2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

リーグ制覇へ向けて奮い立つ選手たち
その裏には、高津監督の「言葉」があった

「僕たちは命を懸けてグラウンドに立っている」

――「絶対に崩れない」というのは、どんな意図からの発言ですか?

高津 チームの輪というもの、人と人とのつながりというもの。これは、この時期にはさらに重要になってきます。選手にはそれぞれ役割があります。自分の役割をきちんと理解することはもちろん大切だけど、他の人の役割、仕事をきちんと理解し合うことができれば、チームの輪は決して崩れない。その辺りは強く伝えたいことでした。

――このミーティングでも「チームスワローズ」というフレーズが登場します。この連載においても、監督がしばしば口にするフレーズです。今、この時期だからこそ「チームスワローズ」というのが重要になってきますね。

高津 グラウンドに立っている選手たちだけが「チームスワローズ」なのではなく、それを支える多くのスタッフ、そして応援して下さるファンのみなさん、それぞれが大切なチームの一員なんです。その点は改めて忘れたくないという思いは、僕にはあります。

――さて、9月13日の対中日ドラゴンズ戦では9回表に審判団の不明瞭な判定の下、不完全燃焼のままチャンスを潰して0対1で敗戦しました。監督としては珍しく、執拗な抗議をした後、興奮状態のまま引き上げていくこととなりました。猛抗議の後、ベンチに待機する選手たちに声をかけた後に引き上げていく。「勝利に対する執念」を見せつけた場面だと思います。選手たちを鼓舞するような意図はありましたか?

高津 別に引き際を計算して抗議をして、不満を抱えつつも引き上げたわけではありません。僕の正直な思いとしてはああいう終わり方に納得ができずに抗議をしただけです。命まで取られるわけじゃないけど、僕たちは命を懸けてグラウンドに立っています。僕が抗議をすることで、判定が覆るとは思っていませんでした。でも、野球人というか、大げさな言い方になるかもしれないけど、人として許せない部分がたくさんあった。だから、ああいう抗議となっただけです。

――結果的に選手たちには「勝利に対する執念」「一勝の重み」を痛感させる出来事になったと思いますが、いかがでしょうか?

高津 そういう部分もあるのかもしれないけど、僕の思いとしてはちょっと興奮しすぎて、「選手の前で不格好な姿を見せてしまったな」という反省はあります。いくら納得がいっていなくても、審判に対する敬意を払わなければいけなかったなという思いもありますね。

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プロフィール

高津臣吾
高津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

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