2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

今年は厳しさを上乗せして挑む――
「このままでは、いつまでも変われない」

開幕戦は特別な試合。全力で取りにいく!

――さて、本日からいよいよペナントレースが始まります。よくある質問ではありますが、開幕戦とは特別な試合なのか、それともあくまでも「143分の1」なのか、高津監督はどのようにお考えですか?

高津 間違いなく、特別な1日、特別な1試合ですね。表面だけ見ればどの試合であっても、1勝は1勝で、1敗は1敗です。でも、開幕戦というのはスタートの試合なんです。他の試合は決してスタートの試合ではないんです。僕はスタートというのは、とても大切だと考えています。

――スタートダッシュで勢いに乗ることはとても大切ですね。

高津 そうです。意味のある1を大切にすれば、次が生まれてくるんです。勝つに越したことはないけど、少なくとも「意味のある1」を絶対に大切にしたい。2を生かすための1じゃないとダメなんです。ダジャレみたいになるけど、「1」の位置づけというのは、それぐらい重要なものだと僕は思っています。だから、全力を挙げて「1」である開幕戦を取りにいきます。

――大事な開幕戦を小川泰弘投手に託したのは、その期待の表れなんですね。

高津 昨年の成績を基にしたのはもちろんだけど、相手のエースに投げ勝つプレッシャーはとても大きいものです。だから、現在のうちの投手陣を見れば、彼に託したい。チームとしてもそうだし、今年の彼の成績を占う意味でも大切な試合だと思います。

――開幕戦の感想については改めて、次回伺います。さて、最後になりますが、今年もまたペナントレースと同時進行で本連載も進んでいきます。シーズン2を迎えた今の心境、読者の方へのメッセージをお願いします!

高津 読者の方には、ぜひ「裏高津」というのかな、「裏スワローズ」を楽しんでほしいですね。シーズンの間に、「あっ、そういうことを考えているのか」とか、「今はこういうチーム状況なんだ」とか、この連載を通じてお伝えしたいと思っています。そうすることで、テレビや球場での見方も、またちょっと変わってくると思います。試合を「見る」「聴く」だけじゃなくて、この連載を「読む」ことで、野球はさらに面白くなると思いますね。

――今年も健闘を祈ります。次回もどうぞよろしくお願いいたします!

高津 こちらこそ、次回もどうぞよろしくお願いします! 10月にはいい報告ができるよう、今年も精一杯、頑張ります!

 

ご感想はこちら

プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
出版をご希望の方へ

公式連載