プロローグ 「滅びゆく拳流星」
遥か銀河の彼方――。
そこには、武と平和を重んじる伝説の惑星が存在した。
その名は拳流星(けんりゅうせい)。
拳流星には宇宙の生命エネルギーが結晶化した**「宝玉(ほうぎょく)」**が眠っていた。
宝玉は全部で50個。
それぞれが異なる動物や自然の力を宿し、選ばれた戦士だけがその力を引き出すことができる。
その宝玉は、拳流星の王・マスター・アルスによって長きにわたり守られてきた。
しかし、その平和は永遠ではなかった。
⸻
宇宙を渡り歩き、星々から秘宝を奪い続ける最凶の集団――
海賊団。
船長ギルエタルガーは、50個すべての宝玉を集め、宇宙を支配するという野望を抱いていた。
「宝玉はすべて我らのものだ!」
無数の宇宙船が拳流星へ襲来する。
女海賊ザミラクアは圧倒的な剣技で戦士たちを倒し、開発海賊マドルは最新兵器で防衛網を破壊する。
そして、数え切れないほどのスカル兵が惑星中へ押し寄せた。
炎に包まれる街。
崩れ落ちる神殿。
必死に戦う拳流星の戦士たち。
それでも海賊団の勢いを止めることはできなかった。
⸻
王城の最深部。
傷ついたマスター・アルスは、最後に残った守護者たちへ静かに語りかける。
「このままでは……宝玉はすべて奪われる。」
彼は祭壇へ歩み寄り、残された宝玉を見つめた。
「宝玉よ……未来へ希望を託せ。」
アルスが両手を掲げると、眩い光が50個の宝玉を包み込む。
宝玉は一斉に宇宙へ飛び立ち、銀河中へ散らばっていった。
「何だと!?」
ギルエタルガーは怒りに震える。
「必ず見つけ出せ! 一つ残らず奪い取るのだ!」
「ハッ!!」
海賊団の宇宙船は、散らばった宝玉を追って宇宙各地へ向かった。
⸻
静まり返った王城。
マスター・アルスは最後の力を振り絞り、一つの青い光へ語りかける。
「ケン・ヤマト……。」
「お前は最後の希望だ。」
「宝玉に選ばれし戦士を探し出し、拳流星の未来を託せ。」
青い光はうなずくように輝き、地球へ向かって飛び立っていく。
⸻
その頃、地球――。
日本・沖縄。
夜空を一筋の流星が駆け抜けた。
それは偶然ではない。
運命に導かれた光だった。
この光を拾う一人の少女が、やがて宇宙の命運を懸けた戦いへ身を投じることになる。
その名は――
黒田 恵美。
まだ彼女は、自分が琉拳戦士ドラゴンレグロスとなる運命を知らなかった。
文字数 156,628
最終更新日 2026.10.31
登録日 2026.10.31
プロローグ「私の推しはクロッピー!」
黒江美沙には、誰にも負けない大好きなものがある。
それは、マスコットキャラクターのクロッピーだった。
「かわいい……! やっぱりクロッピーは最高!」
美沙の部屋には、クロッピーのぬいぐるみやキーホルダー、缶バッジ、ポスターが所狭しと並んでいる。
朝起きると、まずクロッピーに「おはよう」と声をかける。学校から帰ると、集めたグッズを眺めながら一日の疲れを癒やす。
そして今日は、待ちに待ったマスコットイベントの日だった。
「今日はクロッピーに会える!」
美沙はお気に入りのバッグにクロッピーのグッズをつけ、会場へ向かった。
会場には、たくさんの人が集まっていた。ステージの上では、クロッピーが元気いっぱいに手を振っている。
「クロッピー!」
美沙も大きく手を振り返す。
やがてステージには、別のマスコットキャラクターたちも登場した。
燃えるように元気なモエッピー。
のんびりした雰囲気のモックル。
ペンギンのような姿をしたペンドン。
不思議な動きが魅力のタイマルン。
花の飾りがよく似合うハナルン。
