第12回漫画大賞 春の陣エントリー募集中

第12回漫画大賞 春の陣

概要

Web上に公開されている漫画が対象。2019年03月の1ヶ月間、「第12回漫画大賞 春の陣」として開催いたします。

読者投票・アクセス数などによりポイントを集計。アルファポリス編集部選考による「大賞」(賞金50万円)、ポイント最上位作の「読者賞」(賞金10万円)、他にも今回から新設の「編集長賞」「ネコ部長賞」などを発表。受賞作は出版化の可能性あり。受賞者には全員担当編集がつきます。

各賞受賞作品はアルファポリスからの書籍化が検討されます。
また、投票したユーザにも抽選で賞金をプレゼントいたします。

第11回漫画大賞

選考概要

今回、編集部内で大賞候補作としたのは、「創造の救世主」「青色の遺産」「落とし子と従者の物語」「BREMEN-KLASSE」「紅弁慶の幽鬼殺し」「異世界チートとゾンビヒロイン」「オリオン運送」「俺の女房役になってくれ!」「ボクのロボット」「アフター・ヒーロー」「最強の姫騎士と白バラ」「Lizard man」「ガラム - コリアンダーの竜」「終の額縁」「RED DESERTER」の15作品。

どの候補作も、それぞれに魅力を持った力作揃いだったが、「大賞」としては一歩及ばずという意見が多く、大賞は「該当作なし」という結論に至った。

続く各賞の選考において、評価が特に高かった「創造の救世主」「青色の遺産」に優秀賞(賞金30万円)を設け授与。「落とし子と従者の物語」「BREMEN KLASSE」「紅弁慶の幽鬼殺し」の3作を、今後の飛躍に期待を込めて特別賞(賞金10万円)に選出した。

「創造の救世主」は、空想の世界に入り込み、人類滅亡の危機を救うために主人公達が奮闘する異世界バトルファンタジー。王道ながらも引きのあるストーリー展開がしっかり作れており、読者を惹きつける力を十分に持った作品だと感じた。

「青色の遺産」は、素朴な街娘であるヒロインが勇者とともに旅に出る冒険ファンタジー。笑いもふんだんに織り交ぜられた個性豊かなキャラクターに加え、長編ながらしっかりと伏線が張られた見事なストーリー構成に賞賛が相次いだ。

「落とし子と従者の物語」は、美しき主と、彼に拾われた仮面の従者が繰り広げるファンタジーBL作品。女性受けをしっかりと意識したレベルの高い画力もさることながら、繊細な心情描写で切ない恋愛ストーリーがつむぎ出せている。

「BREMEN-KLASSE」は、グリム童話のブレーメンの音楽隊をモチーフにした、退魔物ファンタジー。多くの女性の心を掴むであろうヒーロー描写や、大胆で華やかな漫画表現など、とにかく画面の完成度が高く、期待値の高い逸材だと票を集めた。

「紅弁慶の幽鬼殺し」は、幽鬼と呼ばれる怪物との戦いを軸とした和風バトルファンタジー。バトルシーンの迫力は他と一線を画しており、また幽鬼を取り巻く人間関係も遜色なく描かれ、完成度の高さを感じさせてくれた。

また、惜しくも受賞を逃した10作品もそれぞれに見所があり、実力を感じる作品ばかりだった。

「異世界チートとゾンビヒロイン」は、引きのあるタイトルとオリジナリティのあるキャラクター設定にセンスを感じる個性派作品。これからの展開に期待が高まりつつも、構図の切り方や背景描写、トーン使いなどを改善し、原稿としてのクオリティを今一歩上げられるといいだろう。

「オリオン運送」は、宇宙空間を漂流していた冷凍睡眠カプセルに眠っていた少女が、救ってくれたオリオン号で織りなす人間模様を描く。宇宙空間の描写が目をひき、独自の世界観をしっかり作り出せている一方で、ストーリーの比重が恋愛に置かれすぎており、ロボットの活躍など宇宙空間という設定を活かしたダイナミックさが物足りないと感じられた。

「俺の女房役になってくれ!」は、主人公が野球のバッテリー役に幼馴染の女の子を選ぶという斬新なラブコメディ。ストーリー展開は秀逸で、ギャグもシリアスもバランスが取れていて面白い。しかしながら、野球のダイナミックさが演出できておらず、読者層を狭めないためにも、4コマ漫画にするのかストーリーものにするかは検討の余地がある。

「ボクのロボット」は、感情をなくした父親とその子供の家族愛を描いた4コマ作品。能天気なロボットが哀愁を漂わせ、可愛らしい絵柄でありながら、萌え漫画に止まらないメッセージ性をしっかり包括している。しかしながらシンプルな絵柄で、読者の好き嫌いの差が激しく出る可能性があることが懸念材料となった。

「アフター・ヒーロー」はスーパーマンたちが活躍し過ぎたゆえに弊害が起き、能力を制限されてしまうというアメコミ風作品。斬新な設定やしっかりと練られたストーリー構成、画風のインパクトへの評価は非常に高かったものの、セリフやモノローグで説明しすぎている部分や吹き出しの形の読みづらさなどがマイナスとなった。

「最強の姫騎士と白バラ」は、最強の剣士であるヒロインと庭師との恋を描いたラブコメディ。画力は申し分ないものの、想定読者をどこに設定するかが課題となる。素直になれない姫騎士の恋心は、女性が感情移入しやすいと思われるが、絵柄は線が強く男性向け。このあたりの狙いをしっかりと定める必要がある。

「Lizard man」は、ロンドンの郊外で刑事として働く主人公が、ギャングの悪事を明らかにするために奮闘する長編シリアス作品。華のある画力と構成力が目を引き、キャラクターの魅力も引き出せている。一方で、ストーリーにはやや情報を詰め込みすぎていたため、読みやすさ、わかりやすさを意識したストーリー構築が課題だ。

「ガラム - コリアンダーの竜」は、“竜の石”を巡って領主の姫と主人公が心を通わせるファンタジードラマ。背景や竜など細部まで描き込まれた緻密な表現力は、脱帽もの。ストーリーも読み応えがあり、しっかり練られていた。しかし、画面全体が白くメリハリが足りないため、トーンを使用することでより作品の完成度を上げて欲しい。

