張角、張梁、張宝 小説一覧
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悪人の正義:黄巾のススメ
後漢末期――漢王朝は、腐りきっていた。
地主として村人から信頼され、困った者には金を貸し、病人がいれば薬を探し、飢えれば自ら食料を分け与える男がいた。
その名は、張角。
決して聖人ではない。
自分も土地を持ち、裕福な暮らしをしていた。
だが、目の前で苦しむ民を見捨てることだけはできなかった。
ところが、村人を苦しめていたのは、飢えや災害だけではなかった。
税を払えなければ利息を要求し、娘を「担保」として連れ去る役人。
育てた田畑を罰金と称して奪う者。
賄賂を受け取らなければ何一つ動かない役所。
訴えても、誰も助けてくれない。
弱い者は奪われ、強い者はさらに奪う。
正義を求めるほど、絶望だけが増えていく。
やがて張角は、民を救うために自ら金を作り、無利子・無催促で村人へ貸し始める。
病人を救い、飢えた者を助け、災害の際には自宅を避難所にした。
それでも役人は、張角の財産を奪った。
土地も、金も、すべて。
何もかも失った張角は、ついに決意する。
――ならば、この腐った世の中そのものを壊すしかない。
弟の張梁、張宝とともに立ち上がった瞬間、民衆の怒りは大陸全土へと燃え広がった。
黄色い布を掲げる者たち。
次々と蜂起する民衆。
そして、もはや誰にも制御できなくなっていく黄巾。
張角が望んだのは、略奪でも権力でもなかった。
だが、人々の怒りは彼の手を離れ、巨大な戦乱へと変貌していく。
「悪人には、悪人の正義がある」
これは、腐った時代に追い詰められた一人の地主が、なぜ逆賊となったのか。
そして黄巾の乱の後、歴史から姿を消した張角が、別人として生きることを選ぶ物語。
正義とは何なのか。
悪とは誰なのか。
答えは、あなた自身の目で見届けてほしい。
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文字数 4,384
最終更新日 2026.09.01
登録日 2026.08.30
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