世の中には、2つのタイプの人がいます。
1つは、お金が自然に貯まるタイプです。こういう人はなんとなく支出の管理ができ、収入に見合った暮らしができ、貯蓄もちゃんとでき、投資なんかにもチャレンジしたりして、普通に暮らしているだけでお金が貯まっていきます。
もう1つは、なぜかお金が貯まらないタイプです。贅沢をしているわけじゃないのに貯蓄は増えず、たまに支出が収入を超えてしまう月があったり。使っていないサブスクを解約するのが面倒で、放置していたり……。良く言えば「おおらか」、ちょっと悪く言うと「ズボラ」と言われてしまうような人です。
この連載では、こうしたタイプの違いを「変えられない性質によるもの」として割り切り、ズボラな人でも、無理せず、ラクに、ズボラなままで、お金が貯まっていく・増えていく方法を、ファイナンシャルプランナーの岩切健一郎さんに解説していただきます。
お金のプロでありつつ、自身がADHDの特性を持ち、お金のトラブルに見舞われた経験が豊富な岩切さんだからこそ知っている、ズボラな人でも今日からお金が貯まりだすノウハウが満載です。
ここまでお金を貯めるための基本的な考え方を紹介してきましたが、それでもどうしてもお金を使いたくなる時がありますよね。
今回からは、お金を使いたい欲望に逆らわずに資産も減らさない方法を解説します。
その前に、まずはお金を使いたくなる時の心理を追ってみましょう。
人がお金を使いたくなる時、実は「そのモノが本当に必要だから買いたい」とは限りません。
脳の中では、欲しいものを見つけた時や、買うかどうか迷っている時に、ドーパミンという物質が心理に関わっています。
ドーパミンは、よく「快楽物質」と言われますが、正確には「これを手に入れたら気持ちよさそう」「もう少しで報酬が得られそう」という期待や欲求を強める働きがあります。
つまり、買い物で一番気持ちが高ぶるのは、実は商品を使っている時ではありません!
探している時や選んでいる時、カートに入れる時、決済ボタンを押す直前だったりするんですね。
ネットショップを眺めているだけで楽しかったり、セール品を見ると急に欲しくなったり、限定品と書かれているのを見ると、今すぐ買わないと損をする気がしたりします。
これらは、モノそのものの価値というより、「手に入りそう」という期待によって脳が刺激されている状態なのです。
だから、買った瞬間は満たされた気がしても、届いた頃には興味が薄れていることがあります。だから意志が弱いというよりは、そもそも欲しかったのがモノではなく、「買うまでの刺激」だった可能性があるのです。
ネットショッピングで買ったのに、届いたら封も開けずに全く使わなかった、という経験をしたことがあるズボラさんも多いのではないでしょうか。
このメカニズムを理解すると、対策が変わります。ドーパミンは自分の意志ではコントロール出来ませんからね。
だったら、お金を使いたい欲はそのままに、買う「モノ」を変えればいいのです。
大事なのは、使いたい欲を根性で押さえ込むことではありません。
あんまり無理すると、いつか爆発して大散財を引き起こしてしまいます。
お金を使いたい欲はそのままに、欲の先を変えるだけです。
たとえば、どうしても服が欲しくなった時、ネットショップで何かを買いたくなった時。
その時に、一旦こんな風に考えてみてください。
「私は本当にこのモノが欲しいのか? それとも、ただお金を使いたいだけなのか?」
もし後者なら、買う対象を変えてしまいましょう!
その買う対象としておすすめなのが、株やインデックスファンドです。
「え、いきなり投資?」と思うかもしれませんが、実はこれがお金を使いたい衝動とかなり相性が良いです。
なぜなら、投資信託や株を買う行為も、「お金を使って何かを手に入れる」という点において買い物とかなり近いからです。
証券口座を開いて、買い注文を入れて、パスワードを入力して、購入ボタンを押す。
この流れは、ネットショップで商品を買う時とかなり似ています。
しかも、買ったのは部屋に増えるモノではありません。未来の自分の資産になる可能性があるものです。
もちろん、投資なので元本割れのリスクはあります。短期的には値下がりすることもありますし、絶対に増えると約束されているものでもありません。
だから、大前提として生活がカツカツだったり貯金が出来ていない人にはオススメできるものではありません。
でも、どちらにしても散財で消える予定だったお金だったなら話は別です。