結局体を壊す 小説一覧
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「小説で大ヒットを飛ばして、大金持ちになってやる。」友人Fはことあるごとにこのセリフを吐いていた。
それに対して私は、堅実なサラリーマン生活を選んだ。
「お前が一生かかっても稼げない大金を十日で稼いで見せる。」Fはいつもそういって強がっていた。
あれから何十年も経つ。私は六十歳過ぎまで働いたが、長年のストレスと過労が蓄積して、とうとう脳出血で倒れ、手術を受け入院をした。結局、六十二歳で年金生活に入った。何回も転職をしたため少なからぬ失業期間が有り、その分年金は少なめだった。これが契約社員・派遣社員に課せられた運命だと今になって悟った。そして退院後も、毎日不調な日々を過ごしている。けれども、一切贅沢をしなければ、何とか生活できるだろう。
一方、Fはと言うと・・・
文字数 11,253
最終更新日 2025.11.10
登録日 2025.11.09
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