アップル、Mac・iPadを最大9万円超値上げ…なぜiPhoneだけ価格据え置き?

 一方で留意すべき点もある。メモリ価格高騰の影響は中古市場にも波及しており、中古端末の買取価格・販売価格自体も上昇傾向にあるとの指摘がある。新品との価格差が縮小する可能性もあるため、「型落ちなら何でも安い」と単純に捉えるのではなく、状態やモデルごとの実勢価格を見極める視点が今後より重要になるだろう。

 今回の値上げは、部材高騰と円安という外部環境の変化に対し、アップルが自社のブランド力とエコシステムの強さを踏まえて優先順位をつけた、合理的な価格戦略の一断面と捉えることができる。為替と半導体需給という構造要因が短期間で解消される見通しは立っておらず、iPhoneを含むアップル製品全体の実質的な価格上昇圧力は、当面続くとみるのが自然だろう。

 企業の調達担当者や個人のビジネスパーソンにとっては、「最新の新品を追いかける」ことを前提にしたデバイス選びから、認定中古・リファビッシュ品の活用やライフサイクルの長期化といった選択肢を組み合わせる「調達の多様化」へと、発想を切り替える局面に来ているといえる。価格の動きを一時的な現象として捉えるのではなく、構造的な変化として理解した上で、自社・自身に合った調達方針を見直すことが、円安と部材高騰が続く時代の現実的な向き合い方になりそうだ。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=小平貴裕/ITジャーナリスト)