JAL・ANA「国内線共同運航」は実現するか…“実質赤字”の苦境が生んだ異例の蜜月

 欧州では、経営難に陥った地方エアラインが大手に吸収されるか、公的補助を受けながら路線を分担する形が定着している。日本でも、航空ネットワークを「競争財」から「社会インフラ」として捉え直す議論が避けられない段階に来ている。

「今の日本の航空行政は、競争政策と路線維持政策の間で板挟みになっています。独占禁止法の枠内で両社の協調をどこまで認めるか、という問題は、最終的には国の航空政策の方向性を問う問題です。欧州型の『競争より安定』に舵を切るのか、あくまで市場競争を優先するのか——それを政治が明示しない限り、両社は中途半端な協調を繰り返すだけになりかねません」(同)

「JALかANAか」を選ぶ時代は、静かに終わろうとしているのかもしれない。問題は、誰がその「終わり」を宣言するか、だ。経営者か、規制当局か、それとも市場か。2025年以降の動向を、単なる「航空会社間の業務提携」として見るのか、日本の航空インフラ再編の胎動として見るのか——その視点の差が、読者と投資家にとって重要な分かれ目となる。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、中村哲也/元大手航空会社収益管理部長・航空経営コンサルタント)