少しクールな雰囲気のブラックベルン。
「えっ、みんな一緒に出てくるの!?」
美沙は目を輝かせた。
クロッピーがモエッピーと並んで踊り、モックルがゆっくり手を振る。ペンドンは楽しそうに跳ね、ハナルンたちは会場を盛り上げていく。
その光景を見ているうちに、美沙の胸はどんどん熱くなった。
イベントの最後、マスコットたちは観客に向かって手を振った。
美沙は叫ぶ。
「クロッピー! これからもずっと大好き!」
その帰り道、美沙は買ったばかりのグッズを大切そうに抱えながら呟いた。
「私の推しはクロッピー。絶対に変わらない!」
……そのはずだった。
しかし、この日をきっかけに、美沙の推し活生活は大きく変わっていく。
クロッピーだけを見ていた少女が、七人のマスコットキャラクターたちに心を奪われていくことになるのだった。
これは、マスコットキャラクターを愛する少女の、楽しくて少し騒がしい推し活物語。
文字数 296,243
最終更新日 2026.10.28
登録日 2026.10.23
『獣装戦士ゲキファイター』プロローグ
銀河の最果て、美しき宝石のような輝きを放つ惑星**「キラブカ星」**。
平和を愛する民たちが暮らすその星は今、漆黒の巨大要塞によって飲み込まれようとしていた。
犯罪帝国ブラックシャドー。
宇宙のあらゆる富と命を略奪し、闇に染め上げる恐怖の軍団。
「姫様、どうかこれを持って脱出を……! この『リング』が、いつか貴女を守る真の戦士を導いてくれるはずです!」
燃え盛る王宮の中で、老臣は一人の少女を脱出カプセルへと押し込んだ。
少女の名は、キラ・マリナ。彼女の手には、キラブカ星の王家に伝わる聖なる秘宝「獣装リング」が握られていた。
「待って、みんなは……!」
少女の悲鳴を置き去りに、カプセルは次元の壁を超え、遥か彼方の蒼い星――地球へと射出された。
漆黒の玉座からそれを見守っていた皇帝ギル・シャドーが、冷酷な笑みを浮かべる。
「逃がさぬ。キラブカの光を根絶やしにし、あの星の力を我が手に収めるのだ。全軍、進路を第三惑星・地球へ!」
運命の歯車が回り出す。
それは、地球に住む一人の大学生、高橋侑斗がまだ知らない物語。
文字数 26,137
最終更新日 2026.10.20
登録日 2026.10.20
『恐獣戦士ゼイガイバー』プロローグ
「人間は、いつから自分が食物連鎖の頂点だと錯覚していたのだろうか」
西暦202X年。都市の闇に紛れ、それは静かに、だが確実に増殖していた。
「野獣(ゼイ)」。
それは人間の体内に潜伏し、ある日突然、宿主の自我を食い破って発症する未知の変異細胞。発症した者は理性なき肉食の怪物となり、かつての隣人を、親を、子を、ただの「肉」として貪り喰らう。
政府は公にせず、秘密裏に組織を動かした。
それが、野獣を狩るためだけのプロフェッショナル――「駆除班」。
激しい雨が叩きつける深夜の廃ビル。
そこには、口の周りを真っ赤に染め、震える手で自らの顔を覆う少年がいた。
足元には、先ほどまで母親だった「モノ」が転がっている。
「……あ、あ、あああああああッ!!」
少年の喉から漏れたのは、悲鳴ではない。
獲物を追い詰める、飢えた猛獣の咆哮(ほうこう)だった。
文字数 10,449
最終更新日 2026.10.06
登録日 2026.10.06
プロローグ「花火の夜の約束」
夏の夜。
黒崎咲(くろさき さき)は、家族と一緒に近所の夏祭りへ来ていた。
屋台から漂う甘い匂い。
夜空を照らす提灯。
遠くから聞こえる楽しそうな笑い声。
そして――
ドンッ!
