なぜスタバは自販機に参入したのか…サントリーが仕掛けるコカ・コーラへの対抗策

「自販機市場は台数減少と採算悪化の両方に直面しており、各社は差別化の材料を探しています。強いブランド力を持つカフェチェーンとの独占提携は、設置先との交渉力を高める上で有効な選択肢の一つです。ただし専用機は汎用機に比べて初期投資や保守のコストがかかりやすく、投資回収のスピードが今後の展開規模を左右するはずです」(同)

1缶200円超の自販機スタバ、デフレ脱却と無人ビジネスの未来

 自動販売機は長らく「100〜150円で手軽に買える飲み物」というイメージが定着してきた。今回投入される商品は155円から240円まで幅があり、なかでも自販機限定のキャラメルマキアートは240円と、従来の自販機の価格帯より一段上に位置する。この価格帯が消費者に受け入れられれば、値上げが避けられない環境下でも「価格に見合う体験」を提示できれば自販機は生き残れる、という一つのモデルケースになる可能性がある。

 また、人手不足が慢性化する外食・小売業界にとって、店舗網の拡大には限界がある。スターバックスにとって専用自販機は、店舗を新設せずにブランドとの接点を面的に広げる、省人化・省スペース型の新たな出店モデルとも言える。今回の取り組みが実際にどの程度の規模で展開され、消費者にどう受け止められるかは、今後公表される実績データを注視する必要がある。過度な期待も悲観も避けつつ、外食ブランドと飲料メーカーの新しい協業のかたちとして、冷静に成否を見極めていきたい。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=高野輝/戦略コンサルタント)

【主な参照データ・出典】
スターバックス ストーリーズ「日本初!身近にスターバックスの世界観を体験できる『スターバックス専用自動販売機』が新登場」(2026年9月8日)
・PR TIMES(スターバックス コーポレーション プレスリリース)
・日本コカ・コーラ「ついに7,000万ダウンロード突破!コカ・コーラ公式アプリ『Coke ON』10周年記念企画」(2026年2月26日)
・じはんきプレス「2026年版 日本の自動販売機市場規模レポート」