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「ねえ、あなたは私を、|殺して《救って》くれますか?」
生まれながらにして規格外の力を持ち、実の親にすら恐れられ、暗く冷たい地下室に幽閉されていた真祖の吸血鬼のお嬢様。
孤独の果てに「死」を望む彼女の前に、餌として一人の男が迷い込む。
捕まった男は、幼き日に実父を殺し、罪悪感すら忘れた不死身の殺し屋だった。
「俺の人生に意味なんて無い」と言い切る冷徹な殺し屋に対し、お嬢様が持ちかけたのは、あまりにも奇妙で無邪気な『契約』。
「あなたの依頼、私が手伝ってあげる!!」
殺しの予約を消化するため、そしていつか訪れる「至高の殺害」を果たすため。死なない男と、死ねない少女の、世界を敵に回す凄惨で美しい逃避行が始まる。
――そんな、いずれ、世界にとっての脅威となる存在の誕生は、ふたりにとっての幸福の始まりでもあった。
文字数 12,293
最終更新日 2026.07.18
登録日 2026.07.16
無実の罪で王子から婚約破棄され、断頭台送りとなった公爵令嬢クラリッサ・ド・ベルフォール。
処刑前夜に彼女が願った最後の望み――それは"料理を作ること"だった。牢獄の地下で振る舞われたのは、素朴な鶏と野菜の煮込み。
だがその一皿は、看守たちの心をほどき、訳あって訪れた第一王子の運命すら揺るがしていく。
言葉では届かない真実を、味で語る令嬢。
贅沢を悪病とし、民の温もりを忘れた王国にとって、彼女の料理は“薬”となり得るのか。
そして処刑されるはずだった令嬢は辺境の修道院で何を成すのか。
これは、食と誇り、そして隠し味程度の愛を武器に、歪んだ国を内側から治していく一人の貴族令嬢の物語。
文字数 185,901
最終更新日 2026.06.11
登録日 2026.04.08
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