2022東京ヤクルトスワローズ髙津流 熱燕マネジメント

粘り強い戦いで、ついにセ・リーグ首位争いへ!
「負けが続かない」スワローズを支える若手の活躍

チームスワローズ一丸となって粘り強い戦いを

――5月3日には、ようやく中村悠平選手が復帰しました。昨年の日本シリーズMVPの待望の復帰ですが、それでも、プロ2年目の内山壮真選手との併用が続いています。内山選手については、どのように評価していますか?

髙津 壮真の場合は、本来は「ファームでじっくり経験を積ませてから一軍に」と考えていたけど、中村のケガの影響もあって一軍に置くことにしました。その中で、本当によく頑張っていると思いますね。今後はどのような起用法になるかはまだわからないけれど、意識的にいろいろチャンスは与えていきたいと思っています。

――サンタナ選手とホセ・オスナ選手は、本当に仲がいい様子が伝わっていました。サンタナ選手の離脱後、オスナ選手に対するケアなどはどうされているのですか?

髙津 チームとして、サンタナの離脱はとても大きなダメージです。村上宗隆の後を打つ五番打者がいなくなってしまったこと。それによって、得点力に大きな影響が出てしまっていること。とにかく、サンタナの離脱はとても痛かった。そうなると、オスナに対する期待はさらに大きくなります。あれだけ仲良く、「日本の野球を学んでいこう」としていましたから、その相方がいなくなったことで、オスナまで元気がなくなるようなことは絶対に避けなければいけないですね。

――それを避けるために、どんな点に注意をしていますか?

髙津 僕も、アメリカ、韓国、台湾と、海外でプレーした経験がありますが、母国語でしゃべれる仲間の存在はとても大きいんです。そのためには一日も早くサンタナに戻ってきてほしいけれど、それまでは僕ら首脳陣も、チームメイトも、今まで以上にオスナのことは気に欠けなければいけないなと思っています。

――主力選手の離脱がありながらも、粘り強い戦いを続けて、首位戦線に食らいついています。改めて、これからの戦いについての意気込みをお願いいたします。

髙津 昨年の日本一のときもそうでしたが、僕たちは一軍と二軍、若手とベテラン、裏方さん、ファンのみなさん、すべてがそろってチームスワローズなんです。これ以上、絶対に故障者を出さないように注意をしつつ、離脱した選手が戻ってくるまでの間、チームスワローズ一丸となって粘り強く戦っていきます。引き続き、「応燕」をよろしくお願いします!

 

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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