人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩

年をとって怒りっぽくなったと感じたら、「自分と対話」しよう

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イライラを何とかしたい……

最近、ちょっとしたことでもイライラしたり、怒りっぽくなったと自分の性格の変化が気になっている人も少なくないと思います。

しかし、その理由を考えてもよくわからず、そんな自分をどうにかしたいけれども、どうにもイライラの感情や怒りを制御できずに、つい家族や友人をはじめ、周囲の方々に感情をぶつけてしまったりしていないでしょうか。

以前は違ったのに、どうしてこうなってしまったかと、不思議に思うのと同時に、どうにか対処したいと思っている方も多いと思います。

~プラスに転換する考え方~
原因は性格的なものではなく身体的なもの

最初に再認識すべきことがあります。それは、人間は「感情の生き物」だということです。人は、喜怒哀楽の感情のサイクルの中をグルグル回りながら生活しています。
この感情のサイクルは、自由にコントロールできるものではありません。もしコントロールできるのであれば、自ら好んで怒りたいという人はいないはずです。疲れることですが、人が怒るというのはごく自然なことです。

人が怒ってしまう原因は、自分自身の内面的な問題や周囲からの外面的な影響などの要因が考えられます。
しかし、ある程度年齢を重ねたうえで「怒りっぽくなった」という現象は、これらとは別の要因が考えられます。

それは、身体的な「老化」です。特に脳の老化によって感情の制御が上手くできなくなっていることが原因として考えられます。
もちろん、元来の性格にもよりますが、「怒り」は大きな要因として、生活習慣に左右されるようです。
そういう意味では、誰しも避けることのできない現象とも言えるでしょう。自分だけが「怒りっぽくなる」のではないので、過度に心配する必要はありません。

ここで、「怒りっぽくなる」現象を緩和できる方法がいくつかありますのでご紹介したいと思います。これは、認知症予防としても知られていますが、比較的容易にできるものとして三つあります。

一つ目は、規則正しい生活とバランスの取れた食事。
二つ目は、適度な運動。
三つ目は、人と会話することです。

日頃から多く人と会話することで、人間の脳はさまざまな刺激を受けます。これがいいのです。
話の内容自体は、難しく考える必要はありません。ドラマの話、ラジオで聞いた話、読書の感想など、たわいもないことで構いません。
これが脳の老化スピードを緩めたり、ストレス解消のきっかけにも繋がります。大切なのは、自分は孤独だとふさぎこむ環境をつくらないことです。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

浄土真宗本願寺派 大見山 超勝寺 住職
著述家/翻訳家

1982年、山口市(徳地)生まれ。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。僧侶として以外にも通訳や仏教関係の書物の翻訳なども手掛け、執筆・講演・メディアなどの活動の場を幅広く持つ。2019年、龍谷大学 龍谷奨励賞を受賞。著書に『あなたは、あなた。』(アルファポリス)『超カンタン英語で仏教がよくわかる』(扶桑社) 『小さな幸せの見つけ方』(アルファポリス)など多数。

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