「終の額縁」は、絵画に命を吹き込み、実体化できる主人公が、役目が終わった絵を額縁に再び封印するという人間ドラマ。画風・ストーリーともに独自の世界観をしっかりと目指せており、完成度の高い作品だ。対象読者をしっかりと定めるという意味でも、BL要素をどこまでストーリーに組み込むかが課題となるだろう。

「RED DESERTER」は、脱走兵として使命手配された主人公たちが、平和に生きられる未来を目指して奮闘する少年漫画。登場人物達のやり取りが面白く、スピード感のある展開が素晴らしい。画力も荒削りながら、好まれやすいキャラクターが作れている。よりオリジナリティのあるストーリー作りを目指せれば、さらに多くの読者を獲得できるだろう。

「第11回漫画大賞」は473作品という多くの応募があり、ジャンルも幅広く、レベルも非常に高い力作が参加してくれていた。残念ながら大賞は出なかったが、早くも次回の漫画大賞に期待が持てるラインナップとなった。来年こそ、大賞に輝く作品が現れることを心待ちにしている。

応募総数472作品 開催期間2018年03月01日〜末日

なし

魔王様、致しますか?


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。魔王になるべく異世界に召喚された主人公が、魔界の仲間たちに翻弄されながらも、次第に心を開いていく物語です。個性が際立ったキャラクター達は、ビジュアルも可愛らしく、賑やかなやり取りも面白く、キャラを活かしたテンポのよいギャグ展開が作れていました。また、シリアスに読ませる箇所もうまく演出できており、高いストーリー力も感じられました。今後、主人公が魔王になった後、どう魔界を守っていくのか、読者が読みたいであろうストーリー展開をしっかりと目指せるといいでしょう。


編集部より

表情豊かでいきいきとしたキャラクター描写と、読みやすくスピード感のある構成が魅力的で、テンポ良く読み進めることができました。また、ストーリーは王道ながらオリジナリティのある展開が繰り広げられ、冒頭の物語の世界への転移をフリにしたどんでん返しのアイデアは、最も評価に値するポイントでした。最大の課題は画力です。人物描写の不安定さ、男女のキャラクターの描き分け、および画一的な感情表現などはまだまだ改善の余地があると感じたので、画力を磨いてワンランク上の作品作りを目指してください。

青色の遺産


編集部より

王道のファンタジーながら、古臭さを感じさせないストーリー構成や個性豊かなキャラクター設定が目を引く作品です。ストーリーの伏線や各キャラクターの役割など、しっかりとした構成に基づいた物語は読み応えがあり、続きが気になるものでした。また画力についても、人物・背景描写がしっかりとできており、世界観が余すことなく伝わります。作品としての総合力は文句なしに高く、さらに回を重ねるごとに画力も向上していることから、今後の発展も期待できると編集部でも高い評価を集めました。ギャグ描写が物語を止めてしまっている部分があるため、扱い方を考慮すれば、より幅広い層に受け入れられるでしょう。

落とし子と従者の物語


編集部より

登場人物のビジュアルがとても繊細で魅力的であり、背景描写も含めて画力のレベルの高さを感じました。また、ストーリー構成も盛り上がりを意識できており、心情描写も丁寧で、ユリウスとクスターの関係性に引き込まれます。画面構成も巧みで、感情の細やかな動きを表現できていました。物語はまだ序盤ですが、続きが読みたいと思わせる要素を多く含んだ作品です。今後、ユリウスとクスターの関係性がどう動いていくのかが腕の見せどころでしょう。

BREMEN-KLASSE


編集部より

とにかく画力の高さが光っており、キャラクターの華やかさ、背景や効果線の緻密さなど、どこを見ても惚れ惚れしてしまう出来栄えでした。さらにはバトルシーンの迫力ある構図など、漫画としての完成度が非常に高いと感じました。一方で、ストーリーとしては説明不足な部分が多く、読者に疑問を持たせてしまう流れが見受けられました。ブレーメンの音楽隊である4人のキャラクターを存分に活かすためにも、ストーリーの流れの中で世界観、およびキャラクターの説明を入れ込んで、より読者に受け入れられやすい作品を目指してみてください。

紅弁慶の幽鬼殺し


編集部より

幽鬼のインパクトや迫力あるバトルシーンなど、画力の高さが票を集めました。さらには人物の心情描写がとても丁寧で、キャラクターに感情移入したまま、最後まで一気に読ませる力を持った作品でした。しかし、短いページでまとめているがゆえ要素が非常に多く、コマ割りも細かく、全体的に詰め込みすぎだという声も上がりました。今後はページ配分や構図の見せ方が課題となるでしょう。せっかく綿密に練られたストーリーを、より効果的な見せ方で漫画に落とし込めれば、もっと読者の心に残る作品になるでしょう。

第10回漫画大賞

選考概要

アルファポリス漫画大賞としては過去最高となる526作品の応募があった今回、編集部内で大賞候補作としたのは、「龍と龍殺しの巫女」「紅月に吠える」「河童と仙人と」「お兄~ト狐」「美しき者」「異界バーで皆ママに怒られたい」「男子高校生ゴブリンを飼う」「黎明のワルツ」「【人外×青年】テューリンゲン博士と愛しのリリー」「きび様といっしょ」「あやしもの」「鋼兵の整備士」「おかえりインファンツ」「魔法少女(仮)マホツカ!」「冴えて懐か」「正義の味方と侵略者」「FLYAWAY!」「猫と居候」「コンビニで逢いましょう」の19作品。

どの候補作もキラリと光る魅力を秘めてはいるが、最終選考会議においては「大賞」にふさわしい作品としてはやや物足りないという意見が多く、大賞は「該当作なし」という結論に至った。

続く各賞の選考において、評価が特に高かった「龍と龍殺しの巫女」「紅月に吠える」に優秀賞(賞金15万円)を設け授与。「河童と仙人と」「お兄~ト狐」「美しき者」の3作を、今後の飛躍に期待を込めて特別賞(賞金10万円)に選出した。