大きな花火が夜空に咲いた。
「わあ……!」
思わず空を見上げた咲の隣に、一人の男の子が立っていた。
同じように花火を見上げている。
「……きれいだね」
男の子が小さく呟いた。
「うん!」
咲が笑うと、男の子も笑った。
「俺、神谷蓮」
「私は黒崎咲」
それが、二人の初めての出会いだった。
花火が次々と夜空に広がる中、二人は並んで座り、学校のことや好きな食べ物のことなど、たくさんの話をした。
初めて会ったはずなのに、不思議と話しやすかった。
祭りが終わりに近づき、蓮が立ち上がる。
「そろそろ帰らないと」
「……うん」
少し寂しくなった咲に、蓮が笑いかけた。
「来年も、ここで花火見ようよ」
「来年も?」
「うん。毎年、一緒に見よう」
咲は嬉しそうに頷いた。
「約束だよ」
二人は小指を絡めた。
「約束」
その夏の日から、咲にとって花火は特別なものになった。
けれど――。
数日後、蓮は父親の仕事の都合で、遠くの町へ引っ越すことになった。
「咲、また会おうね」
「うん……絶対だよ」
手を振りながら遠ざかっていく蓮を、咲はずっと見つめていた。
それから何年もの時間が流れた。
咲は高校生になった。
夏が来るたび、夜空に花火が上がるたび、あの日の約束を思い出す。
「……蓮、元気かな」
一方、遠くの町で暮らす蓮も、同じ夜空を見上げていた。
「咲……今も覚えてるかな」
二人はまだ知らない。
止まっていた二人の時間が、もう一度動き始めようとしていることを。
そして、あの日の花火の日に――。
二人はもう一度、出会う。
これは、幼い日の約束から始まった、二人の初恋と再会の物語。
文字数 98,640
最終更新日 2026.09.23
登録日 2026.09.23
『純幸戦士ラブージュ』プロローグ:雨の日の欠片
激しい雷鳴が轟く、鳳凰学園市(ほうおうがくえんし)の廃工場。
当時、まだ中学生だった**清都 彩(きよと あや)は、姉の清都 結(ゆい)**の背中を必死に追いかけていた。
「お姉ちゃん、待って! 危ないよ!!」
結の腕には、漆黒のバインダーが抱えられていた。それは、世界の命運を左右すると言われる「願いを叶えるシール」――ウィッシュ・シールが収められた財団XGの最高機密。
背後からは、黒いスーツに身を包んだ財団の追手たちが、無機質な足音を響かせて迫っていた。
「彩、これを持って逃げて。……これは、誰かの欲望のために使われていいものじゃないの」
結はバインダーを彩の手に押し付けると、優しく、しかし決然とした微笑みを浮かべた。
その瞬間だった。
工場の中心に、音もなく「穴」が開いた。
それは闇よりも深い、時空の裂け目。
「な……何、これ……!?」
裂け目から伸びた不可視の「腕」が、結の体を容赦なく掴み上げる。
「あ……彩! 怖がらないで。……いつか必ず、そのシールがあなたを導いてくれる……!」
「お姉ちゃん!!」
彩が手を伸ばした瞬間、眩い閃光と共に結の姿は時空の彼方へと消えた。
後に残されたのは、激しい雨の音と、彩の腕の中に残された、中身のほとんどが空になったシール帳(バインダー)だけだった。
四年後――
雨は上がり、空には皮肉なほど綺麗な虹がかかっている。
カフェ『エトワール』のテラス席で、成人した彩は、あの日から肌身離さず持っている銀色のシール帳を見つめていた。
そこには、姉が死に物狂いで奪い取った「希望」の欠片が、わずかに三枚だけ貼られている。
「お姉ちゃん……私はもう、泣いてばかりの子供じゃないよ」
彩は左腕のブレスレットに、一枚のシールを貼り付けた。
『SEAL RELOAD(シール・リロード)』
彼女の瞳に、かつての姉と同じ、強く静かな光が宿る。
姉を奪い、街を汚し続ける財団XG。
彼らとの戦いの果てに、全てのシールが集まった時、あの時空の扉は再び開く。
「私の願いは、ただ一つだけ」
清都彩の、孤独で気高きコレクションの旅が、今、静かに幕を開けた。
文字数 50,010
最終更新日 2026.09.22
登録日 2026.09.21
プロローグ:刻印の目覚め
「魔法は人を幸せにするためにある。……そう教わっただろ、優勢!」
魔術学園の放課後。奏間 暁斗の叫びは、漆黒の鎧に身を包んだ男、**ダークカイザー(原田 優勢)**には届かなかった。
