前出の安西氏は、こう指摘する。
「飲食店の原価率や人件費はコントロールが非常に難しい。特に教育コストや離職リスクは“見えない固定費”として積み上がります。DXの価値は、これらの不安定要素を排除して、“計画可能な経営”を実現できる点にあります」
もちろん、ロボットや急速冷凍機の導入には初期費用がかかる。しかし、人件費上昇、採用困難、繁忙の偏在、廃棄ロスといった構造的問題を踏まえると、その費用は“コスト”ではなく「生存のための投資」と位置づけるべきだ。
人口減少が進む日本において、「人がいなくても売上と品質を保てる店」が勝ち残るのは自明である。
すでに、従業員3~5名で店舗を回す小規模飲食店ほど、DXの効果を強く実感しているという。人材依存のリスクを減らし、標準化と省力化を同時に達成する仕組みづくりは、中小企業にとって避けられない経営課題となっている。
中小飲食店・食品工場向けのDXソリューションは、過去数年で驚くほど実用レベルに達し、いま確実に普及期に入っている。
・調理工程
・盛り付け工程
・保存・在庫管理
・テイクアウト展開
・売上増に直結する新規商品開発
これらを同時に変革できる時代が来た。
「人がいないから仕方ない」ではなく、「人がいない時代だからこそできる経営戦略」へと発想を転換できる企業こそが、これからの市場で勝ち残るだろう。
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)