第3回ほっこり・じんわり大賞終了

第3回ほっこり・じんわり大賞

第2回ほっこり・じんわり大賞

選考概要

前回の応募数を上回るエントリーとなった第2回ほっこり・じんわり大賞。編集部内で最終的に大賞候補作としたのは「お隣さんはヤのつくご職業」「狐火の市~ぼくとばぁちゃんのちょい怖ぁて不思議な夏の夜の話」「真夜中のアヤカシ洋菓子店にようこそ」「死神とカフェの女の子」「水曜日のパン屋さん」「みいちゃんといっしょ。」「妹尾写真館~帰らぬ人との最後の一枚、お撮りします~」「七駅フレンド」「ムーンライトセレナーデ」「きぼうダイアリー~三つ目看板猫の平凡で優雅な日常~」の10作品。

その後の検討の結果、いずれの作品も巧みな表現で繊細な心の機微を描いていたが、残念ながら商業的ニーズを満たした大賞にふさわしい作品は見当たらず、選考員の評価が高かった「みいちゃんといっしょ。」「七駅フレンド」の二作品を優秀短編賞として選出し、「妹尾写真館~帰らぬ人との最後の一枚、お撮りします~」を涙じんわり賞、「死神とカフェの女の子」を心ほっこり賞に選出することとした。
その他、最終選考に残ったものの、惜しくも授賞に至らなかった作品を奨励賞とした。

「みいちゃんといっしょ。」は、女子高校生の主人公と、継母のみいちゃんの二人が少しずつ家族になっていく過程を描いた作品。話がきれいにまとまっており、良質な短編映画を鑑賞したときのような読後感だった。

「七駅フレンド」は、失声症となった少女が通学電車の中で七駅だけ乗り合わせる聾の少女と友情を深める物語。難しいテーマを嫌みなく描ききり、アイデア、筆力ともにレベルの高い秀作だった。

「妹尾写真館~帰らぬ人との最後の一枚、お撮りします~」は主人公が祖父の写真館で体験する不思議な出来事を描いた短編連作。物語としての完成度が高く、ノスタルジックで心にじんわりと沁み入る作品であった。

「死神とカフェの女の子」は仕事に疲れた死神が、可愛い女の子のカフェで癒される短編マンガ。死神と少女のやりとりが可愛いらしく、作品に漂う雰囲気もほのぼのしていて、続きが読みたくなる魅力があった。

開催概要はこちら
応募総数495作品 開催期間2019年08月01日〜末日

なし


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。物語の設定が目新しく、ぐっと物語に引き込まれます。会話劇はとても軽妙で、先のページをどんどん読み進めたくなりました。読者の方々の高い支持も頷ける作品です。


編集部より

血の繋がりがないにもかかわらず、娘のためにひたむきに頑張るみいちゃんの姿には、読んでいて心を動かされました。また、短い文字数ながら物語が綺麗にまとめられており、筆力の高さがうかがえる作品でした。ラストは明るくほっこりするまとめ方で、読後感も素晴らしかったです。


編集部より

「言葉」が不自由な二人の出会いから別れ、そして再会までが繊細な筆致で描かれたクオリティの高い短編小説でした。「七駅間だけの友だち」という少し変わった二人の物語から見えてくる、人間関係におけるある種の残酷さと優しさに、強く胸を打たれました。タイトルもまた素晴らしかったです。


編集部より

祖父の写真館で働く青年、訪れる人々との触れ合いを通し、主人公が成長していく様子が丁寧に描かれていました。帰らぬ人にもう一度だけ会いたいというそれぞれの願いは、心にじんわりと沁み入り、涙を誘います。主人公もまた明るく未来へ進んでいくというラストもとても爽やかでした。

死神とカフェの女の子

akuta
25位 / 495件

編集部より

ほのぼのとしたやりとりやディフォルメされた登場人物の表情に心がほっこりし、二人の会話を見ているだけで幸せになりそうです。少女の言葉に死神が乙女チックになる表現も可愛く、しんみりとほっこりのバランスが絶妙で、二人の今後がどう続いていくのか気になる作品でした。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。