かつての特待生でありながら、禁忌の術に手を染め追放された優勢。彼は森の深淵で手に入れた闇の力で暗黒魔術軍団を組織し、古巣である学園への復讐を開始した。
「幸せ? 笑わせるな。力こそが唯一の正解だ。……消えろ、無能共!」
闇の魔弾が校舎を破壊しようとしたその時、暁斗は媒介 神校長によって学園の隠し扉、魔法空間へと導かれる。
「暁斗くん、君のその真っ直ぐな心に、この竜の魂を託す。……世界を照らす光となれ!」
手渡されたのは、伝説のリュウコマンダーと一枚のカード。
「やってやる……。魔法は、壊すためのものじゃない!!」
文字数 34,312
最終更新日 2026.09.19
登録日 2026.09.19
プロローグ「その旅館は、地図にない」
夏。
大学二年生の黒波咲音(くろなみ さきね)は、四人の友人と山と海に囲まれた小さな町へ旅行に来ていた。
目的はただの観光。海を見て、名物料理を食べて、旅館に泊まる。何も特別なことのない、楽しい旅行になるはずだった。
駅を出た五人は、予約した旅館へ向かって歩き始めた。
「咲音、こっち!」
「待ってよ!」
スマートフォンの地図では、旅館まで徒歩十五分。しかし十五分歩いても、それらしい建物は見えてこない。
「……おかしくない?」
咲音が地図を確認する。現在地は目的地のすぐ近く。なのに、旅館がない。
「電話してみようよ」
電話をかけても誰も出ない。
そのとき――
カラン……。
山道の奥から風鈴の音が聞こえた。
五人が振り返る。
そこには、古い木造の旅館が建っていた。
「……え?」
さっきまで何もなかったはずなのに。
看板には『黒灯旅館』と書かれている。住所も予約した場所と一致していた。
五人は安心して旅館へ入った。
受付にいた女将は、咲音の顔を見るなり一瞬だけ表情を変えた。
「……黒波?」
「はい」
「……そうですか」
女将はそれ以上何も言わず、五人を二階の和室へ案内した。
夕食を食べ、温泉に入り、楽しい時間を過ごす。
午後十一時。
部屋の明かりが消えた。
咲音が眠りかけた、そのとき――
……ペタ。
廊下から足音が聞こえた。
……ペタ。
足音は部屋の前で止まる。
コン……。
襖が一度だけ叩かれた。
「……誰?」
返事はない。
もう一度。
コン……。
その瞬間、すぐ隣から声がした。
「咲音」
「……!」
四人の友人は眠っている。
しかし、全員が目を閉じたまま笑っていた。
そして四人の口から、同じ言葉が漏れる。
「五人じゃないよ」
咲音の背筋が凍る。
すると襖の向こうから女将の声がした。
「お客様。絶対に、襖を開けないでください」
「……どうして?」
沈黙のあと、女将は震える声で答えた。
「今、廊下にいるのは……五人ですから」
咲音は息を呑んだ。
部屋の中にいるのは、自分を含めて五人。
ならば、廊下にいる五人は誰なのか。
その瞬間、襖の向こうから五つの声が響いた。
「咲音」
「開けて」
「一緒に帰ろう」
咲音は震えながら口を押さえた。
五人はまだ知らなかった。
この旅館には、絶対に破ってはいけないルールがある。
『夜に自分の名前を呼ばれても、絶対に返事をしてはいけない』
そのルールを破ったとき、何が起こるのかを――。
【第1話「五人目」へ続く】
文字数 126,077
最終更新日 2026.09.14
登録日 2026.09.14
『戦国戦士グランドムサシ』プロローグ
その昔、この国には人の心の闇に棲みつき、世を混沌に陥れる**「妖怪」**と呼ばれる存在があった。
乱世の時代、数多の戦国武将たちが己の命を懸けてこれらを封印し、歴史の裏側へと葬り去った。……だが、時は流れ、現代。
人々がかつての戦いを「おとぎ話」として忘却し始めた頃、静かに、そして確実に、封印の鎖は朽ち果てようとしていた。
日常の終わりの音
「信長の野望も、家康の忍耐も、すべてはこの一瞬に集約される……」
山口家の二階。教科書を広げ、独り言を呟く高校生・山口春翔にとって、歴史は最高の娯楽であり、退屈な日常から逃避できる唯一の場所だった。
階下からは、夕食の準備をする妹・美羽の包丁の音が聞こえてくる。両親を早くに亡くした二人にとって、これが守るべき日常のすべて。
――ガタッ。
その時、静かな部屋に不釣り合いな音が響いた。
音の主は、壁際の古いクローゼット。
「……選ばれし……若き……歴史の……守り手よ……」
地に響くような、重厚な武士(もののふ)の声。