「龍と龍殺しの巫女」は、人間の少女と龍が繰り広げる異種間交流ファンタジー。キャラクターが特に魅力的で、龍を殺す密命を帯びて嫁入りしてきた少女と、彼女にベタ惚れの龍の奇妙な夫婦生活の続きが気になる、という声が相次いだ。

「紅月に吠える」は、禁術を使って人の命を奪い、あやかしを退治してきた旧家の少女と、千年の封印から目覚めた「陰陽師の裏切り者」と呼ばれる男の出会いから始まる現代和風バトルファンタジー。安定した画力に裏打ちされたダイナミックな画面作りが高く評価された。

「河童と仙人と」は、作者の個性が光る佳作。人里離れた山奥でスローライフを送る老人と河童が愛嬌あふれる姿で描かれており、独自の画風とあいまって、完成度の高さを感じさせてくれた。

「お兄~ト狐」は、泣いている小さな女の子を助けた縁で、不思議な狐の恩返しをされる女子高生を描いたハートフルファンタジー。起承転結がしっかりとしている作品で、華のある画風も将来性が感じられた。

「美しき者」は、領主である伯爵の命令で、美貌の女性が皆殺しにされる街を舞台に、伯爵に背いた2人の男の生き様を描いたファンタジー作品。スタイリッシュな画風と構成力を支持する編集部員が多かった。

また、大賞候補作ながら惜しくも受賞を逃した14作品も、それぞれに個性や魅力を持った良作が揃っていた。

「異界バーで皆ママに怒られたい」は、バーという舞台の特性に理解が及ばない世代には魅力が伝わりづらい作品だが、アイディアの独創性とキャラクターのインパクトは群を抜いていた。

「男子高校生ゴブリンを飼う」は、ペットの“ゴブりん”の挙動が可愛らしい日常系コメディ。読者が入り込みやすい世界観説明が追加されると、ゴブりんの魅力がより際立ってくるだろう。

「黎明のワルツ」は、ストーリーの完成度が高く、良質のエンタテインメントの要素を備えている。それだけに、原稿がラフ画の状態で掲載されているのが非常にもったいなく感じられた。

「【人外×青年】テューリンゲン博士と愛しのリリー」は、異種族間コミュニケーションのすれ違いをコミカルに描いており、博士の溺愛ぶりとリリーのツンデレな反応が微笑ましい。このままではワンパターンに陥るので、両者の関係をどのように変えていくのかが課題だろう。

「きび様といっしょ」は、神狐のきび様の弟子となった見習い子狐たちの奮闘をほのぼのと描いた日常ファンタジー。キャラクター設定やギャグは、やや幼年向けながら非常に面白く、ストーリーもしっかりと作られていた。子狐たちの外見が、普段の目つき以外に大差がなく、ビジュアル面で個性を生かしきれていないのが少し残念だった。

「あやしもの」は、人間社会にさりげなく溶け込みながら長い時を生き続けるあやかしたちのオムニバスストーリー。高い画力を駆使して、明治時代から現代まで、さまざまな時代背景をごく自然に描ききっている。構成力も非常に優秀な半面、読者にわかりやすく読ませることよりも、作品の空気感を優先する傾向にあるのがマイナス点であった。この敷居の高さを解消すれば、さらに多くの読者を楽しませられるだろう。

「鋼兵の整備士」は、戦争という非日常が日常となった世界をフルカラーコミックで描いた力作。構図やコマ割りのメリハリをより強く心がければ、魅力的なストーリーがさらに引き立つはずだ。

「おかえりインファンツ」は、読者を引き込むに足るストーリーが魅力。画力や構成力も水準以上の作品だが、よりダークファンタジーらしい世界観を演出するためにも、さらなる絵の描き込みが欲しいところだ。

「魔法少女(仮)マホツカ!」は、ある秘密を持った女子高生がヒロインのドタバタコメディ。ノリと勢い重視のギャグで押していくインパクトの強さが光っている。課題は画面作り。ゴチャついて読みにくい印象があるので、絵の白い部分と黒い部分の濃淡をもっとはっきりとさせれば、メリハリがつきハイテンションなギャグシーンが続いても読みにくさは軽減されるであろう。

「冴えて懐か」は、画力、構成力、ストーリー力とも水準を大きくクリアした総合力の高い作品。父の転勤によって見知らぬ街に越してきた男子高校生が、書道を通して新生活を始める青春ストーリーだ。主人公に大きな影響を与える大護守先生の正体が、昼夜によって性別が変わる土地神という設定は独創的だが、こうしたファンタジー要素がなくても、主人公の心の成長を描くに足る世界観が構築されているため、やや蛇足にも感じられた。

「正義の味方と侵略者」は、設定とシチュエーションの妙が光る4コマ作品。画風に華があるので、このまま画力を磨き続ければ、さらなる活躍が望めるだろう。

「FLYAWAY!」は、ケガによるトラウマで競技から引退した元スノーボード選手の少年が、学校のスキー&スノボ合宿に参加する熱血テイストの少年漫画。画風に華があり、コマ割りもダイナミックで、スポーツをテーマにした作品らしく勢いを感じさせてくれた。ストーリー展開に強引さが見られるので、疑問を持たれない展開を心がけることが今後の課題だろう。

「猫と居候」は、3匹の猫との同居生活を描いた実録4コマで、猫たちに振り回されるドタバタの日常がリアルで興味深い。ページ数の少なさと、あるあるネタになってしまいがちな点が残念だった。

「コンビニで逢いましょう」は、コンビニの店長と店員のヴァンパイア少女が繰り広げる異色のラブコメディ。男性視点での萌えを重視した作品のため、読者層が限定されそうだが、画力が安定しており、アクションシーンも達者。ストーリーコミックとしては短めで、食い足りない印象が残ったのが残念だった。

「第10回漫画大賞」は過去最高の応募数があったこともあり、王道ファンタジーや日常4コマ、エッセイなど幅広いジャンルでレベルの高い作品が多く見受けられた。ご応募くださったみなさんの今後の飛躍に期待するとともに、次回は大賞に輝ける作品が現れることを願っている。

