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上司は許しても人事は絶対に許さない! 社内提出物の期限を破れば昇格・昇給はない!

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「業績」と「提出物」、どちらが重要?

業績をあげているのに評価されない、給与が上がらない、昇進できない、そんな不満や悩みがある場合、自分では気がつかない原因があるものです。

そのひとつとして考えられるのが、「提出物」です。

交通費や経費の精算、業務報告書、決裁書、請求書、タイムシート、年末調整申請書、自己申告制度のアンケートなど、会社にはさまざまな提出物があります。

「業績」と「提出物」、あなたはどちらが重要だと思いますか?

おそらく「業績」と考える人が大多数でしょう。本来の業務で多忙な日々を過ごす中で、交通費を精算したり、報告書を作成したり、すぐに必要とは思えないアンケートに記入したりするのは、面倒なだけの雑務に思えるかもしれません。

しかし、正解は「どちらも重要」です。業績をあげることと同じように、必要書類をきちんと提出することも、会社員にとってはとても重要なのです。
もし、以下の傾向があるのなら要注意です。

・提出物の期限を守らない。
・何度も催促されないと提出しない。
・書類にいつも不備がある。

書類の提出を催促したり、領収書と金額や日付が違うなどの記入ミスを指摘して再提出を求めたりすると「こっちは忙しいんだよ!」「業績あげているんだから、いいだろう!」と逆ギレする人もいますが、これは最悪な態度といっていいでしょう。

なぜならこういう考え方と態度では、業績をあげても、人事からの評価は下がり、給与も上がらず、昇進もできなくなってしまうからです。場合によっては、退職勧奨されるかもしれません。

上司は許しても、人事は許さない

提出物の期限を破る。何度言っても提出しない。提出しても間違いだらけ……。

こうした社員がいた場合、人事はまずその部署の部長に相談します。ただ直属の上司は「だけど業績あげているからなぁ」「大目に見てよ」とかばうケースが多いので、そういう場合、人事は役員に相談します。
役員の反応も鈍い場合は、社長にも報告します。

嫌な奴と思われるかもしれませんが、人事としては仕方がないことなのです。
なぜ人事がそこまで必死になるのか、不思議に思う人もいるかもしれません。
それは、会社のルールを破り、他の社員に迷惑をかけているからです。

たとえば、交通費精算の提出期限を破られると、総務や経理の社員がその対応のために残業をしなければならなくなったりします。提出書類に不備があれば、再提出を依頼しなければならず、処理にかかる手間や時間がさらに増えます。

また、請求書など他社に関わる書類の場合は、信用問題に発展することもあり、総務や経理といった管理部門の社員が連帯責任を取らされる場合もあります。

そのため管理部門では、提出物の期限遅延や書類の不備に対して非常にナーバスになっていることが多く、ストレスを抱えている社員も少なくありません。

人事は、社員全体のモチベーションを高めることが重要な仕事です。他の部署にストレスを与える、余計な残業をさせる、会社の信頼や経営にマイナスの影響を与えるなどの迷惑行為に対しては、厳しい措置を取らなくてはならないのです。

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プロフィール

西尾 太
西尾 太

人事コンサルタント。フォー・ノーツ株式会社代表取締役社長。「人事の学校」主宰。
1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。
これまで1万人超の採用面接、昇降格面接、管理職研修、階層別研修、また多数の企業の評価会議、目標設定会議に同席しアドバイスを行う。
汎用的でかつ普遍的な成果を生み出す欠かせない行動としてのコンピテンシーモデル「B-CAV45」と、パーソナリティからコンピテンシーの発揮を予見する「B-CAV test」を開発し、人事制度に活用されるキャリアステップに必要な要素を体系的に展開できる体制を確立。これまで多くの企業で展開されている。また2009年から続く「人事の学校」では、のべ5000人以上の人事担当者育成を行っている。
著書に『人事担当者が知っておきたい、10の基礎的知識。8つの心構え』(労務行政)、『人事の超プロが明かす評価基準』(三笠書房)、『プロの人事力』(労務行政)、『人事の超プロが本音で明かすアフターコロナの年収基準』(アルファポリス)、『超ジョブ型人事革命 自分のジョブディスクリプションを自分で書けない社員はいらない』(日経BP)などがある。

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