2
件
少女が描いたのは、優しすぎる奇跡だった。
貧しい家庭に生まれ、いつもひとりぼっちだった少女。
ある日、彼女の前に“マージン”と名乗る妖精が現れ、不思議なインク瓶と羽根ペンを渡す。
「空に描いたものは、現実になる――」
少女は魔法の力で猫を生み出し、それをきっかけに困っている人々を助け始める。
壊れた物を直し、必要な物を描き出し、誰かの笑顔のために力を使い続けた。
しかし、人々は次第に少女の力を恐れるようになる。
「あの子は魔女だ」
善意は疑念へ変わり、やがて少女は町の人々によって火あぶりにされてしまう。それでも少女は、最後まで誰ひとり恨まなかった。
これは、“優しすぎた少女”の、静かで残酷な童話。
文字数 1,195
最終更新日 2026.09.12
登録日 2026.09.12
触れぬまま手放したものは、冬になるたびに降り積もる。
都に生きる青年・清隆は、北山で雪のような女――雪乃と出会う。
言葉少なに重ねられる逢瀬と、歌に託された想い。
やがて現実として迫る縁談。
選ぶことから逃げたその朝、清隆はひとつの未来を手放した。
冬になるたびに思い出すのは、消えぬまま残り続ける“淡雪”の記憶。
人と妖、交わらぬものたちの、静かな別れの物語。
文字数 5,595
最終更新日 2026.09.12
登録日 2026.09.12
2
件