2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

リーグ制覇へ向けて奮い立つ選手たち
その裏には、高津監督の「言葉」があった

「言葉」は武器となり、力となる

――生前の野村克也さんは「選手は監督の行動をよく見ている」と話していました。ミーティングでの「言葉」、審判団への猛抗議、選手への説明という「言動」など、監督は選手に対する発信力をとても意識されてるように思います。監督は「言葉」というものをどれぐらい意識されているのでしょうか?

高津 僕は、プロ野球の世界に入って以来、言葉で育てられたと思っていますから、言葉の重要性はもちろん強く感じているし、身体も心も動かすことができるのは「言葉」だと思っています。

――つまり、入団時の監督であり、「言葉の人」でもあった野村克也さんの影響を強く受けているということですね。

高津 そうです。もちろん、野村監督以外にもチームメイトだったり、歴代の指導者だったり、いろいろな人たちとの言葉のやりとりの影響を受けているけど、野村監督の影響はとても大きいし、「野球人・高津臣吾」の大半は言葉でできていると言ってもいいと思います。

――「言葉」に関して、野村監督から教わったこと、学んだことはどんなことですか?

高津 野村監督は本当に言葉を大切にされていた方でした。僕みたいにペラペラとしゃべるのではなく、別に意識しているわけじゃないと思うけど聞いている人を惹きこませる話をされる方でした。僕が監督になったときも、「野村さんのように言葉を大切にする監督になろう」と思いました。

――言葉も武器であり、力になるということですね。

高津 言葉一つで人をやる気にさせたり、逆にダメにさせたりします。軽はずみなひと言が取り返しもつかないことになるかもしれない。ほんのひと言が人生を好転させるかもしれない。だから、言葉は武器であり凶器であり、意識して使わないといけないんだと思います。残り30試合を切った今だからこそ、その思いは強くなっています。

 

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プロフィール

高津臣吾
高津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

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