頑張らないでやる気を出すコツ

「考えすぎない」で動けば“やる気”はついてくる

2018.08.13 公式 頑張らないでやる気を出すコツ 第11回
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ほとんどの問題は動き始めてからでも解決できる

こんにちは、感情コミュニケ―ション術専門家の沖本るり子です。今回は、何かしら新しい「行動」を起こそうとしたときには、頭の中で「考えすぎない」方がうまくいくというお話です。何に対しても、慎重になることは決して悪いことではありません。しかし、実際に動き始める前に必要以上に考えてしまうと、自分自身の「行動」を妨げてしまいます。結果的に、せっかくの“やる気”を失うことになってしまうので、「考えすぎない」ことが重要なのです。

人間は、自分にとって前向きな「行動」を起こそうとしているときほど、考えすぎてしまいがちです。「失敗したくない」と思うあまり、つい先回りして、あらゆるマイナスの事態を想定しようとするからです。そして、その事態を引き起こすであろう要因を、すべて取り除いてから動き出そうとします。そのため、準備に多くの時間を費やして、なかなか実行に移すことができなくなってしまいます。こうした経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。

しかし、動き出す前に頭の中で想定しているマイナスの事態は、あくまでも、その時点で想定できる範囲のことに過ぎません。実際に「行動」を起こすと、決まって想定外の問題が発生するものです。つまり、いくら考えても完璧に準備することなどできないということです。それにも関わらず、動き出す前にマイナスの事態ばかり想定することは、わざわざ「やらない理由」を探しているようなものです。さらに、目先の小さな問題を払拭するために動き出すことを先に延ばしていると、次第に、せっかくあった“やる気”を失ってしまうことになりかねません。

このように、何か「行動」を起こすときには、「考えすぎない」で「とにかく始めてみる」ことがうまくいく秘訣です。いずれ起きるかもしれないマイナスの事態を恐れていても、何も始まりません。始める前に、立ち止まらないことが大切なのです。

私の行っている企業研修の話になりますが、せっかく研修事自体に興味を持っていただいても、検討の結果、実際には導入されることなく終わることがあります。一概には言えませんが、「うちの社員が最後までついていけるのかな」「もし、導入したら、他の仕事に弊害はないのだろうか?」というマイナスの事態を想定した結果、踏みとどまってしまうのでしょう。

一方で、あまり考えすぎずに「とりあえず、やってみよう」と、思い切って研修の導入を決めていただく場合もあります。そういった会社の中には、のちに優良企業として表彰されたり、その影響が話題になり、全国から注目を浴びるようになった会社もあります。発展していく会社というものは、いい意味で「考えすぎない」体質の会社ということも往々にしてあるのです。

個人も、同じです。動き始めてから何か問題が発生したら、走りながら考えればよいのです。だいたいのことには「解決策」があるので、やがて、うまく回り始めます。そうなれば、せっかくの自分の“やる気”を失うことなく前に進めるのです。

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プロフィール

沖本るり子
沖本るり子

株式会社CHEERFUL代表。感情とコミュニケーションの上手な活用によって、人と組織を育成する専門家。数多くの企業研修を請け負う傍ら、合計7冊のビジネス書の出版実績も持つ。現在は主に人財育成をテーマとし、中小企業の組織活性化のサポートを行なっている。

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