春翔は息を呑んだ。幻聴ではない。確かにそこから聞こえる。
隠された真実へのレバー
「お兄ちゃん、今の何!? 変な声したよ!」
異変を感じた美羽が部屋に飛び込んでくる。二人が恐る恐るクローゼットを開けると、そこには古びた洋服に紛れて、見たこともない鉄製のレバーが壁から突き出していた。
「やめてよ、お兄ちゃん。触っちゃダメだって!」
美羽の制止を振り切り、歴史への好奇心が勝った春翔がそのレバーを力強く引き下げる。
――ゴゴゴゴゴ……。
壁が回転し、光が溢れ出す。クローゼットの向こう側に現れたのは、現代の住宅にはあり得ない、篝火が揺らめく広大な和室。
そこには人の姿はなく、ただ中央に置かれた文机の上に、鈍い輝きを放つ**「インローフォン」と、武将の顔が刻まれた「戦国メダル」**が置かれていた。
運命の宣告
『よくぞ開いた。我が名はムサシ。実体なき、武士の魂なり』
声が和室全体に共鳴する。
『妖怪の封印が解かれた。今こそ、戦国武将の意志を継ぎ、現世の闇を切り裂く「戦士」が必要だ。……山口春翔。その命、天下泰平のために預ける覚悟はあるか?』
美羽は震える手で春翔の袖を掴んだ。
しかし、春翔の目は、かつてないほどに強く、輝いていた。
「……妖怪。歴史の闇……。もし、俺がやらなきゃこの街が壊れるっていうなら……やってやるよ。俺が、グランドムサシだ!」
春翔がインローフォンを手に取ったその瞬間、街の至る所で黒い影が動き出した。
歴史の続きが、今、動き始める。
文字数 22,293
最終更新日 2026.09.14
登録日 2026.09.14
『海豪戦士アイフォース』プロローグ
深い、深い海の底。そこには人間には知られざる、美しくも静かな海底都市が存在していた。
天海 郷太と、その娘・梨花。二人は海の恵みを守りながら、穏やかに暮らしていた。
しかし、その静寂は赤い血の色に染まる。
略奪と破壊を繰り返す海底海賊・帝王ネプチューンの艦隊が、彼らの平穏を蹂躙したのだ。
「逃げろ、梨花ッ!!」
郷太の叫びも虚しく、海賊たちの刃が親子を容赦なく引き裂いた。海底の砂は赤く濁り、二人の命の灯火は今にも消えようとしていた。
父の最後の執刀
致命傷を負い、薄れゆく意識の中で、郷太は己の死を悟った。だが、腕の中で冷たくなっていく娘を、このまま死なせることだけはできなかった。
郷太は海底に伝わる禁断の超技術と、自身の命のエネルギーすべてを使い、虫の息だった梨花の体に改造手術を施した。
「……梨花。お前を、化物にしてしまった私を許さなくていい。……だが、生きてくれ。……強く、生きてくれ……」
激しい火花と機械音。梨花の体内には、深海の高圧に耐え、巨悪を打ち砕くための「海豪の心臓(アイ・エンジン)」が組み込まれた。
手術を終えた郷太は、梨花の涙を拭う力も残っておらず、そのまま静かに事切れた。
18年後の太陽
月日は流れ、舞台は地上へと移る。
光溢れる街、学校へと急ぐ制服姿の少女――天海 梨花。
彼女は18歳になり、父が命懸けで守ってくれたこの「地上」で、普通の高校生として暮らしていた。
しかし、彼女の右腕の袖の下には、時折、鈍い銀色の機械の光が宿る。
そして、海が荒れる夜、彼女の耳には聞こえてくるのだ。かつて自分と父を地獄へ突き落とした、あの冷たい波の音が。
「お父さん……私は今、笑えてるかな」
少女の胸に宿る哀しき改造人間の力。
海底からの復讐者が再び現れる時、彼女は青き戦士**「アイフォース」**へとその姿を変えることになる。
文字数 30,266
最終更新日 2026.09.13
登録日 2026.09.13
『私の恋は恐ろしい』
主演:黒咲(くろえ)
あらすじ
大学生の**黒咲(くろえ)**は、ごく普通のキャンパスライフを送り、大好きな恋人と幸せな日々を過ごしていた。
しかし、その幸せは突然終わりを迎える。
恋人が何者かに殺害されたのだ。
警察は事件を捜査するが、犯人は見つからない。
やがて黒咲は、信じられない事実に気づく。
恋人だけではなかった。
これまで自分が好きになった人、付き合った人は、全員が何者かに命を奪われていたのだ。
「私が恋をすると、人が死ぬ……。」
その恐怖から、黒咲は誰も愛せなくなる。
しかし、逃げるだけでは何も変わらない。
恋人たちを殺した真犯人を見つけ、自分が恋をできない理由を知るため、黒咲は大学を卒業後、探偵になることを決意する。
