ストレスに強く、自己肯定感が高くなる おばけメンタル

「明日やろう」のループから抜け出すためのたった一つのコツ

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はじめに ―我思う、飯あるが故にデブあり―

なぜだ。人は、なぜ太るのだ。
どう考えてもおかしい。私は食べたいだけだ。そして動きたくない。
それだけのはずなのに、なぜ太るんだ。悪いことは何もしていない。
食べることも動かないことも、自分の身の安全や精神の安寧につながっているのに、なぜだ。なぜお前は……いや、貴様は増えるのだ。脂肪。

落ち着いてくれ。いいか、聞け、脂肪。座ってくれ、いいか。頼む。
ここに一人の人間がいるとする。その人間は甘いものやカロリーの高いものが大好きだ。 そんな人間が食事をする。普段通りだ。何の変哲もない食事だ。
そこで質問だ。やはり不味そうに食べるよりは美味しそうに食べるほうがお前も見ていて気持ちが良くないか?
違うのか? え……違う? 関係ない? 増える? ……増えるの? え、脂肪……いや、脂肪さん。マジで? え、ハイ……ごめんなさい。

今回はそんなこんなで、ダイエットに向けて動き出した私の自戒として、自らを奮い立たせるべく、そして同時に同じ悩みを持つ皆さんを救うべく、「行動を起こせるメンタルを持つためには、どうすればいいか」を解説します。

決意一つでダイエットできたら苦労しない

人は何らかの危機が迫らない限り、行動を起こせない。
なぜなら、メンタルがいわゆる「その気分」にならないから。つまりは気分がノらない! ってやつである。

例を挙げるなら、大きな災害が起きなければ自宅に防災グッズは備えないし、会社で上司に怒られないと普段の行動を顧みない。体重計に乗らなければ、ダイエットも意識しない。

そう、そもそも人間という生き物は非常に怠惰で、動くためには「動かざるをえない理由」が必要なのだ。メンタルは例えるならエンジンの役割であり、あくまでそれは燃料を燃やさないと動かない。
人間のエンジンたるメンタルは、何かしらのガソリンを注ぐことによって初めて駆動する。

では、逆に「動かざるをえない理由」がないまま動くとどうなるだろう?
冒頭のダイエットの話を例えにして考えてみる。
私が、とりあえず何となくの考えでダイエットに踏み切ったとする。
朝目覚め、窓の外を見る。差し込む日差しが、ランニング開始の時刻を無慈悲に私に知らせる。
気温は低く、布団の外は極寒の世界。着替えはおろか、指先すら空気に触れたくない心持ちである。
そこで、私はこう考える。

「絶対出たくない。明日からにしよう……特に失うものもないし……」

誰もが経験があるのではないだろうか。ダイエットでなくとも、仕事でもプライベートでも同様の諦めは多く発生する機会がある。
まさにこの「明日からでも問題ない」「特に失うものがない」が、ダイエットなどの辛い物事と向き合う際に最も大きな障壁になる。
しかし、同時にこれが自分をコントロールできるヒントでもある。

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プロフィール

おばけ3号
おばけ3号

作家・コラムニスト&インフルエンサー。1990年生まれ。
X(旧Twitter)にて、フォロワー数10万人超のインフルエンサーとして日常の愉快な話や、人々や社会とのコミュニケーションの関わり合いの手法を発信。聡明かつ鋭い視点と分析力に富んだ意見で、多くの企業・メディア・働く若年男女層の評価を得ている。
その実像は都内のコンサルティング会社に勤務する、現役のコンサルタント。
大手上場企業に対するSNS活用コンサルティングサービスの提供や、SNS活用セミナー登壇など多くの実績を擁する。
2020年より、タウンワークマガジン(リクルート社)へのコラム掲載や、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションとのコラボレーション商品の開発販売等を実現し、自著『「お話上手さん」が考えていること 会話ストレスがなくなる10のコツ』をKADOKAWA社より発売。

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