今どきの若手の育て方

「上昇志向が弱い」今どきの若者に、
「競争」なんて意味がない理由

2019.05.30 公式 今どきの若手の育て方 第4回
Getty Images

競争心では動かない

「同期の○○さんは、もうこんなこともできるのよ! それに比べて石田さんは!」と、入社当時は上司や先輩によく言われていたものです。できのいい新入社員でなかった私は、肩身の狭い思いをしながら仕事をしていました。とはいえ、「まずい! 頑張らなくては!」と思ってやっていたものです。
ところが、今の若手に「○○さんはこうなのよ!」と言っても、ほとんど響きません。理由は、「人と比べることに意味がない」と感じているからです。「他人は他人、自分は自分」と、自己完結しているからです。

ある一部上場企業の電気メーカーでは、売上げアップのために成果主義を徹底したそうですが、逆に若手の退職者が増えたと言っていました。

無理に競争させようとしても、逆効果になります。上司は、他者と比較することで若手に「もっと頑張ってほしい」と思っているのですが、若手からしたら、「競争相手がそんなに優れているなら、その方にやってもらえばいい」と考えます。
また比較されることは、自分に対してダメ出しをされているともとれるので、反感を持つようになります。その結果、最悪退職までいってしまうというわけです。

個性重視の教育を受けてきた若手にとっては、競争ではなく自分の目標達成が重要であり、他人は関係ありません。

20世紀は、人も仕事も競争原理で評価され、それが効果をあげた時代でした。その当時は、いい大学に入って、いい会社に入ることがすべてであり、それさえ叶えば人生は成功したも同然という考え方が主流でした。
受験は戦争であり、就職活動をすれば企業の青田買いに上手く乗り、誰よりも早く「いい会社」に入ることが目的となっていました。
つまり
「他者に勝つこと」=「幸せな人生を手に入れること」
だったのです。

ご感想はこちら

プロフィール

石田祐一郎
石田祐一郎

株式会社GO FRONTIER代表取締役。大学卒業後、婦人服アパレル企業に就職。いちスタッフから数店舗の店長を経て、マネージャーとして全国を回る。その後、課長に抜擢。ブランド存続の危機の中で、社員一丸となって業績を挽回。さらに商品部長を経て取締役営業部長となり、全社の古い企業体質を改善。退職後はコーチング、アドラー心理学、メンタルケアを学び、プロコーチとして独立。現在は年間150回以上登壇し、成果が出るマネジメントとコミュニケーションのコツを全国で伝えている。

著書

今どきの若手の育て方

今どきの若手の育て方

「今の若手はやる気がない」「すぐに会社を辞めてしまう」「いくら教育しても育たない」――。いわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる若手の育成に悩むリー...
出版をご希望の方へ