「うん、充も元気でね」
咲子は、これで踏ん切りがついて、園田からの提案を受け入れようと考えた。
翔が「お泊り保育」の日に、園田が自宅のマンションに咲子を食事に招いたときのことだ。園田は住んでいるマンションの更新時期が迫っていた。咲子は自宅である。
「引くほど図々しいこと聞きますね。引いてもらって大丈夫です」
「引くこと確定なんですか?」
「僕と翔が咲子さんのお宅に引っ越すのはありですか」
驚いた咲子は、粉チーズをテーブルいっぱいに振りまいてしったのだった。
男女関係というのではなく、友達に近い形で同居を決意した咲子は、夫の充の服などを整理するのを園田とともに進める。チャイムがなって、ドアを開けるとそこには、充が立っていた。
「ただいま」と。目を見開いた咲子は「おかえり」と返した。
『告白-25年目の秘密-』(日テレ、毎週土曜よる9時)は、渡邊真子(1986年生まれ)によるやはりサスペンスである。アイドルグループSixTONESのメンバーで俳優の北村北斗と、モデル出身の岡崎紗絵を主役に配している。
雪村爽太(北村)は小学校時代から近所に住む、野瀬麻里子(岡崎)にあこがれをいたきながらも、その気持ちを伝えられないまま、中学、高校と麻里子と同じ学校に進学。大学は1浪したものの、麻里子と同じ学部に進学を果たす。さらには、麻里子の父・銀次郎(石黒賢)が経営する化粧品会社に入社する。
麻里子は、爽太に対する認識はまったくない。会社でも、爽太が経理のシステムや総務部門に所属していたのに対して、麻里子は商品企画部門の部長の地位にある。ふとしたきっかけから、爽太の才能に気づいた麻里子は、彼を自分の部署に異動させる。
ふたりの関係からドラマの伏線になっているのは、小学校時代に爽太が虐められていた時に、麻里子が、いじめっ子たちのひとりに強烈なパンチを浴びせたことだった。さらに、麻里子が誘拐犯の畑野悟(田中要次)に誘拐されかかったとき、爽太が声をあげて周囲の住宅に住んでいる人の助けを求めて、この誘拐が未遂に終わったことである。
犯人の畑野は、連続誘拐犯であり、この件とは別の事件で立件されて、25年の刑期を終えて出所する。
爽太にとって、麻里子は「ヒーロー」であり、かつ守るべきひととなった。爽太は、小学校時代から麻里子を遠くからみつめて、毎日のように日記をつけている。そのことを麻里子は知らない。
上司と部下との関係とはいえ、同じ職場の中で誠実な爽太に麻里子はひかれていく。
その間に、麻里子の周辺で殺人事件が起きる。商品開発のライバル部長が何者かに殺された。現場の防犯カメラには、爽太が去っていく姿が映っていた。しかし、それは麻里子が立案した商品開発のライバルとなっていた、その部長の経理的な不正をつきつけて商品計画の競争から降りるように依頼するためだった。
ふとしたきっかけから、麻里子と知り合った警視庁捜査一課の刑事である、佐倉泰輔(玉山鉄二)は、爽太の犯行を疑う。
麻里子の父である社長の銀次郎の秘書が、突然失踪する。
麻里子は爽太に対する思いが募り仕事が終わった後に、爽太を遊園地に誘う。観覧車に乗ってはしゃいでみせる。
この直前に麻里子は、爽太に恋人がいると思ってどんな女性か聞いたばかりだった。爽太は「芯が強くて、頑張っているのに人にはそうみせず、ひたすら仕事に打ち込んでいる人です。僕の『ヒーロー』なんです」と、答えていた。
遊園地から自宅に帰る分かれ道、麻里子が坂道を登っていくのをいったんは別れた爽太が、突然方向を変えて、麻里子を追う。