応募総数526作品 開催期間2017年03月01日〜末日

なし

四天王最弱ですが魔王様の娘の教育係です。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。アイディアが面白く、センスの良さが感じられる作品です。主人公と姫の関係もひとひねりされており、最弱であることの悲哀がとてもコミカルに描かれています。物語はまだ動き始めたばかりです。最弱主人公が今後どのように活躍していくのか、期待しています。たとえば、最弱という欠点が逆にプラスに働いて問題を解決するなど、エピソードにバリエーションが作れれば、さらに魅力的な作品に成長するでしょう。

龍と龍殺しの巫女


編集部より

人間の少女と龍が繰り広げる異種間交流ファンタジーという発想、設定、テンポ感など、総合的に「面白い」「続きが読みたい」と思わせてくれる作品です。巫女は龍にデレるのか否か、なぜ龍は巫女を国に帰せないのか、先を読ませる引きがちりばめられており、ストーリーを作る力も感じられます。読者賞を受賞した「四天王最弱ですが魔王様の娘の教育係です。」も、もちろん魅力的ですが、編集部員たちの評価は、この作品のほうが高かったです。各話ともオチがついていて体裁は整えられていますが、一話ごとのページ数が少なく、食い足りなさが残るのが非常に残念でした。

紅月に吠える


編集部より

画力が高く丁寧に描かれており、構図のバリエーションも工夫されている力作です。禁術を使う旧家の少女と、千年にわたり封印されていた「陰陽師の裏切り者」と呼ばれる男の出会い。大作を予感させる堂々とした世界観で、物語も非常に魅力的です。最大の課題は、作品内での柚希と雪の位置づけでしょう。柚希の心情や行動をメインに描きたいのか、それとも雪をメインに据え、柚希はヒーローの魅力を読者に伝える語り部にすぎないのか、やや曖昧に見えます。どちらをメインに据えるかで、読者層が変わりますのでより明確に定めたほうがいいでしょう。

河童と仙人と


編集部より

異種間交流ファンタジーの中では、古くから言い伝えが残る河童と仙人の物語。愛嬌のある絵柄とあいまって、不思議な安心感を持って読み進めることができました。画力と構成力は、やや不安定な部分もありますが、しっかりとした描き込みがなされています。独自の画風として完成されていると言っていいでしょう。物語も画風にマッチした独特のほのぼのさを持っており、作品の総合的な完成度を高めています。課題は第1話の冒頭部分です。のほほんと始まっていて味がある半面、老人が何者なのかの説明が足りていないため、作品に入り込めない読者もいるように思いました。

お兄~ト狐


編集部より

現代が舞台のファンタジー作品で、主人公の女子高生が、狐の神様の兄妹に恩返しをされる物語。画風に華があり、線画から仕上げまで、基本的な画力の高さが感じられました。読み切り作品としての起承転結の作り方やテンポ感など、総合的な完成度も高い作品です。狐の兄妹は、ビジュアル面や設定面でインパクトがありました。課題は想定読者です。「少年向け作品」としてエントリーされていますが、物語の語り手である有為は、ごくふつうの女性的な価値観を持っています。兄神の八千尾も、どちらかというと女性受けしそうなので、むしろこの作品は女性のほうが共感しやすいと思います。若い男性読者に向けているのであれば、もう少し男性が楽しめるバトルシーンなどの要素が必要でしょう。

美しき者


編集部より

キャラクター、背景、構図とも画力の高さが光る作品です。白黒のメリハリの利いた画風が読みやすく、メインキャラクターであるハクとシキの対照的な色づかいが印象的でした。暴君である伯爵に反逆した2人の男性が活躍する、スタイリッシュなアクションファンタジー。物語も読み切り作品として、ソツなくまとめられていて好感が持てました。その半面、アクションシーン以外のページは、やや文字が多くなる傾向がありました。全体のページ数が少し増えたとしても、もう少しゆったりと描いていれば、さらに良かっただろうと思います。

第9回漫画大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは、「柳生烈堂地獄旅」「Gullveida」「イルマリネンの花嫁」「BOUNDARY」「怪奇!魚人間」「起業したらたった半年で行き詰った」「文子と早春の煙」「ヘタレオオカミと毒舌赤ずきん」「スラムの不死鳥」「ぼくらのめいきゅー」の10作品。

最終選考ではどの作品もそれぞれに魅力があるが、「大賞」にふさわしい作品かと考えると、いずれも一歩及ばず、やや物足りなさが感じられるという総意となった。その後の議論の末、評価が他より抜けて高かった三作「柳生烈堂地獄旅」「Gullveida」「イルマリネンの花嫁」を選出。新たに「優秀賞」(賞金30万円)を設け、授与することとした。

「柳生烈堂地獄旅」は異形の剣客が主人公の時代劇ファンタジー。荒々しくはあるものの、白と黒を基調とした迫力あるアクションは圧巻であり、特に絵柄やコマ割りなどの構成力が秀逸な作品として、高く評価された。魅力的なヒロインが描ければ、より商業作品としての完成度が増すことだろう。

「Gullveida」は、絶海の孤島で繰り広げられるファンタジー。背景の描き込みやコマ割りに優れ、画面にメリハリがついていて読みやすい。またキャラクターの魅力が引き出されており、続きを読みたいと思わせる力を十分に持った作品であった。ただ、物語に関してはインパクトが弱かった。今後のストーリー構築が課題といえる。

「イルマリネンの花嫁」は、星を飲み込んだ少女と、その星を探す男の物語。力のある絵に支えられた独特な世界観に加え、二人を取り巻く時間の流れがしっかりと表現された、センスの高い作品として評価された。もう少し、行動の意図や意味を伝えるような、セリフとコマがあれば、より良い作品となるだろう。

また受賞には至らなかったが、そのほかの7作も各々に違った魅力があり、編集部内の評価も差のないものだった。

「BOUNDARY」は画力と構成力に優れ、特にモンスターとのバトルアクションが光る良作であった。ただ、物語がバトルを見せるためのご都合主義となってしまっている点が惜しい。

「怪奇!魚人間」は絵の雰囲気や世界観が良く、また安心して読み進めることのできる展開も評価されたが、ドラマ構築が弱くエンタメとしては物足りない点がマイナスとなった。

