ホルムズ封鎖で判明した衝撃の事実…大手メーカーは調達リスクを把握できていなかった

「結局、ちゃんといい提案をすること。それ以外に、この市場で勝つ方法はないんです」

 同社の販管費比率は同規模のSaaS企業より薄い。粗利率8〜9割のビジネスモデルで広告費を抑えられれば、損益分岐点は低い位置にある。毎年2倍成長を維持し、2030年以降のIPOを目指す。

 自動車業界での目標シェアは7〜8割。その先には電気機器、産業機器、住宅機器への展開が控えている。

「日本で実績が出れば、そのまま世界に展開できます。世界で自動車産業が強いのは日本だから」

 最後に、起業を志したきっかけを尋ねると、松原氏はこう答えた。

「うちの娘もお花屋さんになりたいって言っていましたが、そんな感じで、僕も事業をやりたいって思っていたんです」

 幼い頃からの夢、としか言いようがない話だ。壮大なビジョンも、複雑な動機もない。ただ「事業をやりたかった」。その一点で動いてきた人間が、日本の製造業が長年手をつけられなかった調達の闇に光を当て、世界を狙っている。

 3万点の部品の原価が、はじめて見える時代が来ようとしている。

(取材・文=昼間たかし)