Z世代を甘やかすな

「3か月間、お世話になりました!」すぐ辞める恥知らずなZ世代社員の末路

2026.10.16 公式 Z世代を甘やかすな 第21回
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「残業したくないんですよね」「それって僕の仕事ですか?」「飲み会ダルいんで行きたくないです」「そのやり方タイパ悪くないですか?」

指示は素直に聞かず、指導をすれば「それってパワハラですよね?」と口答え。世間は「価値観のアップデート」を強いてきて、Z世代への指導はどんどん弱腰になってしまう。好き勝手にふるまうZ世代部下のおかげで、職場の空気は弛緩する一方です。つけあがってさらにモンスター化するZ世代部下は、あらゆる職場に出現し、管理職を困らせています。そんな現状に、書籍『Z世代を甘やかすな』の著者黒坂岳央さんは「Z世代を甘やかしてはならない」と警鐘を鳴らします。Z世代部下にかき回された職場を正常化するために、Z世代を甘やかさない、毅然としたコミュニケーションを身につけましょう。

ロケット退職の増加は誰のせい?

入社したフレッシュな新入社員。研修やOJT制度、新人用の仕事を与え、飲み会やランチはおごり、さらにはハラスメントにならないよう、優しく優しく育ててやった。しかし、そんな会社からの施しに反して、数か月、いや早ければ数日で「あ、僕この会社辞めます」と退職届を提出する。そんな若者が増えている。打ち上げた直後に消えていくロケットのような辞め方なので、筆者は「ロケット退職」と呼んでいる。
先に断っておくが、辞めること自体を否定するつもりはない。違法な長時間労働やハラスメントが横行する職場なら、早く離れた方がいい。筆者自身、若い頃に文字通り真っ黒なブラック企業で働き、辞めた経験がある。問題は辞めることではなく、辞めたあとにある。

売り手市場と多様性教育の悪魔合体

まず気になるのは、数か月や数日で辞めていくZ世代が一体全体、何を考えているのかということだ。筆者が思うに、理由は大きく3つある。
1つ目は、辞めてもすぐ次が見つかると思えることだ。そしてこれは実際に間違いではない。人手不足で求人は多く、転職サイトを開けば「未経験歓迎」の文字が並ぶ。今の職場を失っても困らない、という感覚が、辞める決断のハードルを下げている。
2つ目は、SNSに短期離職の成功談があふれていることだ。「半年で辞めて正解だった」「合わない会社に我慢する時間は無駄」。こうした投稿には多くの共感が集まる。半年しか在籍していないのに、10年勤め上げた人のような顔で会社の内情を語る投稿も珍しくない。画面越しに見ていると、早く辞めることはまるで投資における損切りのように賢者の選択に思えてくる。
3つ目は、違和感を抱えたまま続ける経験が少ないことだ。部活や習い事でも、合わなければやめていいという考え方が広がった。それ自体は悪くないが、結果として、思い通りにいかない状況で踏ん張り、そこから何かを得るという経験を持たないまま社会に出る人が増えている。

辞めるきっかけも大したものではない。人材サービスのレバレジーズが20代の会社員2070人に行った調査(2026年2〜3月)では、入社3ヶ月以内に辞める、あるいは辞めかけるきっかけとして、希望と違う配属が36.2%、入社式や研修での精神論や根性論が35.4%挙がっていた。どちらも、多くの会社員が一度は経験し、飲み込んできた違和感である。

7割が早期退職を繰り返す現状

ここからが本題だ。同じ調査には、もっと重い数字がある。入社3ヶ月以内に辞めた人のうち、72.0%が、次の職場も1年以内に辞めていた(辞める予定を含む)。約3人に1人は、次の職場を1週間以内に辞めていた。半数近くは、その後2回以上の転職を重ねている。つまり、ロケット退職はたった1回で終わらない。1回なら誰でも間違える。問題は、辞めた人の多くが、また同じ速さで次の職場を去っていることだ。調査ではこれを「短期離職ループ」と呼んでいる。しかも、ループを回るほど条件は悪くなる。採用する側が警戒するのだから、当然である。

一方で、再就職で苦労したと答えた人は7割を超え、前職より条件が良くなった人は48.3%と半数に届かなかった。職種や年収を妥協して焦って次を決め、また合わずに辞める。辞めるたびに、選べる会社が減っていくのだ。次の職場はすぐ見つかる。ただし、選べるのは条件が下がった職場だけになっていく。SNSの成功談に、この続きはほとんど書かれていない。半年で辞めて正解だったと投稿した人が、その後どうなったかを、私たちは知らない。

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プロフィール

黒坂岳央
黒坂岳央

経営者。ビジネスジャーナリスト。1981年、大阪府生まれ。
関西外国語大学在学中、デポール大学(米国)へ留学、会計学を専攻する。卒業後、ブルームバーグ、現SpireX株式会社、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社を経て独立。現在は経営の傍ら、幅広い人脈を活かした取材力を武器にジャーナリスト・コラムニストとしても活動。新聞やWebメディアへの寄稿をはじめ、テレビ・ラジオなど多彩なメディアに出演し、独自の視点から情報発信を行っている。『なめてくるバカを黙らせる技術』(アルファポリス)をはじめ著書多数。

著書

Z世代を甘やかすな

黒坂岳央 / 著
「残業したくないんですよね」「それって僕の仕事ですか?」「飲み会ダルいんで...

なめてくるバカを黙らせる技術

黒坂岳央 / 著
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