新聞奨学生小説一覧

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あなたを離さない。甘く優しいささやき。飴ちゃん袋で始まる恋心。 物語のA面は悲喜劇でリライフ……B級ラブストーリー始まります。 ※いささかSF(っポイ)超展開。基本はベタな初恋恋愛モノです。 見染めた王子に捕まるオタク。ギャルな看護師の幸運な未来予想図。 過去とリアルがリンクする瞬間。誰一人しらないスパダリの初恋が? 1万字とすこしで完結しました。続編は現時点まったくの未定です。 完結していて各話2000字です。5分割して21時に予約投稿済。 初めて異世界転生ものプロット構想中。天から降ってきたラブコメ。 過去と現実と未来がクロスしてハッピーエンド! そんな短い小説。 ビックリする反響で……現在アンサーの小説(王子様ヴァージョン) プロットを構築中です。投稿の時期など未定ですがご期待ください。 ※7月2日追記  まずは(しつこいようですが)お断り! いろいろ小ネタや実物満載でネタにしていますがまったく悪意なし。 ※すべて敬愛する意味です。オマージュとして利用しています。 人物含めて全文フィクション。似た組織。団体個人が存在していても 無関係です。※法律違反は未成年。大人も基本的にはやりません。
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文字数 10,305 最終更新日 2022.06.29 登録日 2022.06.29
 猪野一郎は、練馬区石神井にある新聞販売店と、武蔵野市吉祥寺にある四年制私立大学に籍を置く、いわゆる新聞奨学生である。高校卒業後に一年浪人し、故郷の熊本から上京して八ヶ月足らず。バブル景気を迎えて世間が沸き立っていた昭和六十三年十一月に、新聞屋の仕事と大学の勉強を地道に両立させる生活にようやく慣れつつあった。  起床は、未明の三時ごろ。三百部を超える朝夕刊の配達の合間に通学し、晩には集金、販売拡張、翌朝の折込みの準備、読者管理といった業務をこなす。就寝は、深夜の十一時をすぎてしまう。時代に浮かれてお祭り騒ぎの普通の大学生たちを尻目に、雨にも負けず風にも負けず、都会の世知辛さや新聞販売業界の悪習にも負けず、親から自立し、社会に貢献していることを誇りに毎日を送っていた。  そんな一郎の最上の楽しみは、二トントラックを運転している担当読者の「佐藤の若奥さん」と、夕刊配達中にときおり路上で擦れ違うことだった。毎月の集金時にも、小学一年生の一人娘がいて訳ありのシングルマザーかもしれない三十歳前後の女性の明るい笑顔に、日々の厳しい生活でささくれかけた心をなだめてもらっている。  去る八月に、童貞のままで二十歳になった。新聞奨学生寮の同室の先輩から新宿区歌舞伎町の個室高級サウナに誘われつづけているが、彼女を「裏切る」ことはできずにいた。  昭和六十四年が明け、ほどなく元号が平成に改まったころから、夕刊配達中に佐藤の若奥さんを見かけなくなる。仲の良かった同僚の失踪に心を痛めていた二月下旬に、彼女が転出することを知り、愕然としてしまう。引っ越し当日の昼下がりに、集金のためにアパートの部屋を訪ね、トラック運転手を辞め転職していたことを聞かされた後に、一組の布団と電気ストーブだけが残った肌寒い六畳間で、素人でなくなった彼女を相手に初体験をする。
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文字数 35,346 最終更新日 2021.06.14 登録日 2021.06.05
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