「起業したらたった半年で行き詰った」は起業を題材としたコミックエッセイ。題材自体に新しさはないが、独自の視点や解釈、感情が盛り込まれた4コマとして評価された。

「文子と早春の煙」は時代感と雰囲気作りが上手く、加えて人物の細やかな描写も高く評価された。定型の4コマではなく、ストーリー漫画の形式で読みたい作品であった。

「ヘタレオオカミと毒舌赤ずきん」は画力については課題が残るが、物語の展開や、キャラクターの見せ方が上手く、読者に感情移入をさせる力があると評価された。

「スラムの不死鳥」は画面作りの華やかさに欠け、全体的に粗い印象を受けるが、世界観の作り込みと、バイタリティ溢れるキャラクター描写に評価が集まった。

「ぼくらのめいきゅー」は引きもしっかりと作られた4コマ漫画。学校出たらすぐダンジョンといった斬新な構成も評価されたが、1話のみでの応募がマイナスとなった。

「第9回漫画大賞」は応募者の層が厚く、またジャンルの多様さもあり、数多の議論が飛び交う充実した選考となった。残念ながら、「漫画大賞」にふさわしい突出した作品は無かったものの、将来への期待を込めて「優秀賞」を設けた。次回は、よりパワーアップした面白い漫画が読めることを期待している。

応募総数137作品 開催期間2016年03月01日〜末日

なし

吉田んちの猫


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。自由気ままな猫との生活が伸び伸びと描かれたエッセイコミックです。全編フルカラーで、メリハリのある構成は、猫たちの個性を出すことに成功しており、一気に読ませる力がありました。「吉田んち」という世界観に惹きこまれ、4匹のエピソードに一喜一憂し、自分が飼い主であるかのように感情移入した読者も多かったことでしょう。今後の更新を楽しみにしています。

柳生烈堂地獄旅


編集部より

人物の絵柄や効果線などはレベルが高く、非常にバランスよく描けています。ただ、背景に関しては、人物に対して白いコマが多く作品の迫力を阻害しています。トーンを使用するか、スミベタを多用して画面の密集度を上げましょう。また、商業ということを念頭におくと、魅力的なヒロインが不足しています。バトルでは十二分に読者を楽しませる力量がありますので、今後はヒロインも作品に加え大ヒットする漫画を作ってほしいと思います。

Gullveida


編集部より

絵柄にやや古さはあるものの、画力が高い作品です。背景の描き込みをはじめ、衣装や小物も綺麗に仕上がっており、世界観も確立されています。また、キャラクターの個性も序盤から引き出されており、魅力的と言えるでしょう。ただ、ストーリー構築には課題が残ります。現時点ではインパクトに欠けておりますので、キャラクターと世界観を活かしたストーリーを心がけ、ワンランク上の漫画作りを目指してください。

イルマリネンの花嫁


編集部より

物語のきっかけや転機はややありふれたものですが、それを感じさせない画力・構成力・ストーリー構築力があります。シアンとリネンの関係性を独特の切り口で描き、流れるように物語を追える反面、やや説明が不足している印象も受けました。もう少し意図や行動の意味を伝えるようなセリフ・コマを作ると、作品の間口が広がるでしょう。より多くの読者に楽しんでもらえる作品を目指してください。

第8回漫画大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは、「CROSS EYES-クロスアイズ-」「rkmt」「ココロにオトメ」「ある夕暮れ、ボクはのっぺらぼうと出逢った。」「牛屋の店長」「それいけ彩の国ッ!」「Unidentified」の7作品。その後の検討の結果、編集部内で特に評価の高かった「CROSS EYES-クロスアイズ-」を大賞に選出することとした。

「CROSS EYES-クロスアイズ-」は、荒廃した辺境の孤児院で繰り広げられる少年少女たちの生き様と、様々な特殊能力を使ったバトルがテンポよく描かれた作品。しっかりとした画力によるアクションシーンも魅力的で、演出力・技術力が高く評価された。

また、その他の6作品も各々にオリジナリティあふれる作品だった。

「rkmt」は、1話完結型の現代ファンタジーで、キャラクターが立っている良作だった。コメディ時々シリアス、そして良い話で落とすという点も高評価だったが、主人公と妖怪たちが前世で出会っていたという初期設定が置いてけぼりなので、設定を話に織り交ぜながら展開していけばより魅力的な作品になると思えた。

「ココロにオトメ」は、読み切りとしては王道的な作品でありながら、主人公とヒーローの葛藤やコンプレックスを上手く表現した点が評価された。しかし、テーマが王道的なだけに、あと一歩、この作品ならではの物語の深さが必要だと感じた。

「ある夕暮れ、ボクはのっぺらぼうと出逢った。」は、ドジなのっぺらぼうと小学生の交流を描いた萌え4コマギャグ作品だった。ただ、萌え4コマではコメディ&ハートフルという展開は定番のジャンルとなっているため、縦軸となる物語性を加味すれば、作品として広がりも出てくるだろうと感じられた。

「牛屋の店長」は、ギャグ漫画でありながら、各話のテーマがしっかりしていた点が支持された。しかし、各話の繋がりがわかりづらいのとセリフの多さにより話の内容が散漫になってしまっていたため、見せ方を工夫すればさらに読みやすい作品に仕上がるだろう。

「それいけ彩の国ッ!」は、埼玉県内市町村擬人化漫画というテーマがご当地もので引きのあるテーマだと感じた。とはいえ、埼玉県とは関係のない内容も多々あり、せっかくのテーマが生かしきれていなかった点が残念だった。

「Unidentified」は、キャラクターの細かい表情の表現力、続きが気になる構成力が評価された。しかし、話が凝りすぎているせいか、理解が追い付かない点も多く、設定や展開をわかりやすくすれば、より多くの読者を魅了できると思えた。

応募総数36作品 開催期間2015年05月01日〜末日

CROSS EYES-クロスアイズ-


編集部より

長編SFという難しいジャンルでありながら、謎をちりばめ、丁寧な作画とコマ割りで読者を引き込んでいく点が素晴らしかったです。手に汗握るバトルシーンも演出効果が格好よく、ページをめくる楽しさがありました。総合的にクオリティの高い作品で、これからの展開に期待しています。

