ズボラお金術

「そろそろお金のことちゃんとしなきゃだけど、面倒くさい…」ズボラなままお金が貯まる簡単な方法

2026.05.12 公式 ズボラお金術 第1回
Getty Images

世の中には、2つのタイプの人がいます。
1つは、お金が自然に貯まるタイプです。こういう人はなんとなく支出の管理ができ、収入に見合った暮らしができ、貯蓄もちゃんとでき、投資なんかにもチャレンジしたりして、普通に暮らしているだけでお金が貯まっていきます。
もう1つは、なぜかお金が貯まらないタイプです。贅沢をしているわけじゃないのに貯蓄は増えず、たまに支出が収入を超えてしまう月があったり。使っていないサブスクの契約を解約するのが面倒で、放置していたり……。良く言えば「おおらか」、ちょっと悪く言うと「ズボラ」と言われてしまうような人です。

この連載では、こうしたタイプの違いを「変えられない性質によるもの」として割り切り、ズボラな人でも、無理せず、ラクに、ズボラなままで、お金が貯まっていく・増えていく方法を、ファイナンシャルプランナーの岩切健一郎さんに解説していただきます。
自身がADHDの特性を持ち、お金のトラブルに見舞われた経験が豊富な岩切さんだからこそ知っている、ズボラな人でも今日からお金が貯まりだすノウハウが満載です。

元・借金500万円、「ズボラの極み」だった私から、あなたへ

「そろそろお金のこと、ちゃんと考えなきゃいけないのはわかってる。でも、面倒くさい」
「家計簿なんて、三日坊主にすらなれなかった。自分はなんて意志が弱いんだろう」
「将来が不安だけど、何から手をつけたらいいのかわからず、結局後回しにし続けている」

そんなふうに考えたことがある方に、まずこれだけはお伝えさせてください。
その気持ち、めちゃくちゃわかります!
でも、大丈夫です。ズボラのままでもどうにかする方法も、ちゃんとあります!

はじめまして。私は、ファイナンシャルプランナーの岩切健一郎と申します。
ファイナンシャルプランナーとは、クライアントのお金の困りごとを解決する仕事です。
今でこそ、ファイナンシャルプランナーという肩書きで、人にお金のアドバイスをしたり、講演をしたり、本を書いたりしている私ですが、かつてはおそらく皆さんが想像するよりもずっと「ズボラの極み」にいた人間でした。

かつての私の状況を、少しだけお話しさせてください。
今から10年前、当時29歳だった私には、消費者金融での借金が200万円、リボ払いの残高が100万円ありました。それ以外にも奨学金の返済が重くのしかかり、合計すると借金は500万円ほどにもなっていました。
家のポストには、電気や水道の払込票、消費者金融や奨学金返済の催促状が積み重なっていました。それにもかかわらず、怠惰な性格と恐怖から、現実とポストの中身を直視できず、まとめてゴミ箱に捨ててしまいたい衝動に何度も駆られていました。
部屋の中は、比喩ではなく本当に足の踏み場がありませんでした。脱ぎ散らかした服、コンビニ弁当の空き箱、いつ買ったかもわからない雑誌。
夜、仕事から疲れ果てて帰ってきても、お風呂に入るどころか、スーツを脱ぐことさえ面倒くさい。そのままベッドに倒れ込み、翌朝、シワだらけのスーツで起きて急いでシャワーを浴びて仕事に行く。スーツは上手に管理ができないので、しょっちゅうクリーニング。そんな毎日が当たり前でした。

でも、「このままではいけない」という思いが常にありました。せめてお金のことだけはちゃんとしたい。そう思ってはいても、私の得意技は「先延ばし」です。
「来月になったら家計を見直そう」「今日だけはゆっくりしたい」。そんな言い訳を繰り返しているうちに、気づけば奨学金の未払いで裁判所への出頭命令が来たこともありました。わりと取り返しがつかないところまで追い詰められていました。

そんな私にとって、世の中にあふれる「お金のノウハウ本」は、どれも眩しすぎました。そこに書いてあるのは、「毎日コツコツ節約しましょう」「家計簿をつけましょう」といった内容。
頑張って試してはみるものの、三日坊主で終わってしまう。まず面白くない。そもそもノウハウ本に書いてあることが実行できていれば、最初からこんな苦労はしていません。
ズボラな人間にとって、「意志の力」で自分の行動を変えることは難しいと、身をもって実感しました。

お金と上手に付き合うための気づき

そんな私が、なぜ変わることができたのか。
きっかけの1つは、お金の勉強を本格的に始めたことでした。

「お金のことがちゃんとできないのは、お金の正体を正しく理解していないからではないか」

そう思い至った私は、お金の勉強を本格的に始めつつ、家族の力を借りて「お金の管理」を学ぶことにしました。
そこで、驚くべきことがわかりました。
お金と上手に付き合うために必要なのは、「不屈の精神」でも「過度な節約」でも「圧倒的な知識」でもありませんでした。
必要なのは、「自分の意志を信用しない前提の仕組み作り」と、「最低限の知識」だけだったのです。

そうして、生活がいくらか軌道に乗った後も勉強を続け、ファイナンシャルプランニング技能士1級、そして国際資格であるCFP ®を取得しました。CFP ® とは、「Certified Financial Planner」の略で、金融の知識と実務の能力が国際的にも認められるレベルにあると証明できる資格です。
今では借金をすべて完済し、資産を順調に形成し、かつての私と同じように悩む方々の相談に乗る日々を送っています。

こうして私は、絶望的な状況を変えることことができ、お金とも上手く付き合えるようになりました。
でもあえて、断言します。私の「ズボラな性格」そのものは何一つ変わっていません。今でも面倒なことは大嫌いですし、できることならずっとダラダラしていたい。未だに電気の点けっぱなし、服の脱ぎっぱなしを家族に注意される日々のままです。
それでもお金には困らなくなったのは、ズボラな自分に合わせた「お金との付き合い方」を身につけたからに他なりません。

ご感想はこちら

「ズボラお金術」 記事一覧

  • 第1回 「そろそろお金のことちゃんとしなきゃだけど、面倒くさい…」ズボラなままお金が貯まる簡単な方法

プロフィール

岩切健一郎
岩切健一郎

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®。1986年生まれ。29歳で適応障害とADHDの診断を受ける。コンサルティング会社から外資系保険会社の営業職を経て、現在は保険代理店に在籍しながらフリーランスのファイナンシャルプランナーとして活動中。自身が発達障害当事者であり、過去には借金を背負い生活が苦しかった時代も。「お金の専門家」でありながら「お金に苦労した当事者」という二つの視点を生かし、SNSやインターネットを通じて全国から寄せられる相談に応じている。自身の経験に基づいた当事者に寄り添うアドバイスには強い説得力があり、お金の苦手意識が強い人や発達障害当事者はもちろん、その家族からも厚い信頼を得ている。

出版をご希望の方へ