それでもやはりロマンを感じるのか3人が3人嬉々として機関砲を撃っていた。残念ながらミサイルに関しては試し撃ちさせていない。残弾が補給できない今、無駄撃ちができないのだ。

 機関砲やバルカン砲などの弾なら既にセバスチャンが開発してくれてる筈だから構わないがミサイル系は3年掛かると言われているのだ。こればかりはどうしようもない。

 「この、あたごは置いておきます。危ない時に使ってください」

 「うむ。皆を代表して黒母衣衆筆頭のこの河尻秀隆が預かっておく。俺の信用足る配下に監視させ必ずや大橋殿にお返し致す」

 「いやまあ、信長さんにバレると『寄越せ!』と言われそうですけどね」

 「ははは!また的を得ているな?ではこのあたごを使わぬように圧勝せねばならんな!ははは!」


 大急ぎで教えたから少し不安はあるがたちまちの操船はできるだろう。モニターにも色々警告が出るしなんなら自動操縦の事も教えたし。

 「暁様?」

 「小雪?どうした?」

 「武田と上杉の件です。暁様は徹底的にやるつもりですか?」

 「一応そのつもりだけど?それがどうした?」

 「一応今までそれなりに歴史に沿って事象が起こっておりました。多少のズレはありましたが概ね私の予想の範疇です。ですがこれからはそのようにはならないかと」

 「それは覚悟の上だよ。だって歴史には名前が出てこないせきさん。あの人は俺が来なければ間違いなく死んでいた。だが救ったし、実は分からない範囲で色々変わってるのだと思う。森さん達も生きてるし。歴史の修正力があるなら森さんは他の形で危機が現れるはずだろう?それがどうした?この前も普通にセバスチャンから日本酒買ってたぞ?」

 「いえ。それならば問題ありません。これは間違いなく日の本を勢力図が一気に変わる戦となります。いくら素晴らしい航空兵器にて敵を一掃しようが地を治るのは人です。特に戦国最強と言われている2家を暁様が屠る事になるのです。この意味を?」

 「そんな大袈裟な。仮に圧勝したとしても、甲斐や越後に直接は攻め込めないぞ?それにまだ毛利や北条が居るんだぞ?」

 「戦で勝てないのならば暗殺の手もあり得ます。私が居る時ならば大丈夫でしょう。ですが居ない時は?」

 「大丈夫だよ。竹中さんも居るし佐助や喜助も居るからな?いや喜助は奇妙君の補佐だから佐助だけだな」

 「私が言いたいのは今後新しい人雇うにしても確実な人選をしてください」

 「分かった!分かった!真面目にするからそう言うなって!とりあえずこの戦はこの世界では名前の残る戦になると思う。絶対に勝とう!」
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