Dearモンスター


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。人間と妖怪、パラレルワールドという特殊な設定と、微笑ましいキャラクター同士のやり取りが魅力的な作品でした。 ギャグとシリアスの配分も絶妙で、ドキドキハラハラしながら読み進める読者も多かったのではないでしょうか。今後の更新が楽しみです。

第7回漫画大賞

選考概要

編集部内での議論の末、最終候補作としたのは「バックステージその時」「役行者顛末秘蔵記」「始まりの合図」「夜の歌」「Hand Drawings『わたしの星のソムリエさま』」「Destiny Traveler」「kyoushi町田」の7作品。選考の結果、編集部内で特に支持の高かった「バックステージその時」を大賞に選出することとした。

「バックステージその時」は、三つ子が過去にタイムリープして確執のある父親と邂逅するストーリーで、親子関係、タイムリープ、出生の秘密、夢、など様々な要素が入り組んだ物語を秀でた画面構成と演出で見事に描いた、圧倒的な技術力・表現力が高く評価された。

またその他の6作品も各々にオリジナリティに富んだ魅力があるものだった。

「役行者顛末秘蔵記」は、キャラクターの性格付けの明確さと伏線を随所に設置することで、飽きずに読めるところが高く評価された。ただ歴史を踏まえた作品のためか、時代背景を説明する文字が多く、また似たコマ割が続くので展開が遅く単調に感じられ残念だった。セリフをスリム化しコマ割の数を減らすことで見せ場が明確になり伏線が生きてくるように思えた。

「始まりの合図」は、絵柄が可愛く主人公の心情もうまく表現している王道の少女漫画だった。しかし王道であるがゆえに、どこかで読んだことのある内容に見えてしまうので人間関係に独自の展開を入れると、さらによい作品になると思われた。

「夜の歌」は、ファンタジー世界を美しく、細やかに描いていて独特の世界観があり、コマ割、構図も洗練された完成度の高い作品だった。ただ、キャラクターの動きが淡白で印象が薄いので、動きのあるシーンを増やすことでより強い印象を与えられるだろうと思う。

「Hand Drawings『わたしの星のソムリエさま』」は、人物や背景、コマ割などトータルの作画技術の高さを評価された。しかし、内容が多方向へ向かい印象が薄くなっていたので、見せる内容を絞ることで、より強い印象を与えることができただろう。

「Destiny Traveler」は、キャラクターの喜怒哀楽がしっかり描かれており、話もギャグとシリアスのバランスが良い作品だった。セリフが多いので背景の描き込みを増やし、状況を絵で見せることで文字量を減らすとさらに読みやすい作品になったと思われた。

「kyoushi町田」は、不条理系4コマの妙をいかんなく発揮し、絵柄の拙さを超設定・超展開で読み進ませる独特のパワーがあり、編集部の評価が対極に分かれた作品だった。主人公以外の作画向上を目指すと、さらに多くの人を魅了する可能性を秘めていると思えた。

総じて、どの作品も今後の更新が楽しみな作品であった。

応募総数48作品 開催期間2014年05月01日〜末日

バックステージその時


編集部より

様々な要素が入り組んだストーリー展開を絵の緻密さ、線の力強さ、構図のメリハリなど、計算された画面構成で違和感なく読ませる力は秀逸でした。キャラクターの感情表現も巧みで、物語に深みを付与しており、読み応えのある作品となっていました。若干、物語のためにキャラクターを配置している傾向があるので、キャラクター自身の魅力を描き込むことでさらなる飛躍を目指していただきたいと思います。

宿らせ恋劇


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。異世界ファンタジー作品の中でも、本の中に入り込み「本のシナリオを演じる」「折り紙で折ったモノが本物になる」などオリジナリティある設定とキャラクター同士の掛け合いの面白さが、多くの読者の好評を得る結果に繋がったのでしょう。今後は、ネームの多さと絵のバランスやパースの改善を行うことで、より多くの読者の心をつかんでいただきたいと思います。

第6回漫画大賞

選考概要

編集部内での議論の末、最終候補作としたのは「SEED」「由羅物語」「THIS IS MY FATE!!」の3作品。その後の選考の結果、編集部内で特に評価が高かった「THIS IS MY FATE!!」を大賞に選出することとした。

「THIS IS MY FATE!!」は音大入学を目指す青年を主人公とし、全編カラーで描かれた力作で、アートのような洗練された画面構成、作品テーマを巧みに落とし込んだストーリー展開や演出など、卓越したセンスが高く評価された。また「死」というテーマを扱いながらも、読後感も良いものだった。

またそのほかの2作も各々に違った魅力があるものだった。
「SEED」は王道のファンタジーアクション漫画で、力強いタッチの絵に、生き生きと動き回るキャラクターたちが魅力的な作品だった。「由羅物語」は地獄という殺伐としたイメージをもつ場所を舞台としつつも、それぞれが持つ優しさや悲哀などを高い画力で丁寧に描いた良作であった。

応募総数64作品 開催期間2013年05月01日〜末日

THIS IS MY FATE!!


編集部より

アートのような洗練された画面構成、作品テーマを巧みに落とし込んだストーリー展開や演出など、イラスト・物語の両面において、非常に完成度の高い作品でした。「死」という重いテーマが、物語全体を通して描かれていながらも、効果的に取り入れられたタイムリープ要素がその重さを上手く中和していて、エンタメ作品としても十分に楽しめるものになっていると思います。

SEED


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。アクションファンタジーらしい力強いタッチの絵に、生き生きと動き回るキャラクターたちが魅力的な作品でした。呪いで少女になった少年、中年男性にされてしまったお姫様などの設定も新しく、シリアスあり、笑いありのストーリーになっていると思います。今後の更新を楽しみにしています。

第5回漫画大賞

選考概要

編集部内での議論の末、最終候補作としたのは「ヒトコミ。」「江戸怪談『百の世の夢』」「キツネミネラル」「モンタニョーラ」「きみ★てん」の5作品。選考の結果、いずれもそのまま出版化するのは難しいと考え、編集部内で支持の高かった「キツネミネラル」「モンタニョーラ」の2作を特別賞に選出することとした。

