ちゃんと働いているのに、なぜかずっとしんどい

「ちゃんと働ているのに、なぜかずっとしんどい」――心と体をじわじわエグる〝静かな過負荷〟の正体

「心の持ち方を変えればいい」でも、そんな単純な話でもない

 

「静かな過負荷」と聞くと、心の持ち方を変えればいい話に見えるかもしれません。
でも、それだけでは少し足りません。

作業療法士として23年間、人が崩れる瞬間と、そこから戻っていく過程を見てきました。その中で何度も感じてきたのは、人のしんどさは、その人の中だけで起きているわけではない、ということです。

どんな仕事をしているか。
どんな人と関わっているか。
どんな期待を背負っているか。
どんな役割から降りられずにいるか。

そういう組み合わせの中で、体も心も反応しています。

作業療法には、人を「本人の能力」だけで見ない考え方があります。

その人が、何をしているのか。
どんな環境でしているのか。
そこに、どんな意味や責任がくっついているのか。

たとえば、同じ会議でもそうです。

意見を言いやすい場なら、集中できます。
けれど、何を言っても否定される空気の中では、発言する前から体が固くなる。

同じメール返信でも、相手の機嫌や、上司の反応や、あとから起きる面倒まで想像しながら書くメールは、ただの文字入力ではありません。

それはもう、小さな戦闘です。

負荷は「やっていることの量」だけでは決まりません。
行為と環境と責任の組み合わせで、重さが変わります。

だから、しんどさを感じたときに、すぐ自分の性格や根性の問題にしなくていいのです。

もしかすると、いまの自分と、毎日の形との間に、少しずつズレが生まれているのかもしれません。

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プロフィール

三宮孝太
三宮孝太

作業療法士・修士。北海道の急性期病院で23年、のべ5万人の「働く人」のリハビリに関わってきた。働きながら身体を壊した人、心が動かなくなった人、彼らの人生に何度も伴走するうちに、なぜ真面目に働いている人ほどしんどさを抱え込んでしまうのかという問いに直面する。それをきっかけとして2026年、株式会社DIALOGを設立。企業の健康経営支援と、個人のコンディションを整えるウェルネス事業を通じて、「働きながら、自分を取り戻せる社会」を目指す。noteでは「3ちゃん|ごきげんナビゲーター」名義で、「しんどさ」をほどく言葉を日々綴っている。

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