数々の事件を解決しながら、自らの過去へと迫っていく黒咲。
だが、その先で待っていたのは、彼女の運命を大きく揺るがす、想像を超える真実だった――。
⸻
文字数 90,136
最終更新日 2026.09.12
登録日 2026.09.12
🔎 探偵戦士ガオライズ:プロローグ
激しい雨が、東京の街を塗りつぶしていた。
路地裏に佇む「原田探偵事務所」の奥で、高校生の原田 裕翔は、血の滲んだ父の手を強く握りしめていた。
「裕翔……これを持って行け……」
父・将一が震える手で差し出したのは、二つの武骨なブレスレット「ガオブレス」と、猛獣の意匠が刻まれた二枚の「ガオメダル」だった。
「父さん! しっかりしてくれ!」
「……いいか、裕翔。財団XGは……人間の欲望を『形』に変える恐ろしい技術を手に入れた。一人で戦おうとするな。いい相棒を見つけ……事件の闇を、吼えろ(ガオライズ)……」
それが、偉大な探偵であり、戦士であった父の最期の言葉だった。
父の亡骸の前で、裕翔は慟哭を押し殺し、二つのブレスを胸に抱いた。
一方、湾岸エリアにそびえ立つ財団XGの研究施設。
モニターに映し出されるのは、街のいたるところに設置された監視カメラの映像だ。
「人間というデバイスは、なんと脆弱で、なんと醜い……。だが、その醜い欲望こそが、最高のプログラムソースになる」
白衣を纏った男、山崎 幕は、キーボードを叩きながら不敵に笑う。
彼の背後には、培養液に満たされたカプセルが並び、その中には「動物」と「機械」が混ざり合った異形――ダミー怪人の素体が蠢いていた。
「さあ、実験を始めようか。この街を、私の最高傑作(ダミー)たちが躍る舞台に変えてやる」
数ヶ月後。
朝のチャイムが鳴る。裕翔は、眠たげな目を擦りながら教室の席に着いた。
鞄の奥には、父から託された黄金のブレスが隠されている。
(相棒なんて、そう簡単に見つかるもんか……)
窓の外を見つめる裕翔。その視線を、少し離れた席からじっと見つめる少女がいた。
クラスメイトの林 凛。
彼女の好奇心に満ちた瞳が、裕翔の「秘密」への扉を叩こうとしていた。
「真実は、常に二人で一つ。」
新しい時代の探偵物語が、今、静かに動き出す。
文字数 24,714
最終更新日 2026.09.12
登録日 2026.09.11
プロローグ:終焉のカウントダウン
西暦2026年。人類が謳歌する平和な日常の裏側で、宇宙の暗界から蠢く巨大な影があった。
それは、数多の文明を破壊し、その残骸を糧としてきた最凶の軍団――破壊団グラドス。
「美しい……。絶望に染まる星の悲鳴ほど、心地よい旋律はない」
巨大要塞の玉座に座る帝王グランは、冷酷な眼差しで青き地球を見下ろしていた。
「ライドよ、シバよ、マドウよ。この星を『リセット』する準備は整ったか?」
三人の幹部が跪く。
「いつでも。人間どもの脆い文明など、我らが力で一瞬にして塵にしてみせましょう」
グラドスの侵攻が始まるその数時間前。
かつてグラドスに滅ぼされた異世界の生き残りの科学者が、最後の希望を込めて一筋の光を地球へと放った。それは、破壊の力に対抗し、使い手の「闘志」を力に変える究極のシステム。
「この力……どうか、戦う意志を持つ者の手に届いてくれ……!」
光の粒は、日本のとある静かな街へと降り注ぐ。
一つは、ゲームを愛し、勝負の理を知り尽くした青年、五十嵐 颯斗の部屋へ。
そしてもう一つは、必死に明日を生きようとする女子大生、山崎 希空のすぐ側へ。
空が赤く染まり、街のチャイムが異常な音を立てて鳴り響く。
それは、人類にとっての「終わりの始まり」であり、新たなヒーローが誕生するための「プロローグ」でもあった。
文字数 41,229
最終更新日 2026.09.11
登録日 2026.09.10
『神光戦士ディルガス』プロローグ:銀河の落日
数千光年の彼方。かつて宇宙には、全ての生命を照らす「神光の星」が存在した。
しかし、その光を飲み込もうとする影が現れる。宇宙帝国ギルバス。帝王ザクス・ギルは、数多の惑星を闇に染め、最後の一柱となった光の戦士・ディルガスと激突した。
銀河を揺るがす最終決戦。
ディルガスは自らの命を輝かせ、禁断の秘術によってザクス・ギルを道連れに次元の彼方へと消えた。――はずだった。
それから数年。
宇宙のどこかで、止まっていた時計が再び動き出す。