「キツネミネラル」は妖怪退治をメインとした和風ファンタジーで、まだストーリーの序盤ではあるが、画力が応募作の中でも非常に高く、設定や小物などスピリチュアルな要素も加わり、とくに一定層の女性に高い魅力をもった作品であると評価された。

「モンタニョーラ」は色彩ゆたかな水彩画に不可思議な間(ま)をもった、日常を描きながらも独特な世界観を持つノスタルジー溢れる作品だった。なにかもう一つ強い魅力づけがあれば出版の道も可能ではないかと評価された。

またそのほかの三作も各々に違った魅力があり、編集部内の選考も差のないものだった。

「ヒトコミ。」は王道の少女漫画であるが、その王道の世界の中でもオリジナリティあふれるキャラクターやストーリーで展開されたクオリティの高い作品であった。また絵も回を追うごとに洗練されてきており、そこも評価された。

「江戸怪談『百の世の夢』」はタイトル通り江戸時代のちょっと不可思議な怪談をショート漫画にした連作作品で、その絵のタッチも作品によくあっており、おそらくそのまま出版した場合、応募作の中で一番商業ニーズがあるであろう完成された世界をもつ作品であった。

また「きみ★てん」はそれら安心して読める作品とは逆に、病んだ青春世界を描いた、しかし読み進めずにはおれないパワーを持つストーリー漫画で、こちらも強く惹かれる読者がいる作品であると評価された。決して下手ではないのだが、作画がもう少し現代風であればがらっと良くなったのではと編集部では考えた。

応募総数88作品 開催期間2012年05月01日〜末日

なし

Different World


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。異世界を舞台に、利害の衝突する国同士の関係が緊迫感をもって描かれ、壮大なファンタジーに仕上がっていると感じました。また、呪いに悩み苦しみながらも前に進んでいこうとするアムの心情など、キャラクターの内面の繊細な表現が物語に深みを与えています。テンポも良く、先が楽しみになる展開が続いている点も、多くの読者の好評を得る結果に繋がったのだと思います。

キツネミネラル


編集部より

妖怪退治という和の題材に、熱帯魚やオーパーツといった意外性のあるアイデアが加わったファンタジー作品でした。女性にも好まれそうなタッチの絵も魅力です。ご神石と対峙した店長はどうなってしまうのか、そして晴茂はどんな使命を負っているのか、とこれからの展開に期待している読者の方も多いのではないでしょうか。今後の更新も、楽しみにしております。

モンタニョーラ


編集部より

色彩豊かな水彩絵と丁寧に描き込まれた情景、登場人物の繊細な内面も相まって、ノスタルジックで温かな作品世界に仕上がっていると思います。また、登場人物たちの関西弁のシュールな会話も特徴的で、どことなくずれた独特のテンポや間が、読者を物語の中に引きこんでいるのではないかと感じました。

第4回漫画大賞

選考概要

編集部内で一次選考において大賞候補作としたのは「きみのとわ」「ヒトコミ。」「疫病神」「エドの代償」「黄昏時のクラスメイト」「夜宴」「アノゲーム」「モンタニョーラ」「晴天快速」「だるまドロップ!」の10作品。残念ながらそのまま出版ができると判断した作品はなく、議論の末、編集部内で評価が他より抜けて高かった二作、「疫病神」「夜宴」を特別賞として選出した。「疫病神」は江戸時代を舞台に「疫病神(ねずみ)」と呼ばれ忌み嫌われる主人公の青春物語で、キャラも構成も絵もとても魅力的なレベルの高い作品だった。短編であったのが大賞に及ばなかった一因であるが、ストーリーの広がりを感じさせる作品であり、今後続きを読んでみたいと思わせるものであった。「夜宴」は独特の世界を描いた現代SFで、絵の完成度も高く、ストーリーの続きも非常に気になる作品であった。総合的な観点から最も完成度の高い漫画と評価されたが、作者の他参加作と同様、後半になるにつれ、やや登場人物やストーリーが分かりづらくなる難点があり、そこが残念だった。

応募総数104作品 開催期間2011年05月01日〜末日

なし

きみのとわ


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。可愛らしく優しいタッチの絵といい、タイプの違う二人の男の子の登場といい、少女漫画ならではのときめきを感じさせてくれる作品でした。ちょっとドジだけど、好きな人に会うために頑張るヒロインは好感度が高く、彼女に感情移入しながら読んでいる方も多いのではないでしょうか。果たしてヒロインがどちらの男の子を選ぶのか、今後の展開がとても楽しみです。

夜宴


編集部より

独特のSF設定であり、キャラをはじめ作品世界が醸し出す雰囲気が非常に魅力的で、冒頭からひきつけられる作品でした。作品全体としての完成度がとても高く、少しずつ明らかになってくる登場人物の過去と、「鵺」の正体に、多くの読者が続きを読むのを楽しみにしているのではないかと思います。今後の更新を楽しみにしております。

疫病神


編集部より

絵のタッチがよく、構成もしっかりしていて最後まで読ませる完成度の高い作品でした。ねずみと呼ばれる疫病神の交流相手が老婆という設定も、人間ドラマとして深みを持たせています。本作は短編ですが、この後も様々なストーリーの展開が出来そうな広がりを感じさせ、将来性のある作品だと思いました。

第3回漫画大賞

選考概要

編集部内で一次選考において大賞候補作としたのは「喫茶部へようこそ」「木曜日の飛行船」「塩と気圧」「ゆうやけライオン」「マンション102号室 」「ゆたこみ♪オリジナルオンラインコミック」「鬼鉄side-r」「DARK GRAVE」「お救い天女さやか」「モザイクキャンセラー」の10作品。その後の選考において編集部内の多数が推し、大賞に選出されたのは「木曜日の飛行船」。大正時代の恋愛を描いた同作は、絵はラフでコマ割りも単調であったが、王道とも言えるすれ違いの純愛ストーリーがとても魅力的であり、読むうちに作品に漂う大正ロマンの雰囲気に引き込まれ、次のページをめくりたくなる力をもった作品であると評価された。

