話が面白い人はそれだけで魅力的です。職場でも学校でも、テレビの世界でも動画の世界でも、頭一つ抜けて人気者になるのは、やはり話が面白い人です。また、話が面白い人はビジネスにおいても高いパフォーマンスを発揮することが多く、会社で重宝され、出世するのも早いと言われています。 さらに、AIの進化にともない、あらゆる人間の活動がAIに代替されるようになりましたが、AIは面白く話すのがそれほど得意ではないようです。面白く話す力は、AIに代替されづらい、人間ならではの能力の一つだとされているのです。
では、どうしたら話が面白い人になれるのでしょうか。 この連載では、元QuizKnockで、登録者数31万人の大人気YouTuberのだいふくさんが、動画配信をするなかで培ってきた、AIには真似できない「話が面白い人になるための技術」を解説していきます。
ここまでの連載では話を聞いてもらえない人がやりがちなことを大きく分けて3つ紹介してきました。
項目を復習すると、1つ目が「本人が楽しそうに話していない」、2つ目が「相手が興味あることを話していない」、3つ目が「構造化ができていない」の3つです。
ただしあくまでざっくりと紹介したのみだったので、ここからは数回にわたって、それぞれの項目についてさらに深堀りして解説していきたいと思います。
まずは、第3回の連載で話を面白く伝えるための技術として触れた「楽しそうに話す」についてです。
楽しそうに話せばそれだけでその話は面白く伝わりやすくなるということなのですが、こうやって改めて文字で見ると、「なんか言ってることのレベル低くない?」と感じられたかもしれません。
ただこれがバカにできない話で、低レベルと感じたということは、伝えるという行為において本質的な技術とも言えるのです。
では、「楽しそうに話す」のもう一歩奥に踏みこんでみます。
第3回の途中で、「”楽しそう”の本質はその内側の熱量だ」という話をしました。この熱量という部分に、この技術の大事なポイントがあります。
惹きつけられる話をする人には、”熱”があります。
話を聞いた人たちはその“熱”を自然と感じとり、「この人はこの話の内容が好きで、こうやって話せるようになるまでそれなりに時間をかけていそうだ。何か自分にもメリットがあるかもしれないから、とりあえず話を聞いてみよう」と無意識下に脳内で判断し、引きこまれていくのです。
熱量があるから楽しそうだと感じられるのか、楽しそうに話しているから熱量があるように感じられるのか。それは卵が先か鶏が先かの話とも言えます。つまりうまく利用すれば、楽しんでいるようにも、熱量があるようにもよそおうことができます。端的に言うと、自信のある表情で口角を軽く上げることを意識して話せば、楽しそうに、あるいは熱量があるように見せることができるのです。
ただし、そうした見せかけの技術は本質ではないでしょう。おそらく皆さんが知りたいことはもっと根本的な話だと思います。それはつまり、
どうすれば、興味がないテーマに対して、熱量を持って心から楽しそうに伝えられるのか
でしょう。
しかし、これは「とりあえず入った大学の専攻をどうやって好きになるのか」であったり、「なんとなくそこしかなかったから就職した会社の業務内容をどうやれば好きになるのか」といった話に似ており、多くの人の頭を悩ませてきたかなり難しい問題です。