友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

「1日誰とも会話をしていない…」でも、明るく元気になれる方法

「会社の人間関係が苦手だ」「誰かといると、それだけで疲れてしまう」「面倒な人に関わりたくない」「会社に頼らず、一人で稼ぎたい」――そう考えつつもずっと我慢し続けている、いわゆる「コミュ障」さんは少なくありません。そうした方々に向けて、コミュ障でもぼっちでも、無理せず一人でも稼げるようになる技術「ぼっち仕事術」を指南します。

この連載をまとめ、大幅に加筆・改稿した、ビジネス書『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』(末岐碧衣)が、アルファポリスより好評発売中です。

最近、誰かと会話しましたか?

1日ずっと一人で過ごし、誰とも会話をしていない。ふと気づくと、何日もそんな日々を送っている……。

このような生活を強いられている人も少なくないと思います。身近に家族や友人など話せる相手がいれば良いのですが、そういう環境に恵まれていない人も多いでしょう。それで、知らずしらずのうちに、うつっぽくなってしまう人も増えているようです。

わたしはコミュ障の自覚があり、基本的にずっとぼっちで過ごしてきたので、一人でいることが苦ではありません。誰とも話さない日が続いても、わりと平気だったりします。

ですが、孤独に強いわたしでも、長く誰とも交流していないとやっぱり精神的につらくなります。それでぼっちなりにいろいろ試行錯誤して、一人でもつらくならないような方法を探ってきました。

今回は、コミュ障のわたしがたどり着いた、「1日誰とも話さなくても、病まないで済む方法」についてお話しします。かなり極端ではあるのですが、お役立ていただけるポイントもあると思うので、参考にしていただけたらと思います。

「1日誰とも話さない」が当たり前になるまで

わたしはフリーランスのエンジニアで、人とほとんど会話をしないで済む仕事をしていますが、会社勤めしていた頃から、1日誰とも話さないという人でした。それどころか、通勤中からほぼ丸一日ずっと耳栓をしているという徹底ぶり。耳栓を見て不快に思う人がいるだろうから、髪を下ろして隠してましたけど。

でも、最初からこうだったわけではありません。もともとは普通に同僚とも交流できていました。こうなってしまったのは、うつで休職してから。厳密にはうつになるまでにちょっとずつ変わっていった気もしますが、休職はクリティカルだったように思います。
それで復帰後、神経過敏になり、人の声や視線が怖くなってしまい、気づいたら誰とも話せないし、普通に仕事をすることも難しくなっていました。

休職から復帰した数ヶ月の頃が、一番症状がきつかった時期です。デスクの電話が鳴るたびにビクゥッってなって、心臓がバクバクして(自分の体が揺れているのを感じるくらい)、しばらく誰にも気づかれないように震えながらゆっくり深呼吸したりしていました。耳栓をしていても、電話の着信がものすごく大きな音に感じられて、いちいち死にそうになるほど。

この神経過敏はちょっと病的で、耳栓をしていても電話の音だけじゃなく、ビミョーに聞こえてくる周囲の音まで、気になるようになっていました。隣の人が誰かと何かをしゃべり出すのがわかった瞬間、耳栓をぎゅっと耳の中に指で押し込んでそのまま動かない、みたいなこともやってました。

神経過敏をどうやって克服したか

そんな危機的な状況を救ってくれたのが、「音で上書きする」という方法でした。具体的には、耳の片方だけにイヤホンをつけ、もう片方の耳に耳栓を付けるのです。これが、ものすごい効果を発揮しました。劇的に周りの音が聞こえにくくなったのです。

ちなみになぜ両方イヤホンじゃないかというと、ごくまれに、仕事の要件でオフィスでわたしに話しかけてくる人がいたから。イヤホンを両耳に付けているとガン無視している感じになってしまうので、ささやかながらコミュニケーションは拒絶していないというふうを演出していたのです。

よく聞いていたのは、ちょっと激しめの洋楽です。ロック、というかシャウト系。顔も知らない外国人男性が思い切り何かを叫んでいるのは、聞いてきてなんとなくいい気分だったのを覚えています。

この「音で上書きする」という療法がとてもうまくいったので、通勤中や仕事中だけじゃなく、一日中イヤホンを装着するようになりました。そうして徐々に神経過敏が落ち着いていったのですが、イヤホンを付ける習慣の延長で、ふとしたきっかけでラジオを聞くようになります。

人の会話を聞くと、心がラクになる?