応募総数93作品 開催期間2010年05月01日〜末日

木曜日の飛行船


編集部より

キャラクターたちの温かい人間関係と主人公の純粋な恋愛模様が、上手く物語として描かれた大変魅力的な作品でした。穏やかに進んでいく二人の恋に次第に引き込まれ、いつの間にか主人公と一緒に一喜一憂していました。まだ物語の途中であり、今後の展開を楽しみにするとともに、出版化の可能性について検討、著者と相談していきたいと考えております。

喫茶部へようこそ

uno

編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。「喫茶部」という一風変わった部活動がとても魅力的で、読みやすく、非常によくまとまっている作品であると感じました。また、誰にでもおぼえのある、思春期の普遍的な感情が丁寧に描かれており、今、学生である人だけでなく、かつて学生だった人も、過去を思い出し、共感しながら読めるところが、読者を惹きつけているのだと思います。

第2回漫画大賞

選考概要

編集部内で一次選考において大賞候補作としたのは「四国四兄弟」「パラノイア」「ピエナの眼」「竜釣りアギト」「sparks」「天上の月」「戦国★カンパニィ」「夏草の球」「nightpulsar」「ハロゲンランプ」「HEXENHAUS」「風太くんのユウウツ。」「役行者顛末秘蔵記」「ロストワールド」「わーすと革命」の15作品。その後、二次選考を経て最終的には「パラノイア」「戦国★カンパニィ」の二作での選考となった。「パラノイア」はWeb上にあまたある日常を綴った四コマエッセイのなかで、その視点・表現において圧倒的にクオリティの高いものであると評価された。ただ前回選考でもネックとなったが、日常を綴った作品であるが故、出版化するときに作品の魅力をどうアピールしていくのかが大きな課題としてあげられた。「戦国★カンパニィ」はそれとは逆に現在ブームである戦国武将たちがもし会社員だったら?という大変分かりやすいテーマであり、そこが高く評価された。内容もやや絵に物足りなさはあるが実際の戦国武将のキャラクターをうまく転化することに成功しており、出版化について充分検討できるものであると考えた。最終的には編集部内で決をとり「パラノイア」が大賞に決定した。また「戦国★カンパニィ」についても特別賞に選出した。

応募総数85作品 開催期間2009年05月01日〜末日

パラノイア


編集部より

著者ならではの独特の味がある漫画で、ありふれた日常のワンシーンが驚くほど面白く感じます。特に著者と同年代の独身女性は、漫画の中の出来事がとても身近に感じられるのではないでしょうか。その共感もまた読者をひきつける一因だと思います。アルファポリスでもぜひ出版化の道を探っていきたいと考えております。

御かぞくさま御いっこう


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。実際の家族を動物に見立てることで、各人の性格付けが明瞭になり、すぐに登場人物たちに親しみを感じることができました。また、どたばたコメディの間からにじみ出る家族の愛情が、読んでいるうちにこちらにも伝わってきて、とても微笑ましく、またその心地よさが多くの読者を引きつけた理由ではないかと思います。

戦国★カンパニィ


編集部より

昔から根強い人気があり、現在またブームでもある「戦国武将」を会社員にするアイディアはとても素晴らしいと思います。「戦国武将」各々のキャラクターやその史実を、うまく会社生活に転化した内容はとても面白く、「戦国」ファンが肩の力を抜いて単純に楽しめる娯楽作品であると感じました。アルファポリスでもぜひ出版化の道を探っていきたいと考えております。

漫画大賞

選考概要

編集部内で一次選考において大賞候補作としたのは「WEB漫画-天の祈りと大地の願い-」「BALANCER(バランサー)」「Libra」「INUGAMI」「御かぞくさま御いっこう」「夢の中で見る夢」「パラノイア」「comic」「ハロゲンランプ-マンガMenu-」「チヒロ☆ちひろ」「ramble_oN」「役行者顛末秘蔵記」の12作品。その後、二次選考を経て最終的には「BALANCER(バランサー)」「Libra」の二作での選考となった。両作とも甲乙つけがたく、とくに「BALANCER(バランサー)」においては世界観の設定とその表現力、「Libra」においては先を読ませるストーリー構成力が卓越していると評価した。結果、「BALANCER(バランサー)」のラフな絵自体もまた大きな魅力であるということを認めつつ、商業出版化を考えた場合に「Libra」の絵のほうが適しているだろうということで編集部内で一致し「Libra」を大賞とした。全体的に本賞の選考を通じてWeb漫画のレベルの高さ、そして可能性について再認識し、今後アルファポリスでもWeb漫画の分野に力を入れていきたいと考える大きな契機となった。

応募総数146作品 開催期間2008年05月01日〜末日

-Libra-


編集部より

神の火を巡る陰謀と主人公の自身の立場に対する葛藤という二つの軸が、物語の展開に緩急をつけ、深みを生んでいます。そのため、読み終わった後も余韻を残す、魅力的な作品になっています。伏線の張り方やミスリードなど、演出がうまいと編集部でも感じており、今後の展開におおいに期待するとともに、アルファポリスでもぜひ出版化の道を探っていきたいと考えております。

天の祈りと大地の願い


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。絵の美しさと魅力的なキャラクターに溢れた、読んでいて引き込まれる作品でありました。天使や魔王、人間といった本来異なる世界に住んでいるはずの人たちの心のつながりがストーリーに深みを与えていて、長い作品にも関わらず、読み手を先へ先へと読み進めさせます。アルファポリスでもぜひ出版化の道を探っていきたいと考えております。

BALANCER(バランサー)


編集部より

天界と地上を舞台にした壮大で王道を行くストーリー、共に行動しつつも、独自の思惑を持つ登場人物たち、それら、複雑な要素を詰め込みながらも、読みやすさを失わず、続きを読ませる力がある作品だと思います。また毎日更新されている点も高く評価するとともに、著者の強い姿勢を感じます。更新を優先させるためかもしれませんがラフな絵もまた魅力であると思います。アルファポリスでもぜひ出版化の道を探っていきたいと考えております。