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第二章 旅をする上での大事な事

序章

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 巨大な水晶に映し出された映像を観て、玉座に座っている者は拍手を送った。

 「良いわぁ~あの子♡」

 「また遠視の術で別大陸の覗き見ているのですか?」

 「だってぇ…お城の中って退屈なんだもん!」

 「やれやれ…少しは自覚を持って欲しいですね。」

 玉座に座る女の子とその傍らにいる男の子がいた。

 「それにしても…私の配下の中に、あんな黒衣の騎士っていたかしら?」

 「かなりの使い手でしたね…ですがボクはあんなに強い人は見た事ありません!」

 「そうよねぇ? 変よねぇ? それに…あの黒衣の騎士と互角に戦ったあの子も気になるわ。」

 「確かに…本気を出している様に見えなかったけど、勇者でしょうか?」

 「違うみたいよ? 勇者は先程…この子に灰にされちゃったから…」

 「魔剣…の類ですかね? この城の中の宝物庫の中にも、あそこまで強力な魔剣はありませんが…」

 「そうなのよねぇ? それに、言葉を発する魔剣もだしぃ…」
 
 女の子は、水晶に移った魔人の魔剣を見て言った。

 「決めたわ! あの灰になっちゃった子をこの城に持って来て復活させましょう!」

 「また貴女という人は勝手に決めて…」

 「だってぇ…あの子が欲しいんだもん♡」

 「灰になった者を蘇生するのですか?」

 「どうやら…あの子がこの世界の勇者だったみたいだし。」

 「すると…あの人間は、世界の希望である勇者を殺したのですか?」

 「そうみたい…不思議ねぇ?」

 女の子は水晶の映像を再び見だした。

 すると、水晶の映像に移っている魔剣を持っている者がこちらを見て剣を振ると、映像が遮断されたのだった。

 「あら、あの子はこっちに気付いたみたいね…やるわね!」

 「あまりお戯れはおよし下さい。 貴女はこれでもなのですから…マーデルリア様!」

 「わかったわよぉ! それで、ルック…灰になった勇者の灰は取って来てくれるのかしら?」

 「わかりました…いつもの様に人の街に潜入して、食料を買い込んで来るついでに寄ってみます。」

 「ありがと~ルック、愛しているわ♡」

 「はいはいボクも愛してますよ、マーデルリア様。」

 ルックと呼ばれた男の子は、少し身綺麗な子供の服を着て城を出た。

 そして城から出られないマーデルリアと呼ばれた女の子は、楽しそうにウキウキと考えていた。

 「せっかく蘇らせるんだから…可愛くした方が良いわよね? 何かないかしら?」

 マーデルリアは周囲を見渡すと、あるモノに目が付いた。

 「そうね、これにしましょう! 水晶の感じだと口が悪いみたいだし、喋ると可愛くないから…しばらくは口を聞けないようにしましょう!」

 マーデルリアは、ルックに帰りを心待ちにしていた。

 どうやら…マサギを復活させるらしいが?

 果たしてマサギは何に生まれ変わるのだろうか?

 こうして…第二章が始まる!
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