第2回ホラー・ミステリー小説大賞終了

第2回ホラー・ミステリー小説大賞

選考概要

前回を倍近く上回るエントリー数となった第2回ホラー・ミステリー小説大賞。ホラーカテゴリではデスゲーム系から不条理モノ、怪談モノ、ミステリーカテゴリでは本格的な推理小説から警察小説、若年層向けライトミステリーまで多岐にわたる作品が集まり、ウェブ小説の広がりをますます実感する結果となった。

編集部内で最終候補としたのは、「翡翠少年は謎を解かない」「かれん」「甦る妻」「壊れた世界、壊れた明日」「ハイブリッド・ブレイン」「DEEP ~ホラー短編集(手紙、終わらない夢、絶望シティ、他)~」「糾弾ホームルーム! ―ぼくたち、わたしたちの主張―」「出雲の駄菓子屋日誌」「六曜屋敷の殺人 坊主と牧師の事件黙示録」「強請り屋 静寂のイカロス」の10作。

いずれも甲乙つけ難く意見が分かれたものの、総合的に見て、巧みな構成で先を読ませる力のあった「ハイブリッド・ブレイン」を大賞に選出することとした。さらに次点として、キャラ文芸系のライトミステリー「翡翠少年は謎を解かない」と、新興宗教を絡めた重厚な推理小説「強請り屋 静寂のイカロス」の2作に、それぞれ特別賞を授与することとした。

「ハイブリッド・ブレイン」は、外務官僚の父親が、突如自死を遂げた中学生の娘の謎に迫るストーリー。父親や刑事など複数の視点で展開しながら、亡くなった少女の驚くべき秘密が明らかにされていく構成が秀逸で、ぐいぐいと引き込まれる没入感があった。結末に至るまでの壮大な流れも、賛否はあったが読み応え十分だった。

「翡翠少年は謎を解かない」は、翡翠色の瞳を持つ少年の推理小説。とある屋敷で殺人事件が起こるというお約束の流れを汲みつつも、若年層に好まれそうなキャラ設定により古さを感じさせない展開に落とし込まれていた。真相に辿り着いた主人公が最終的にミスリードを誘って真犯人を明かさないオチも目新しかった。

「強請り屋 静寂のイカロス」は、癖の強い中年探偵とその相棒の少年が新興宗教絡みの事件に巻き込まれる推理モノ。次期教祖を巡る不気味な連続殺人を暴いていく過程も読ませるものがあったが、非情で金にがめついわりに自らの正義感に抗えない主人公の人間臭さが、何よりも本作の魅力を引き出していた。

応募総数678作品 開催期間2019年06月01日〜末日

編集部より

少女の不可解な自殺をきっかけに、少女にまつわる『謎』が少しずつ明らかになっていくという、構成の巧みな作品でした。また、どこか普通の父娘とは違う主人公と少女、人間味のある刑事たちなどいずれのキャラクターも魅力的で、著者の筆力の高さがうかがえます。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。「二冊の日記帳」に何が書かれているのか冒頭から引き込まれる作品でした。心優しい令嬢と傲慢な王子、それぞれの日記から異なる物語が浮かび上がり、その結末に驚いた読者も多かったことかと思います。


編集部より

主人公の独特な性格と、それを振り回す従姉のキャラクターが印象的です。正義感ではなく、ごく個人的な従姉への思いから主人公が嘘をつき、最終的には犯人を明かさず、事件の真相を封じるという意表を突いた終わり方も好評でした。


編集部より

主人公である五味民雄に強烈な個性があり、読者を惹き付ける力のある作品だと感じました。また、クローズド・サークルを舞台にした連続殺人事件は、事件の展開・トリック・人間模様のいずれも読み応えがあり物語に引き込まれました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

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