小川流2018燕改革!

2018年シーズン終幕!
躍進を支え続けたコーチ陣の活躍

2018.10.26 公式 小川流2018燕改革! 第15回

契約の「2年間」というスパンで、
選手育成、チーム作りをプランする

――昨年のことを考えると、今年は大きく躍進した一年となりました。シーズン中には来年の留任も早々に決定しました。これによって、何か心境の変化などは生まれましたか?

小川 留任したから「よかった」という思いは、特にないですね。僕に求められているのはチームの立て直しだと思うんです。そのためには、「勝ちながら選手を育てていく」ということも求められています。レギュラー選手も、そろそろベテランの域にさしかかっています。だから、2年契約の1年目を迎えた今年は「2年かけて、今のレギュラー陣をどのように入れ替えるか?」ということは意識していました。もちろん、ピッチャーのローテーションについても「2年間」というスパンで考えていました。だから、「2年目を迎えるから、新たにこれをしよう」というのはあまりないですね。

――「2年間」というスパンを視野に入れた上で、中尾輝投手、梅野雄吾投手、高橋奎二投手らが、すこしずつ台頭してきたという感じなのでしょうか?

小川 そうですね。彼らは順調に台頭してきたと思います。野手で言えば、開幕前にはショートのレギュラーを廣岡(大志)と西浦(直亨)とで争わせて、最終的には西浦がレギュラーの座をつかみました。廣岡はそのまま一軍に帯同させてもよかったのだけれど、一軍に残していても試合に出られないなら、それは彼のためにはならない。だから二軍で鍛え直すという道を選びました。

――その一方で、期待のルーキー、村上宗隆選手はいくらファームで活躍しようとも、シーズン終盤まで一軍に挙げませんでしたね。

小川 村上に関しては、彼はまだ1年目ですから、来年、再来年辺りでレギュラーになってくれればいいという考えで、ファームでじっくり鍛えるという道を選びました。でも、僕自身も、まさかあそこまで成績を残すとは思っていませんでした(笑)。当初は9月末の9連戦で一軍に昇格させるつもりだったんですけど、2位争いを続けている状況もあって、その前の6連戦で昇格させました。昇格した最初の試合で、石井琢朗が「スタメンで使いましょう」と言ってくれたんで、僕もホッとしながら起用したら、いきなり初打席ホームランですからね。バッティングだけで言えば、一軍の戦力としてすでに楽しみな存在です。

――シーズンは終わったばかりですが、すぐに秋季練習が始まり、また来春には厳しいキャンプが控えていますね。

小川 今年一年間やってみて、たくさんの課題が見つかりました。まだまだ技術も力も足りないのは間違いありません。CSで1勝もできなかった悔しさを忘れずに、これからの時間を有効に使って、また来季に挑みます。今季はご声援、どうもありがとうございました。

 

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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