死んだはずの帝王の鼓動が、不気味なノイズと共に蘇ったのだ。
「……光は絶えた。今度こそ、我が闇で全宇宙を塗り潰してくれよう」
復活したザクス・ギルは、かつての腹心であるドスラ、ダグ、ラースを呼び戻し、次なる標的を「地球」へと定める。
一方、地球の空には一筋の流星が降り注いだ。それは燃え盛る光の塊。
その光が地表に激突した衝撃で、戦士の記憶、力、そして纏っていた鎧さえもが砕け散り、宇宙の塵となって飛散した。
クレーターの底に残されたのは、ただ一人の「裸の青年」だけ。
彼は自分が誰であるかも知らず、ただ重たい瞼を開ける。
そこに見えたのは、心配そうに自分を覗き込む一人の少女の姿だった。
文字数 31,495
最終更新日 2026.09.10
登録日 2026.08.25
主人公
天音 瑠璃奈(あまね るりな)
年齢:17歳
学年:高校2年生
銀色の長髪と蒼い瞳が特徴の少女。
普段は明るく優しい性格だが、
幼い頃から“普通の人には見えないモノ”が見えていた。
その能力を隠しながら生活していたが、
ある日、“謎の鍵”を手にしたことで
怪異事件へ巻き込まれていく。
霊の感情や残留思念を感じ取る特殊体質を持つ。
しかしその力には、
瑠璃奈自身も知らない秘密が隠されていた――。
天音瑠璃奈の特徴
* 心霊現象を察知できる
* 強い霊気を感じると瞳が蒼く輝く
* 怖がりだが放っておけない性格
* 推理力が高い
* 鍵に触れると“事件当時の記憶”が見える
文字数 246,615
最終更新日 2026.08.24
登録日 2026.08.22
プロローグ:終焉と創生の歯車
それは、遠い未来……あるいは、失われた過去の記憶か。
空は赤黒く焼けただれ、大地には巨大な時計の歯車が墓標のように突き刺さっている。かつて世界を守った数々のヒーローたちの武器や装甲が、砂に埋もれ、朽ち果てていた。
その絶望の荒野の玉座に、一人の男が座っていた。
全身に「時」の権能を纏い、あらゆる次元を統べる「最低最悪の王」――ジャスライザー。
「……計算は終わった。この世界に、もはや救いなど存在しない。」
王が指を鳴らした瞬間、巨大な「神の時計」が逆回転を始める。
かつてジュラバースが守り抜いた生命。
かつてドラグザーが取り戻した日常。
その全てが、時の渦に飲み込まれ、塵へと還っていく。
その破滅を間近で見ていた一人の戦士・時上達也と、少女・高浪沙羅は、残された最後の力でタイムゲートへ飛び込んだ。
「……待っていろ、志賀実新。歴史が歪み、お前がその玉座に座る前に……俺がその運命を断ち切ってやる!」
2026年、現代。
星ヶ丘市の穏やかな公園で、高校生の志賀実新は、空を仰いでいた。
「……まただ。夢の中で、誰かが俺を呼んでる気がする。」
新の足元には、いつの間にか一羽の青い小鳥が止まっていた。だが、その瞳は機械仕掛けのように正確な時を刻んでいる。
時を同じくして、歴史の裏側で暗躍する組織**『クロックジャック』**の玉座では、三人の幹部が不敵に笑っていた。
「見つけたぞ、未来の王の種(シード)を。」
「過去を奪い、現在を壊し、俺たちだけの『永遠の王国』を作ろうじゃないか。」
止まっていた時計の針が、重く、激しい音を立てて動き出す。
それは、全てのオリジナルヒーローの歴史が交差する、最も長く、最も過酷な一日の始まりだった。
【王時戦士ジャスライザー――現在時刻:運命の0秒前】
文字数 20,631
最終更新日 2026.07.31
登録日 2026.07.31
プロローグ:神球の洗礼
西暦2026年、1月20日。その日、世界の空は「静止」した。
地球上のあらゆる主要都市の上空に、直径1キロメートルを超える巨大な黄金の球体――**「神球(しんきゅう)」**が突如として出現したのである。重力や慣性を無視して浮遊するその物体は、いかなる兵器も受け付けず、電波すらも遮断した。
人々がパニックに陥る中、世界中の電光掲示板、スマートフォン、そして人々の脳内に直接、美しくも冷徹な少女の声が響き渡った。
『……人類の皆さん、おめでとうございます。
あなたたちは、宇宙で最も公平で、最も残酷な宝くじに当選しました。』
その瞬間、世界中でランダムに選ばれた数千人の手首に、決して外れない銀色のブレスが装着される。
『選ばれし候補者(エントリー)たちよ。