聞いていたラジオは、伊集院光さんや松本人志さんの番組。ラジオではないのですが、テレビ番組の『水曜どうでしょう』の音声もよく聞いていました。同じ話を繰り返し何度も聞くこともあります。このラジオを聞く習慣は不思議とその後の生活の一部となり、それによって、少しずつメンタルが回復していったような気がします。

『水曜どうでしょう』では、出演している大泉さんが堂々と愚痴をこぼしまくっているのが心地よく、思ったことをこんなに素直に、しかも相手を不快にさせずに伝えられるなんてすごいなって、自分も真似しようとして聞いていました。
伊集院さんのラジオでは、飛行機でクレーマー扱いされて不快な思いをした経験を、怒りながらもめちゃくちゃ面白いトークに変換している放送を聞いたのが最初で、そこからずっとハマってます。不快なこともこんなに面白く話せるなんてすごいなぁといつも思っています。

なんというか、自分が凹んでいるとき、疲れているときって、正統派というか、真正面(?)の笑いってちょっとまぶしすぎて受け取れないというか、最悪な自分と比べて逆に凹んでしまったり……。
でも、ラジオで聞ける、愚痴やイライラを面白に変換したトークは、不思議とすんなり受け入れられました。ちょっとダークめの笑いというか、そういうほうが救われるのです。

ともかくそんなこんなで、ラジオを聞く習慣を経て、人の話を聞くということが、また少しずつできるようになったのが嬉しかったのを覚えています。また、一人でじっとしていると余計なこと(過去の嫌だった体験とか)を反すうしてしまう癖があったのですが、ラジオの音声を四六時中聞いていることでそれもずいぶん減り、すごく楽になりました。
人に話しかけられるということが怖くて、ずっと避け続けていたわたし。ラジオは、そんな状態から救い出してくれ、自分に向かって話しかけてくれる声が、悪意に満たされているわけではないということを思い出させてくれました。

ちなみに、音や音楽といった聴覚情報は、視覚情報よりも直接感情に訴えることがあるそうです。例えば、感動的な小説を読んでも泣かない人が、思い出の曲のワンフレーズを聞いただけでポロッと涙を流してしまうとか。

どんな文明でもどんな土地でも、言葉や文字がない頃から音楽はあり、昔から、集団の結束力を高めるのに利用されてきました。キャンプファイヤーでは火を囲んで皆で歌うし、サッカーファンは自分の応援しているチームの応援歌を見ず知らずの人たちとバーで大合唱して盛り上がったり、オリンピックでは国歌を歌ったりします。音には集団を統合したり、維持したりすることに多大な影響があるのだと思います。

わたしの不調を治すのに、ラジオの声が有効に作用したのには、ラジオから流れる声を介して「社会的なつながり」を感じることができたから。それで孤独を癒やすことができ、情緒も安定していったのかもしれません。

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プロフィール

末岐碧衣
末岐碧衣

コミュ障で友達0人のシステムエンジニア。早稲田大学理工学部卒業。新卒でITコンサルティング企業に入社したものの、コミュ障が爆発し、人間関係が崩壊する。うつにより休職した後は、コミュ障の自覚を持ち、チームプレイを避けて一人でできる仕事に専念するようになる。2015年フリーランスとして独立。一度も営業せず、独立前の年収3倍を達成。

著書

友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

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「コミュ障」で「友達が0人」という、社会にうまく適応できない著者が、多くの挫折を経てたどり着いた、一人でも稼げるようになる技術「ぼっち仕事術」を...
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