人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩

何でも悲観的になってしまうのは、実は「心地よい生活のバランス」の証明

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何でも悲観的になってしまう……

テレビで流れているさまざまな番組、ラジオから聞こえてくるニュース、目に入ってくる光景や直面する場面など、どこで何を見ても聞いても、どことなく暗く寂しい感覚として捉えてしまうことに思い当たる節はないでしょうか。

どれだけ周囲が楽しそうにしていても、それの何がおもしろいのかわからない。騒がれていることは自分には関係ないと思い、どんなニュースにも場面にも、先行きに望みはないと考えてしまう。ある意味、何に対しても冷めてしまっているという方は少なくないのではないでしょうか。

ひょっとしたら、周囲からはすかしていると思われることもあるかもしれません。その結果、孤独を感じたり、生きる意味がわからなくなったり、毎日が面白くないと思って悩んでしまっている方もおられるかもしれません。

~プラスに転換する考え方~
「悲観的になってしまう」のは悪いことではない

しかし、「何でも悲観的になってしまう」ことに対して、悩む必要はありません。
嫌だなと思う状況や心情をプラスに転換する考え方があります。

まず、前提として受け止めるべきことがあります。それは、悲観的になること自体は決して「悪いこと」ではないということです。

暗く寂しい考え方をすることで、周囲に迷惑をかけるわけでも、何か大きな問題が起きるわけでもありません。これが駄目という否定的なイメージを持たないようにして下さい。

では、なぜそう言い切れるのかというと、それは「物事を正しく冷静に受け止めることのできる心構え」を持っていると言えるからです。

人というのは、物事を自分の都合のいいように考え、判断したり憶測したりするものです。しかし、結果としては、そう思い通りにならないのが世の常です。

よくあるのが、物事を楽観視したり、都合の良いように考え過ぎたりした結果、思い通りにならず、悲しい思いをしたり、落胆してしまう場合です。このような心情をもたらすのには原因があります。それは、物事に「満足できない心」です。

実は、これを「苦」と言います。つまり、「不満の心」というものです。この心が人間の「苦」を大きくも小さくもしているのです。では、この「不満足」という名の「苦」を和らげるにはどうすれば良いかと言えば、あまり物事に期待しないことです。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

浄土真宗本願寺派 大見山 超勝寺 住職
著述家/翻訳家

1982年、山口市(徳地)生まれ。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。僧侶として以外にも通訳や仏教関係の書物の翻訳なども手掛け、執筆・講演・メディアなどの活動の場を幅広く持つ。2019年、龍谷大学 龍谷奨励賞を受賞。著書に『あなたは、あなた。』(アルファポリス)『超カンタン英語で仏教がよくわかる』(扶桑社) 『小さな幸せの見つけ方』(アルファポリス)など多数。

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