ルールは一つ。手にしたデバイスで戦士へと変身し、他の候補者を倒しなさい。
敗北した者の「命」と「存在の記録」は、勝利者の糧となり、神球へと捧げられます。』
空に浮かぶ神球が、脈打つように黄金の光を放つ。
『最後に残ったたった一人は、神の領域へと至るでしょう。
失った恋人を蘇らせることも、世界の王になることも、歴史を書き換えることも自由です。
さあ……あなたの「願い」のために、隣人の喉を掻き切りなさい。』
街の風景が歪み、選ばれた者たちは隔離された特殊空間へと強制転送されていく。
ある者は愛する人のために、ある者は名声のために、ある者はただ生き残るために。
高校生・赤井龍司が立っていたのは、放課後の誰もいない教室……のはずだった。しかし、窓の外を見ると、そこには見たこともない荒廃した「戦場の星ヶ丘市」が広がっていた。
「……願いなんて、ない。俺はただ、今日という日を普通に終わりたかっただけなのに……」
龍司の手首のブレスが、主の意思に反して赤く明滅し始める。
それは、少年の平穏が終わり、血塗られたサバイバルゲームが始まった合図だった。
【神球戦(ドラグ・ゲーム)――残り人数:2000人】
文字数 9,633
最終更新日 2026.07.31
登録日 2026.07.31
ハンター・ヒナ
主演
松井ひな
プロローグ『夜を狩る者』
アメリカ。
眠らない巨大都市。
ネオンが輝く夜の街。
しかし、その裏側では連続爆破事件が発生していた。
地下鉄。
高層ビル。
倉庫街。
次々と起こる爆発。
犯人の正体は不明。
警察もFBIも手掛かりを掴めない。
人々は恐怖に包まれていた。
⸻
そんな闇の中で活動する秘密組織があった。
その名は――
ハンター軍。
世界中の凶悪犯罪者を追跡し、
法では裁けない悪を排除する特殊部隊。
誰も存在を知らない。
夜だけ現れる影の組織。
⸻
そして。
その部隊の中でも伝説と呼ばれる女性がいた。
彼女の名は――
ハンター・ヒナ。
⸻
文字数 58,067
最終更新日 2026.07.09
登録日 2026.07.05
『獣神戦士ジュラバース』:プロローグ
今から十年前。
人里離れた山奥にある「村松超物理学研究所」は、一夜にして火の海と化した。
そこでは、村松真斗博士の手によって、宇宙から飛来した未知のエネルギー体「メテオ」と、地球の古の生命力を融合させる研究が進められていた。それは、やがて来るであろう宇宙からの脅威に対抗するための希望、**『獣(ジュラ)ブレス』**の開発であった。
「綾香……これを持って逃げなさい。これは、人類に残された最後の牙だ」
燃え盛る研究所の中で、真斗博士は幼い娘、綾香に銀色のブレスと眩しく輝くメテオを託す。その背後には、次元を切り裂いて現れた絶滅破壊者ザライドの影が迫っていた。
「無駄なことを、村松博士。全ての生命は、我が帝王ガザスキラーの手によって絶滅する運命なのだ」
冷酷な声と共に放たれた一撃。綾香は泣き叫びながら、父が命を懸けて守った希望を抱き、闇夜へと消えた……。
そして、現在。
世界は平和を取り戻したかのように見えていた。
都心の高層ビルが立ち並ぶビジネス街。
新上敬介は、分刻みのスケジュールを完璧にこなすエリート商社マンとして、慌ただしい日々を送っていた。
「新上くん、次のプレゼンの資料、完璧だったよ」
「ありがとうございます。……効率こそが、社会を支える基盤ですから」
感情をあまり表に出さず、合理的に生きる敬介。しかし、その胸の奥には、幼い頃に妹の栞と約束した「いつかヒーローになって、世界を守る」という、青臭い夢の残火が微かに燻っていた。
その夜。
再び空が不気味な紫色に染まる。
十年の時を経て、ザライドの先遣隊が地球へと降臨した。
「絶滅のカウントダウンを再開せよ。生き残った娘を探し出し、ブレスを奪え!」
逃げ惑う人々の中で、敬介は父の形見を守り続けてきた孤独な少女、綾香と運命の再会を果たす。
落ちてきたメテオが、敬介の魂と共鳴するように激しく輝き始めた。
「……悪いな、俺のスケジュールには『絶滅』なんて予定は入ってないんだ」
封印されていた獣の咆哮が、今、大都会に響き渡る!
『獣神戦士ジュラバース』。
その伝説の第一ページが、ここから綴られ始める――。
文字数 37,450
最終更新日 2026.06.25
登録日 2026.06.13