話が面白い人の頭のなか

話が面白い人は「死ぬほど興味ないテーマ」をどう面白く伝えるか

2026.06.25 公式 話が面白い人の頭のなか 第6回
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興味がないテーマに熱を持つ方法

例にあげた大学の専攻の話ですが、じつは私も大学入学した当初、自分が選んだ専攻について熱が持てませんでした。
そもそも、どうしても第一志望の大学に入りたくて、言い方は失礼なのですが、比較的入りやすい土木関係の学科を選びました。結果は撃沈して、後期入試で別の大学に入学しました。それも専攻は同じ土木にしていたので、やりたいことかと問われると首を縦に振れない感じでした。
ただ土木を学んでいくうちにそこそこ好きになり、結果的にその専門で国家公務員総合職という難しい資格(?)を取るくらいまで勉強していました。

この「学んでいくうちに好きなっていく」という心境の変化に、興味がないテーマに熱を持つためのヒントが隠されています。
私は、どんなに興味がない物事にも絶対に面白いと思うポイントはあると信じています。なぜならどんなことにも歴史があり、「なぜ」を追求していくと「へ~」となる瞬間が来るからです。
たとえば、土木と聞くとピンと来ないかもしれませんが、「自分の地元に高速道路を通したら経済効果はいくらになるか」と聞くと少し面白そうじゃないですか? これは『土木計画学』という学問の範囲で、私の専攻で学ぶことができました。
それから、経済効果が出ると判断されいざ高速道路が作られるとなると、次はどのようなものを作るのか、つまり構造物の設計の話になります。皆さんトンネルを通ったことはあると思います。トンネルも高速道路に付随する構造物の一部です。あれどうやって掘ってるかというと、じつは山をダイナマイトで爆破して掘り進んでいます。とんでもない話ですが、ガチです。「山は大丈夫なの?」とか「崩れてこないの?」とか思いませんでしたか? それが「なぜ」です。

どんな物事にも、この「なぜ」が存在しています。マジで死ぬほど興味がない内容だったら例に当てはまらないこともあるかもしれませんが、だいたいのものにあると見て間違いないと思います。
「なぜ」はinteresting、つまり面白い(=興味深い)です。プレゼンする場はある意味、「なぜ」と思ったことに対する自分なりの考えを発表する場です。ということは、自分がinterestingと思ったことを発表する場とも言え、少なからず自分にとっては面白い部分はあるのかなと思います。

先ほど、土木に関しての私の文章を読んでどう思いましたか? そもそも土木に興味がない人が大多数だったと思いますが、なんか文面でも私が楽しそうに書いているのが伝わってきませんでしたか? 実際に私も書いていて楽しかったのですが、それが答えです。
私でも、興味がないと思っていた土木に向き合ってみることで熱量を持つことができました。今となっては土木と関係がないことをやっておりますが、「楽しそうにプレゼンをする」というハードルであれば書き言葉でも超えられるくらいの熱量は持てました。

今興味がないと思っていることをやっている方も、一度向き合ってみると意外と熱を持てる部分があるかもしれません。私で言う土木計画学のような部分があった場合、いったんその興味を持てる部分だけでも勉強してみると、チャンスがめぐってくる可能性があるはずです。

自分ごとにすると話に“熱”が帯びる

ちなみにここまでを簡潔に表すと、

「話す内容に熱量を持つために自分が話す分野の面白いと感じた部分の“なぜ”を掘り下げてみる」

というお話でした。話に熱を帯びさせる別の角度からの技術として、「自分事につなげてみる」という方法もあります。

最近私は親知らずを抜きました。半年ほど前に生えてきたのですが、なぜか欠けて生えてきてしまい、エナメル質がほぼない状態だったのであっという間に虫歯になってしまいました。私はこれまで虫歯になった経験がなく、あんなに痛いんですね、虫歯って。歯医者さんの腕がよかったのと上側だったのもあり抜歯自体はまったく痛くなかったのですが、初めてなのでまぁ怖かったです。

皆さんは歯について興味がありますか? 私は正直あまりありませんでした。ただ抜歯が終わったあとで歯について歯医者さんに死ぬほど質問しまして、「抜歯後にこんなに質問してくる患者は初めてだ」と苦笑されてしまいました。とは言いつつたぶん歯医者さんは自分の専門のことなので、けっこう楽しそうに話してくれました。あとたぶん暇そうでした。

で、何をそんなに質問したかというと、主に「抜歯に上手い下手はあるのか」について深堀りしました。というのも私は下にも親知らずが生えているので、場合によっては今後も抜く必要があります。痛いのは嫌なので、どういう医者が腕がいいのかについて聞いていました。結論として上手い下手はあり、やはり大きい病院は数をこなしているので比較的上手いそうです。ただそのなかでも抜歯には数だけでは説明しきれないセンスというものがあり、今後下の歯を抜く場合はよいところを紹介してくれるそうです。

何が言いたいかというと、たぶん「歯」についてという大分類だと興味がある人は少ないと思いますが、「自分の歯」というふうに自分事につなげると一気に興味が湧く人が増えるということです。
私も普段は「歯」には興味がまったくないのですが、「自分の歯」ということで、熱量を持って歯医者さんに話を聞くことができました。

すべての物事を自分ごとにつなげるのは難しいと思うかもしれませんが、意外となんとかなったりします。
たとえば先ほどの土木構造物の話であれば、ただ構造物の設計における計算式を学ぶのではなく、自分の家はどのように設計されているのかのように考えたりすると少し面白くなります。
土質力学の話であれば、自分の家の下の土壌はどんな感じなのかだったら興味が湧くかもしれません。
インターネット回線の営業であれば、どうすれば自分の家や友達の家のネット回線は早く安くなるのかなどを考えると面白いかもしれません。専門外の例が特に浅くてすみません。皆さんのほうが思いつくと思うので、ぜひ自分がプレゼンするテーマが好きになれない方は、一度自分事につなげて考えてみてください。

第3回で「楽しそうに話す」を扱ったときは突貫工事で、表面的な話しかできませんでしたが、今回は深堀りして、楽しそうに話すの本質としてある”熱量”をどうやって持つのかについて話しました。
もちろん、難しい部分もあるかもしれませんが、話を面白く聞いてもらうための一番簡単な方法は「自分が話すテーマを好きになること」なので、最強の必殺技だと思ってぜひ挑戦してみてください。

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プロフィール

だいふく
だいふく

ポケモンやスマブラなどの実況・解説動画で人気を博す、YouTube登録者数32万人のゲーム実況者。2021年から2024年2月までQuizKnockのゲームチャンネルのプロデューサーをつとめていた。日々動画配信を行うなかで面白く伝えるためのノウハウを体系化し、どんなに難しい情報でも「わかりやすく」「面白く」解説してくれると高く評価されている。ハイテンションでコミカルな実況と、たしかな根拠に基づいた分析が武器。

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