営業マンは70点主義でいい

優秀な営業マンがやっている「理不尽なクレーム」を出さない2つの方法

2019.02.20 公式 営業マンは70点主義でいい 第12回
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クレームを生まずにいい関係で付き合う方法

小さいときに聞いた童話の「北風と太陽」の話を覚えていますか?
「北風」と「太陽」が道を歩いている男のコートをどちらが先に脱がすことができるかを勝負した話です。この話は今回のテーマにも同じことが言えるいい例なんです。

「北風」のように相手の考え方を無理に変えようとしても、逆に相手は自分の殻に閉じこもろうとしちゃう。つまり、相手が「やりたくないこと」を無理に説得しようとしても逆に反発を買ってしまうだけ。万が一、その場は「丸め込んで」契約をとっても後で必ずモメます。

あなたの周りに、契約件数は多いけれど、その分クレームも多い人っていませんか? その人はおそらくこの北風タイプの営業をしちゃっている人ですね。

以前の僕は、丸め込む技術はもちろんなかったです。ただ相手が完全に納得していないのに、そのサインに気づけませんでした。その結果、ちゃんと説明して申し込んでもらったにも関わらず、後日、いわれのない言いがかりをつけられてクレームになってしまったことがありました。

結局僕が相手にとって「やりたくない状態」のまま話を進めてしまったというわけです(泣)。

そんな事態を避ける方法……、
それが「太陽」のやり方です。

太陽と同じように、無理やりじゃなく自分の意思で行動したと「感じてもらう」環境をつくることで、問題は回避できます。無理やり提案するのではなく、自分から「コレはやりたいことだ」と感じて行動してもらう環境をつくるのです。

それがデキると想像以上の効果があります。成功しても失敗しても相手は自分に責任があると感じるので、メチャクチャいい関係で付き合うことができます。

「やりたくないこと」を「やりたいこと」に変えるポイント

ではどうやったら、「やりたいこと」と感じてもらえるのか具体的な方法を紹介します。

<ポイント1>よりよい未来を想像させる
元々持っていたお客さんの計画よりも、あなたの提案の方が望んだ未来への近道だと感じてもらいます。ここで大事なことは、相手が踏み出しやすい第一歩を用意してあげること。一番カンタンな方法が……、

「似た環境のお客さんの成功事例を紹介すること」です。

自分と同じような問題を抱えた人(会社)が、今は解決できた状態になっている。そんなエピソードを聞けば自分に置き換えてイメージしやすいですよね。そうすることで「よりよい未来」を想像させることができます。

<ポイント2>眼の前の障害を取り除く
そして、もう一つ重要なのが「相手が何を心配しているか?」を探ること。いくらよりよい未来が想像できたとしても、心配ごとという「障害」があっては行動することはできません。その障害とは「価格」かもしれないし、「使いこなせるかどうか不安」という感情なのかもしれません。このあたりは、話をしていれば自然と相手から出てくるものです。
とくに「断り文句」として口にするキーワードなので、ちゃんとチェックしましょう。

キーワードが手に入ったら、この障害を乗り越える解決法を予め用意します。そして「よりよい未来」を想像させた後に、その解決策を伝えます。

例えば、価格の問題であれば……、

  • 支払い方法を、分割や初回無料のようなリスクを感じにくくする提案に変えてみる。
  • コストの比較による解決策(導入コストだけじゃなくて、年間のコストを現状と比較してメリットを感じてもらう)。

こんな方法を提案することで相手は障壁が取り除かれるので、自分から「申し込みたい」気持ちになりやすいです。

商品を使いこなせるかが不安という問題であれば……、

  • 導入サポート・アフターサポートでの解決策。
  • 似た環境の導入事例をもとに、使いこなして成果につなげている実例を紹介。

こんな風に、キーワードからを先回りして障害を取り除けばクリアすることができます。

理不尽なクレームの本当の原因。それは……、

この2つのポイントをクリアすれば、あなたの提案が相手にとって「やりたいこと」になる可能性はメチャクチャ高くなります。そして、この方法で申し込みを獲得すればクレームになることは、ほぼありません。それだけじゃなく、お客さんといい関係で長く付き合えるはずです。

結局の話、「理不尽なクレーム」の本当の原因って「失敗したくない」という相手の不安の裏返しだったんですね。そこで、次回は「失敗したくない」という恐怖感や不安が、スパッと消える方法を紹介します。しかも営業が苦手だというあなたでも、どんどん成果がでちゃう一石二鳥の方法なので、ぜひお楽しみに!

次回に続く

 

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プロフィール

中尾隼人
中尾隼人

株式会社everride(エバーライド )
代表取締役

営業コーチング/マーケティングコンサルタント。1979年生まれ、宮城県仙台市出身。
2005年、1500人規模の上場企業に入社。
かなりの口ベタ、人見知りで営業未経験だったにもかかわらず、初年度からトップセールスとなる。与えられたマニュアルに疑問を感じ、自身の営業方法を体系化、売り込まずに商品を販売する方法として独自メソッド「人を引き寄せる手順」を確立させ、143日間連続で契約を受注し社内記録を打ち立てる。

現在は、セルフイメージでブロックがかかってしまっている人の潜在能力を引き出すためのコーチングなどをメインに、全国の営業を苦手とするスタッフを抱える企業や団体から研修依頼が殺到している。

著書

営業マンは70点主義でいい。

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アルファポリスビジネスの人気Web連載が書籍化! 「営業マンは100点満点ではなく、あえて70点を狙ったほうが、実は結果として継続的に成果が出...
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