我が家で最初に子どもの関心を引いたのは、電車でした。
電車が通るのを見るたびに指をさして「ピンクの電車」とか「みどりの電車」と嬉しそうに報告してくれるので、私たちは、学んだ通り、本棚に図鑑を忍ばせたりしてみました。
すると息子は自ら図鑑を引っ張り出し、読み始めたので、シメシメとばかり、「すごいね!」と褒めると、喜んでさらに熱中して読み込んでいました。電車の絵本を読み聞かせしたり、トイレに路線図を貼ったり、実際に電車に乗ったり乗り換えたりしていました。
やがて、山手線、東急東横線などの路線の名前を覚え始め、特急とか新幹線とか、どんどん関心が広がっていきました。
私と息子で路線の名前を交互に言って思いつかなくなったほうが負けのゲームをしたり、あいうえお順に「あ」から始まる電車とか駅名を言うクイズをして、「阿蘇ボーイ (特急の名前)」、「明石駅」とか答えているうちに、4歳のときにはひらがなもカタカナを読めるようになり、小学校に入るころには漢字もだいぶ読めるようになっていました。
時刻表にも興味が出て時計が読めたり、新幹線は時速340キロが出るとか数字にも興味を持って足し算とか引き算が得意になっていました。「好きなことって人の成長を促すのだな」と何度も驚かされました。
次に、恐竜が好きになったときも同じように、恐竜の図鑑を本棚に忍ばせ、自ら図鑑を引っ張り出したのを褒めていたところ、まんまと恐竜の名前に詳しくなりました。「アロサウルスはジュラ紀で、ティラノサウルスは白亜紀だから、同じ時代にはいなかったんだ」とか、「ブラキオサウルスの体長は何メートルだ」とか解説してくれるようになりました。
さらにその後、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』を映画館で観てドハマりし、ゴジラ熱が高まったので、ゴジラ関連の本を本棚に忍ばせておくようにしました。すると、『シン・ゴジラ』などの過去のゴジラ作品を観あさるようになり、山崎貴監督のドキュメンタリー映像を観たりして、「自分は映画監督になるんだ」と言いだしたりしました。
「ゴジラのフィギュアを使って撮影したい」というのでスマホで録画させると、自分で物語を作って楽しそうに作品を撮っているのでした。
「このパターンはすごいぞ……!」というのが、私たち夫婦の実感です。
電車、恐竜、ゴジラなど、子どもが関心を持つたびに、私たち夫婦は「ワンパターン」にそっと図鑑を忍ばせ、体験させたりするうちにCANを増やし、それを褒め、WANTが育つように仕向けていました。
子どものWANTが育つというのは、親としてはとても嬉しいことで、親の創造を超えて好奇心を見せてくれたり、目を輝かせて楽しむ姿を見ることは、とても幸せなことでした。
しつけはするべきです。
そのしつけのルールは、周りに迷惑をかけるからとかそういう理由ではなく、我が家のルールとして根拠なく決めることが重要です。
先の芸能人も、新幹線で自由に好き勝手させることを、家庭の方針として本当にそうさせるべきなのかは、一度じっくり考えてみるほうが良いでしょう。自由にできる場所は、他にも用意できるはずです。「新幹線は移動を楽しむ場所。席に着いて、外を眺めたり、会話を楽しむようにしようね」としてもいいのではないでしょうか。
家庭のMUSTを定め、それを守っている限りは「何をしてもよい」と関心の幅を広く持たせる。そのうえで、CANが増えたら褒める。そしてWANTが育つのを待つ。
意欲の高い、好奇心の高い、勉強をしなさいと言わなくてもやる子どもになるかどうかは、親の関わり方にかかっていると言えるでしょう。