2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

絶対に掴み取りたい20年ぶり日本一の座
初戦、初回、初球それぞれの「1」を大事に行く

2020シーズン、未曽有の事態に見舞われる中で、リーグ最下位という悔しい結果に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今季は心機一転、投手陣の補強を最優先に掲げ、再起を誓う。
昨シーズンを踏まえ、「今年はさらに厳しくいく」と宣言する2年目の高津監督は、新戦力が加わった新たなスワローズをどのように変革し、リーグ制覇を目指していくのか。
本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、高津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――クライマックスシリーズファイナルステージでは巨人を撃破して、日本シリーズ進出が決定しました。アドバンテージの1勝を含めて3連勝という結果でした。

高津 張りつめた緊張から、早めに解放されたのはよかったと思います。ただ、個人的にはこういう緊張感は嫌いじゃないし、どちらかというとワクワクするタイプなんです(笑)。チームのみんなが「絶対に日本シリーズにいくぞ」「日本一になるぞ」という思いで進んでいる実感は強く感じましたね。

――開幕3連敗からのスタートで始まった2021(令和3)年シーズンも、いよいよ大詰めを迎えました。改めて今季を振り返っていただけますか?

高津 これまでずっと目の前の戦いに集中して戦ってきましたけど、やっぱり開幕3連敗でのスタートというのはすごくタイガースとの差を感じましたね。当然、いろいろ対策を練って、さまざまな練習をしてその日を迎えたのに、「あぁ、こんなに差があるんだ。こんなに負けてしまうんだ」という思いは正直感じていました。

――それでもシーズン中盤までは3位をキープしながら首位阪神、2位巨人に食らいつく展開となりましたね。

高津 戦っている渦中では実感していなかったけど、昨年まではできなかったこともできるようになったし、精神的にもタフになったし、野球脳というか、野球に関する頭もよくなったし、僕も含めていろいろな面で成長していたんだと思います。特に9月以降は、1試合消化するたびに強くなっていったと思います。勢いというのか、目に見えない何かに背中を後押しされた実感はありますね。

――いわゆる「流れ」だとか「運」というものを引き寄せるために意識していたこと、心がけていたことはありますか?

高津 いやぁ、それはわからないです(笑)。でも、実は今だから言えるけど、昨年のように負けが込んでいるときにも「やっぱり、目に見えない何かがあるな……」って思っていました。

――それは悪い意味での「流れ」ということですか?

高津 そう、悪い意味での流れ。何をやってもうまくいかないし、常に「こんなはずじゃない」という思いで戦っていましたね。それが今年は何をやっても前向きになるし、何か失敗しても誰かがカバーして取り返すことができる。そういう流れになっていますね。目に見えないそういうものってどうしてなのかはわからないけど、やっぱり、「勝利」がいちばんなんでしょうね(笑)。

――先ほど、「開幕3連戦」の話が出ましたが、勝利した試合で印象に残っている試合はありますか?

高津 勝利した試合か……。あっ、交流戦ラスト(6月11~13日)のソフトバンクとの3連戦3連勝ですね。開幕3連戦については「このままじゃダメだ」と思ったけど、ソフトバンクに3連勝したときには、すごく自信になったし、チームに勢いをもたらしました。向こうはケガ人がいて戦力的には整っていなかったけど、それでも大きな自信にはなりました。

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プロフィール

高津臣吾
高津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

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