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【完結】マスカラ〼カラッポ〼ポーチ
私はある日、クラスメイトのコスメポーチを盗んだ。
その悪行が私の人生に太陽をくれるだなんて、これっぽっちも思わずに――。
💄2026/08/03全編修正しています。
*あらすじ(結末含む)*
メイクに興味があるものの、親の目を気にしてメイクできずにいた中学生の喜屋武マイコは、ある日、一晩借りるだけだから、と、コロンと落ちていたクラスメイトのポーチを盗んでしまう。
親が不在の間に盗んだポーチを使ってメイクをしてみるも上手くいかず、バレずに返す計画もまた失敗に終わったマイコは、ポーチの持ち主である久米ミサコに「顔を貸して」と言われて、罪滅ぼしのためにミサコの家へと行くことになった。
ミサコはポーチを盗ったことを少しも怒らず、メイクに興味があるんでしょ? とマイコの顔を彩っていく。もともとミサコはマイコのことを原石だと認識しており、だからメイクに興味を持っていることを知れ、実際にメイクをして、やはり原石だった、自分の直感は正しかったんだと喜んだ。
しかし、マイコの親はメイクを許さないだろうことを知るなり、クレンジングを用意し、罪人へからっぽのマスカラを渡すことにする。マイコがメイクすると宣言できるその日まで、無理にメイクをさせることはせず、けれどもメイクへの欲を膨らませるために、ブラシでまつ毛を撫でるふりをさせるためにだ。
マイコは宿題を真面目にこなした。今日も撫でたことを報告するために、ミサコの仲良しグループに混ざるなど、生活はどんどんと色を変えていく。
すっかりとメイクを楽しむクラスメイトと仲良くなった頃、マイコは親にメイク宣言をする覚悟を決め、仲良しグループの皆と共に彩った顔で帰宅。母に、いつもは隠していた心のすっぴんをさらけ出す。母は心底理解できてはいない様子だったが、条件付きでマイコの宣言を受け入れてくれた。
ポーチを盗んでがらりと変わった中学生活はあっという間に過ぎ、仲良しグループは進学と共にバラバラになる。けれど、メイクをきっかけに集まるのは変わらない。マイコは新たな居場所で原石を見つけると、少し前の自分と重ねながら、原石を彩りたいという欲を胸に、軽やかな一歩を踏み出した。
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文字数 34,870
最終更新日 2026.08.03
登録日 2025.07.29
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